私と「腐れ縁の友人M女」と二人で遊ぶ時は前もって計画を立てた例がありません。


単に面倒くさがりってのもありますが、どちらの家にもマイペースな病人が居るので、計画を立てたとしても呼び戻されてどたキャン!

ごめんなぁ……ってことになり、お互いどこか計画を立てることを躊躇してるのかも。不可抗力だけど期待させて裏切るのって嫌だもんねぇ……


だもんで前回の京都に行けたというのは私たちにとっては凄い快挙なのでした!

嵐山の駅前で自転車を借りた時には、私と友人は嬉しくてキレキレの状態!

「お豆腐料理が食べたいねぇ」

と言いながらも喉の渇きでつい入った見目麗しい喫茶店で、注文してしまった料理が昭和の味がしても気分はハッピー!

得たいの知れない食感のパンに挟まった、なんの味付けもされてないハムと卵のサンドウィッチ。トマトピューレに玉葱を混ぜただけの胡椒味のスパゲティー。パルナスか!?と驚愕する味の焼菓子にも、ええ、恨みはありません。

途中、例のコーヒーカップを購入し、自転車を引き摺りもって坂を上り「あだし野の念仏寺」に着けば若いファッショナブルな男女が「ゆだれかけの掛かったお地蔵さん」にお参りしながら交互に写真を撮っている。

「あれ~?あの撮り方、何か違うもん写りそうやな~」

「水○?」

「さぶっ!」

早々に自転車を爆走させながら直指庵に到着。

「うーん、紅葉してないねぇ……」

「でも静かやなぁ~レトロ日本版官能小説書こうかな」

M女は創作意欲向上の為の京都の旅でもあったのです。

「昼ドラみたくここは窯元の家で、美少女はこの庭から先は出られない……お許しになってお父さま……な~んて」

俗世から自分を切り離して日常を見つめ直しに来るらしい直指庵で、あーでもない、こーでもないとすっかり妄想している私たちの後でなにやら熟年の気配が……。

秋


続く……