あちゃんの最期


その時の記録。













28日の日曜日夜8時45分ごろ

双子の寝かしつけでうとうとしていた私。




あちゃんのサチュレーションモニターの

アラームがなり

目をやるとspo2は100だけど

脈は60とかなり低い


寝ていてもいつもは低くて110くらい。

時々80くらいに落ちてすぐに

上がってくる事はある




あちゃんは寝ていて

痰がゴロゴロしていたので

取れば上がるかなと

思ったけど

なんだか呼吸の感じがいつもと違う


すぐに横になっていた夫に言う

あちゃん、なんか変だと




痰を引いても脈は上がらない

それどころか40..38..

と下がっていく


こんな下がるの変


spo2は100のままだし

モニターの不具合?

と思っていると


あちゃんは目を開けて

右手をぐいっとあげた


目が一点を見つめていて痙攣だ


でもやっぱりいつもと違う

様子が変



あちゃん!

あちゃん!




痙攣おわった?

目を閉じた




待って


あちゃん呼吸してない




すぐに

アンビューこころみたり

呼吸器をつけてみたり



でも


あちゃん白い

ものすごく白い



呼吸器つけても

サチュレーションモニターが

反応しなくて

なり続けるアラーム音



いつまでたっても

脈とれない






本当に全てが急な事だった





アンビューしても

呼吸器繋いでも脈は戻らなくて

訪問看護さんと在宅の先生に連絡を入れた


訪問看護さんはすぐにかけつけますと

言ってくれて

在宅の先生には

救急車よんで病院へいきましょうかと

電話でいわれたけど

しなかった 




いつもなら真っ先に救急車を呼ぶ




こうなった時


救急車をよんで病院へ行くこと

救命してもらうこと

それは頭にあったはずだけど



夫も私も

ただただあちゃんに声をかけて

ただただ抱きしめて

精一杯あちゃんを感じた


あちゃんまだ聞いてるから

たくさん声かけてあげてと

双子たちにも言った




救急車で病院へ行ったら

もう家族で揃って

ゆっくりした時間を過ごせない



かもしれない話だけど

それは確実に近いと実感したから



家でみんないるところで

少しでもあっちゃんといたかった


すぐに在宅の先生からも同じ理由で

病院へは行かず家で…

という電話があり

来てもらうことになった。





この日

夜だけど双子はまだ起きていて

一緒にあちゃん大丈夫!?

と何度もいってくれて

アンビューを動かす私の手に合わせて

2人ともわからないのに

一緒にやろうとしてくれて

たくさんあっちゃん、あっちゃん、

と声をかけてくれた





事が起きてからの展開は早くて


直前までいつもと変わらない寝顔で

あちゃんはきっと

苦しまず深い眠りにつけた



その後30分ほどで訪問看護さん到着。

訪問看護さんも脈はとれない。

普通は脈下がる時spo2も下がるそう。

でもあちゃんは100あった。

なんでだろう。

本当に脈だけが下がったのなら

あちゃん本当に苦しくなかったはずだよね


そこから

しばらくして在宅医の先生が到着し

2021年2月28日22時38分、

診断がついた。





夫も休日で

みんなが揃っていて

双子たちも起きていて


あちゃんはきっとタイミングも

この時を選んで決めたんだ。






夜中2、3時間おきにあちゃんのお世話で

起きていた時間

体内時計になっていて目が覚める


栄養を切り替えたり

痰吸引したり体位変換したり

オムツ替えすること

あちゃんのお世話だったら

全然苦じゃない

あちゃんのためなら

喜んでする

ずっと一緒にいたかった


障害があろうとも全介助であっても

あちゃんの成長が見える事が嬉しいから

年長さんになって

支援学校いって

色々経験していくあちゃんがみたいから

どんなあちゃんでも

ずっと一緒にいたかった。


大切に育ててきた我が子の

自分よりも何十才も若い命の

終わりを

見届けなくてはならないなんて

なんて残酷な現実だろうとも思う。





でも

あちゃんが決めた事と思ったら

思っていたよりも

すんなりと受け入れる事ができる自分もいた。



今までたくさん頑張ってきて

痛い辛い思いも誰よりもしたけど


脳腫瘍の闘病後には

家族で色々な場所へ

旅行に行く事ができて

たくさん楽しい思い出もできたから


この2ヶ月はお出かけはできなかったけど

家でゆっくり過ごせたから


最期は

苦しまずにほんの一瞬で

眠る事ができて


あちゃんが辛い思いをしなくて済んだ事が

家族で見守っていられたことが

なによりだったから。



ママたちに心配かけないように

あちゃんなりに考えたのかなって

あちゃんなりの決断なら

讃えてあげなくてはいけないって

思えた。


本当にどこまでも優しくいい子なあちゃん。

どうしてこんなに良い子なんだろう

あちゃん。




ママはあちゃんがだいすきだよ

優しい優しいあちゃん

もっとわがまま言ってもよかったのに


それでも優しいのがあちゃんなんだもんね


優しいあちゃん

だいすきだよ

ずっとずっとだいすき

ずっとずっと想ってる

ずっとずっと