仕様を記述するときの否定形 | モデリングでつなぐ

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システム開発関係者の皆さん、仕様書って読み書きしますよね。

 

仕様を記述する時、否定形はダメって教えます。

これは、否定形は、形作ることができないからです。

例えば、

・「画面の反応速度は遅くないこと」は、形作れません。評価できません

 

「作れないからダメ」と教えます。

 

でも気づいたのですが、

否定形には、

・するかしないかを選択する否定

・それは嫌で他のものがいいという意味の否定

の2つに分かれるのではないか、と。

 

勝手ながら、

前者を、選択的否定

後者を、消去法的否定

と名付けてみました。

 

例えば、

選択的否定は、

・(焼肉テーブルを買うか買わないかの二者択一の行動判断で、) 焼肉テーブルを購入しない

これは、能動的に行われた行動であり、否定形の行動を能動的に行っていると、考えられます。

システム開発で考えてみると、ユーザーがYES/NO選択できるところで、NOを選択するってことです。

 

消去法的否定は、

・(何かのテーブルを買おうか検討していて、)焼肉テーブルは購入しない

これは、消去法的に、焼肉テーブルを消去して、他を選ぼうとしている、と考えらえます。

システム開発でいうと、ユーザーが複数選択肢の中から何を選ぼうとしているのか分からない、ってことです。

 

前者は、仕様として書けますが、後者は、仕様として書けません。

 

前者も、「NOを選択する」って書きなさい、というのが、仕様の書き方の指導法だとは思うのですが、

最近、要求について指導するお客様の領域が、よりソフトウェア開発者や電気設計者ではない人が

増えてきています。

こういった人たちに、あまり小うるさいルールで、「こう書きましょう」とか教えていると、

なんか、お互い楽しくありません。

 

なので、

「消去法的否定は、仕様にはならないからダメですよね。あなたの伝えたいことが書けてませんよね。

でも、選択的否定は、自然な言い回しだし、あなたの伝えたいことが明確ではあるから、これは良しとしましょう」

みたいに、せめて要求出しをしながら考えている人たちには、締め付けすぎないようにする、というのも

大事かな、と思ってきています。

 

ソフトとか電気とかの設計者が、仕様書として書き直す時に、否定形表現から書き換えればいいんじゃないの?

くらいにも考えてしまいます。

 

「仕様として成立する記述にしてもらうこと」と、

「言葉狩りのようにがちがちに縛ること」とは、

ちょっと違うし、

何よりも、そんなことで、人々の創造性に文句付けることになるのが、あまり楽しくありません。

 

なんか、感じて、思って、考えを書いてみただけなんだけれど、、、。

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