法のスクラッチカード
(Predicta)
★現象
三人の観客に二桁の数字をそれぞれ言ってもらいます。演者は一枚のスクラッチカードを取り出し、三カ所をそれぞれこすります。
すると、観客が言った数字があらわれます。
★解説
Gilbert Raimond師の考案です。
2003年のFISMハーグ大会では大人気商品で、売り出し即完売だったそうです。
その後、あちこちのマジックショップでも扱われるようになりました。
そのときの商品名が「Predicta」です。
この「Predicta」は三人ではなく四人の観客に対して演じます。
ちなみに、価格はTHE MAGIC WAREHOUSEで$45.00とかなり高額です(リフィルは$36.00)
そちらにはスクラッチカードが何枚入っているのかわからないのですが、このテンヨー版は20枚です。
つまり、練習に5枚くらい使うとしても15回分くらいは入っているということです。
補充用スクラッチカードも別売りで販売されるとのことです。当然のことながら消耗品です。
いいマジックだと思うのですが、なんていうか、どこかがイマイチです。
なにがどうイマイチなのか、自分でもはっきりとわかりません。
たぶん、観客ウケはそれなりにいいと思うのです。
ですが、これもたぶんなのですが、「もう一度あのマジックをやってよ」とは言われないような気がするんですよね。
「へー」とか「不思議ー」で終わるような。
なんでかと自分でも悩むのですが、たぶんそれは「スクラッチカード」という素材に根ざす不信感だと思います。
海外ではどうか知りませんが、日本でスクラッチカードというと、ミスタードーナッツのポイントカードだとか、
宝くじだとかのイメージですよね。
これって当然ながら最初から任意の数字が印刷されています。
だからこそ、このトリックは「なぜわたしの言った数字が印刷されているんだろう?」という不思議に結びつきます。
ですが一方、スクラッチカードは「ポイントカード」あるいは「宝くじ」という目的のために作られるものでもあります。
だとすると、この「魔法のスクラッチカード」はなんのために作られたものなのでしょうか?
たとえばミスタードーナッツのポイントカードから観客の言った数字が出てきたらものすごく不思議です。
それは、本来の目的とは違った使い方をすることで「偶然」を演出できるからです。
しかし、このトリックで使用するカードは「観客の数字を当てるため」に作られたものだとしか言いようがありません。
最初から観客の言う数字が印刷されている、ということは、そういう結果になることが「当然」だということです。
それはつまり、タネがあることを観客に対して意識させることになるのではないでしょうか。
もちろん、マジックは一部の例外を除いてタネがあります。
が、それを観客に感じさせるマジックは、すでにしてマジックとしての資質を欠いているように感じられます。
このあたりが胡散臭いというか、不自然だと感じられる一番の理由なのかと思います。
長々と書きましたが、これはあくまで「わたしにとって」であることを付け加えておきます。
自分にとってこのトリックが気にくわない理由を思いつく範囲で述べたにすぎません。
★相性のいいアイテム
そんなわけで、購入したはいいのですがいじってません。
2004.11.3
★価格帯
店名 価格 日本語解説書 所在地
Special Magic Dealer's Shop 1890円 ◎ 大阪
★評価
技術 ★☆☆☆☆
練習 ★★☆☆☆
効果 ?