白糸の滝姫 No.3 | バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島でオリジナルシルバーを作る、感じる。

バリ島で暮らしています。
日々暮らして行く中、自然を見ていて感じるインスピレーションを
デザインし、オリジナルシルバーを制作しています。
そんな毎日に感じる事を綴ってゆきます。

11月も半ばを過ぎていたため、紅葉はもう終わりかけていたが
それでも、とっても奇麗な木々達。

参道から「←愛鷹山」と書かれた小さな看板を見て脇道に入り、
さぁ、いよいよ道無き道を進むぞ~~っと
私はまだルンルンだった。

何度も言いますが、私は登山はこの時が初めてです。

木々に結んであるプラスティックのリボンが目印なんだ~
と一緒に居た友人に教えてもらい
「へ~、案外いい加減なものだなー」とか心の中で思いながら
私たちはどんどん進んで行く。

途中、「つるべ落としの滝」が有るからね。見て行こう。
そんな会話を交わしながら、まだ余裕だった。

さて、朝方着いた水神社の駐車場から
このつるべ落としの滝の手前まで、私たちは人っ子一人会わなかった。
水神社もお参りの人も居らず、
宮司さんらしき人も居らず無人のようだった。

つるべ落としの滝の手前で、ここからそう遠くない所に住んでいる
と言うおじさんに会い、この先の道の様子を聞いてみる。
このおじさん、この山が大好きで、年中一人で来ているらしい。
でも、この辺りまでしか登らないよ。
この先は、あなた方位の年齢なら行けると思うけど
結構ハードな所も有るよ、と言いました。

言いました、ね?

「良い登山を~」と言って私たちは先に進んだが

言いました、よね?

まぁ、良いか。聞かなかった事にしよう、っと
私はその『ハードな所』と言う言葉にバッテンを付けた。
それに、ええっと、一緒に行った友人2人は
私よりも10歳位は年下だよな?
私とおじさん、同じ年位じゃね?

と、私の心はぶつぶつ文句言っていたが
バッテン付けたんだから、もう良い考えるな。

途中一人の友人は、川の跡地みたいな所を歩き出して
この上で又出会えるんかいな?とか心配したり
でもまぁ、まだ余裕。




どんどんお日様が昇って来て、ほらっ!光が奇麗。




つるべ落としの滝の看板が岩に張り付いているが
何処がつるべ落としなんだか、滝は水が無くてよく分からなかった。



何て言ったっけ?なんだか珍しい植物の実らしい。

とまぁ、私の旅はいつもこんな感じ。
下調べもしないし、下調べした所で行きたい所に出合わない場合も有るし
今回の様に、偶々私が選んだ日に日本に行ったら
偶々友人が愛鷹山に登ろうとしていて
誘われたから行ってみる、と、いつもそんな感じ。
ジャワ島旅行も最初は古い神殿が見たいなぁとか、色々と調べたが
3度目位からは、行き当たりばったり、風任せ。

そんな感じで、どんどん登って行ったら
急に潮の香りが漂った。
「ん?海?????」

んな訳ないがな。ここは山だ。

「ん?ん?ん?」

私は鼻の穴をひくひくさせて空気を嗅いでみた。
やっぱり、海の香りがする。



「シライトノタキヒメ」と頭の中で声がした。

この、頭の中で声がするって、私にとっては結構重要な事。
今までの人生で、何度かハッキリ、頭の中で声がした事が有るけど
その声は、私の人生にとってとても重要な鍵になっている。

「シライトノタキヒメ?????」


なんじゃそりゃ?


シライトノタキヒメって、白糸の滝姫?


ちょっと無口に成って考えたが、分からない。


それで、私の少し前を登っていたT君に聞いてみる。


「ねぇ、潮の香りがしない?ここって海に近いの?」
「いや、海からは遠いと思うよ」
「だよねー。ここ山だもんね」


「でさ、シライトノタキヒメって誰?」
「えっ!?シライトノタキヒメ?????
...............分からない................」


だよね。
分かる分けないよね。
私にも分からんもの。



一体、なんなんだ?



まぁ良いか。こう言う事は後から分かる。
大概のこう言う事は、後から分かるものだもんね。
心に止めておこう。



続く