少し前のことになるが、高齢の親達の誰も住まなくなった「空き家問題」についての対策ノウハウを教えてくれるセミナーに夫婦で行ってきた。
 
 
我が家も自営の会社をいつかは閉じる時が来るのだが、今は姑の名義になっている土地と事務所の2階は、昔 自宅でもあった建物なので、会社を閉じた後は空き家になってしまうし、仕事柄土地も結構広いのに固定資産税だけが発生するとなると、どうする?という心配がつきまとう為に、少しでも知識を得ておこうと、セミナーに参加したのだった。
 
 
高齢の親名義の「空き家」は何故問題になるのか?
 
空き家がある立地が鍵になる。
 
立地が良ければ、売却でも賃貸でも直ぐに有効活用できそうだから、そこまで心配無いのかもしれないが、世の中の大半の物件は、そこまで条件が良いとは限らないから問題なのだ(>_<)
 
 
■認知症になったら売却出来なくなる
 
我々世代が知っておかなければならないことは、親名義の家は、親が認知症になったら、売却したくても出来ない事だ。
 
 
それなら、成年後見人の制度を利用したら?と思うかもしれないが、成年後見人の選定は、家庭裁判所が8割で、家族がなるのは2割というほど、使い勝手が悪く結構面倒(>_<)
 
しかも、成年後見人の役割は基本「身上監護」と「財産管理と保全」であって、自宅処分と成年後見人制度は相性が悪すぎるキョロキョロ
 
 
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売却したくても出来ない空き家の場合、
リスクは色々ある。
 
 
■空き家リスク
 
経費問題
 
固定資産税、メンテナンスにたまに行くならそこに行く迄の交通費、電気水道代、場合によっては町内会費、など毎年経費だけが発生
 
火災保険に入っていたらその経費も発生
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・ならばと、空き家を先に壊し更地にしてしまうと、固定資産税が一気に高くなってしまう😭
 
だから、売却するなら、買い手が付いてから建物は壊すほうが固定資産税が少なくて済むので、ボロ屋敷がどんどん増えていく結果になるというジレンマが起きる。
 
 
防災問題 
 
火事🔥の原因の最多は14.8%の放火もしくは放火疑いであり、空き家に放火され隣の家に延焼してしまっても、自分のところの火災保険はあくまでも自分の家の補償だけな為、火災保険で他所の賠償まで出来ないだけでなく、場合によっては所有者が重過失を問われることもある。
 
近隣迷惑の衛生問題、景観問題
 
空き家はネズミや野良猫の寝床になりやすく、衛生上の問題がある。
 
また、空き家が多いと犯罪率も高くなる。
 
また、空き家は建物が早く悪くなる為、景観を悪化させやすく、悪化したら景観問題で近所の家だけでなくその近隣エリアの不動産価値も下げてしまい迷惑行為になる。
 
 
メンテナンス問題
 
空き家の維持には、
・草刈り
・風通しをしに窓をたまに開けに行く
・転送通知していても、チラシや転送されない郵便物もあるため回収に行く
・小動物の対応
・台風に備えての災害対策
・近隣からのクレーム対応に応じるためには建物の手入れも必要になる
 
など、子世代の誰かがこれらの担い手になる!
 
きょうだいの中でも1人に負担が課せられるケースが多く、やってらんないえーん  となって、きょうだい関係に亀裂が入りやすい。
 
 
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実際、姑が老人ホームに入居するまで住んでいた家は、幸いにもまだそこまで古くなく中は新築同様レベルに綺麗だったせいか、売却を決めてから売却活動に入る前に買い手がついてトントン拍子に売却出来たが、それでも、我々夫婦に課せられた姑の荷物の片付け負担は大きかったし、契約から受け渡しまでには測量などもあって数ヶ月はかかるため、その間の我々に課せられた草むしりやメンテナンスは大変だった(>_<)
 
こういった維持管理を何年も続けてる人がいるなんて凄すぎる💦
 
 
■維持する目的
 
空き家を維持する目的が
 
・将来自分たちで住む
・将来孫が住む
・他の目的で利用する
 
ならよいのだが、
 
なんとなく空き家にしておく人が本当に多いらしい💦
 
そして、上に書いたように維持管理は大変だから、なんとなく空き家にしておく人たちは空き家を放置しがちで、上記に書いた社会問題の温床にしてしまう(>_<)
 
その事に罪の意識を持たない人も案外多いのが、上記に書いたような社会問題を引き起こしている要因の一つになっている。
 
 
また、罪の意識があっても、更地にすると固定資産税が上がってしまうから空き家のまま放置せざるを得ないという負のスパイラルに陥っている人たちも大勢いる。
 
 
こういう負のスパイラルに陥る人は今後もどんどん増えていく。
 
なぜなら、団塊の世代の年老いた親たちは独居老人が多いからだ。
 
 
亡くなる高齢者が増えているから都会では火葬が追いつかなくて、葬儀から火葬までをスムーズに出来ずに火葬場の空き待ちするケースも見られるように、その団塊の世代の老いた親たちがこれからどんどん亡くなっていくのに伴い、空き家が更に増えていくのは必至なのだ。
 
 
そういうわけで、近い将来、空き家を売りに出しても供給過剰で、中古住宅の値崩れが必ず起きるだけでなく、供給過剰で立地条件が良い物件以外はなかなか売れなくなるという話だった。
 
 
■相続トラブル
 
また、相続トラブルは相続財産が5000万円以下の家族に圧倒的に多い。親所有だった空き家は、金銭と違って分けにくいから、相続トラブルが起きやすい。
 
また、両親のうちのどちらか1人が亡くなった時の一次相続よりも、残された片親が亡くなった時の二次相続の時に、きょうだい間の相続トラブルが起きやすい。
 
理由は、片親でも親がいる間は親の手前もあり、いがみあわないが、両親とも亡くなり きょうだいだけになると本音のぶつかり合いになりがちだからだそうだ。
 
 
こうなる前に、なんとかしておく!
 
ことが大事になっていく。
 
 
 
 
次のブログでは、「問題空き家化」を防ぐためにすべきことについて、知り得た事を書いてみます。