「でも、それは駄目だ」

強い口調で言い切られ、踏み出したつま先が、ぴくりとして止まった。

信玄「俺は君を傷つけたくない。出て行くなら今だ、ゆう」

「出て行くわけ・・・・・・ないじゃないですか」

信玄「やれやれ。君は心配性だな。大丈夫だと言っているだろう?間違っても血迷って君以外に手を出したりはしないよ」

「そんなこと、わかってます!」

信玄「わかってくれているならいいんだ。まあ、明日になればけろっとしているはずさ」

こうして話している今も、信玄様が辛いことは明らかだった。

「信玄様こそ、大人ぶらないでください」