かけがえのない時間だった。







人生で初めて、
弱音も何もかも晒した相手だった。

途中から言えないこともあったりしたけど、

それでも
100%自分の全てを見せたのは、

友が初めてだった。




佳菜子も弱音吐いて、

友のグチや悩みを聞いて

話し合って、支えあって……






そんなかけがえのない時間が
恋しい。







辛いことあった時に弱音吐くのも

疲れた時に話したり、

何かある度に精神的に頼って、

そんな時間は佳菜子にとって、かけがえのない時間だった。







だから余計にむかつくの、悔しいの

許せないの、もっと2人の信頼関係を大事にして欲しかった。








だって、
あそこまでは友にしか話せなかったから。



今まで認めてこなかったような、

自分からは誰にも口にしなかったようなことも、友には自分から全て話した。









だから

友は特別な存在になった。




何もしなくても、そばにいるだけで、

温もりを感じるだけで癒やされた。

それだけで良かった。







隣にいると感じれる時間は
何があっても大丈夫って思えるような

そんなかけがえのない時間だった。













疲れた時、

あの時間が恋しくなる。

弱い自分を晒して、強くならなくてもいい時間。






恋しくなったら疲れてる証拠。

こゆ時はいつも友に頼ってたなぁーって思い出した。









友がくれたそんな時間が

弱音をさらけ出せる存在が

すごくすごく恋しくなる、と同時に



許せないことへの葛藤に苦しくなる。






最初の頃に全てさらけ出したせいか、

友を目の前にすると、

強がりとか全部の鎧が外れて、感情が溢れてしまってた。



多分、クセみたくなってた。

自分を取り繕えなくて、すぐ泣いて、すぐ表情に出てしまって….…








大事で大事で仕方なくて、

愛しくて、何を犠牲にしてもいいほど

愛してた。

誰よりも愛して、大事な人だった。









他の人を好きになってもいい、

ただもう少し大事にして欲しかったの、私も2人の二年半も。







かけがえのない時間は恋しくても、

未だに何一つ許せないのは

お互いに弱音吐いて支えあっててもうまくいかなかったのは、

友が子供すぎるから。









その場しのぎの言葉も、
傷つけることしかしない嘘のつき方も
謝罪も償いもできない不誠実さも
誘惑に流される弱さも
無責任さも

佳菜子はいらない。







子供でも未熟でも何でもいいから、

せめて正直でいて欲しかった。

正直でもなければ、筋も通さない。
だから許せないの。







友の子供みたいなとこ好きだったけど

友の人としての未熟さは

佳菜子から言葉を奪っていった。



だから、側にいるだけで良くなってたのかもしれない。








友がいた時間、毎晩の電話、
待つ時間、頼ってたことも、

友を好きだった気持ちまでも


何もかも恋しい。







だって、

もう今はないものだから。

許せないから。










一緒に過ごす時間はずっと笑ってた。

テレビもいらなかった、いつも二人でふざけて笑ってた。

甘えあって、いつもくっついて…

全てが愛おしかった。








傷つくことたくさんあったけど、

その時間があれば、

友を目の前にしたら、

どんな気持ちも全部、優しい気持ちに変わってた。

温かい気持ちに、愛に包まれて、

一瞬で笑顔になれた。







なのに、

戻ったことを後悔してしまうほど

許せなくて、怒りに溢れて、

幸せも願えなくなった。






すごくすごく好きだったのに。
大事だったのに。







好きだった気持ちさえ恋しくなる。