11月も半ばを過ぎていたため、紅葉はもう終わりかけていたが
それでも、とっても奇麗な木々達。
参道から「←愛鷹山」と書かれた小さな看板を見て脇道に入り、
さぁ、いよいよ道無き道を進むぞ~~っと
私はまだルンルンだった。
何度も言いますが、私は登山はこの時が初めてです。
木々に結んであるプラスティックのリボンが目印なんだ~
と一緒に居た友人に教えてもらい
「へ~、案外いい加減なものだなー」とか心の中で思いながら
私たちはどんどん進んで行く。
途中、「つるべ落としの滝」が有るからね。見て行こう。
そんな会話を交わしながら、まだ余裕だった。
さて、朝方着いた水神社の駐車場から
このつるべ落としの滝の手前まで、私たちは人っ子一人会わなかった。
水神社もお参りの人も居らず、
宮司さんらしき人も居らず無人のようだった。
つるべ落としの滝の手前で、ここからそう遠くない所に住んでいる
と言うおじさんに会い、この先の道の様子を聞いてみる。
このおじさん、この山が大好きで、年中一人で来ているらしい。
でも、この辺りまでしか登らないよ。
この先は、あなた方位の年齢なら行けると思うけど
結構ハードな所も有るよ、と言いました。
言いました、ね?
「良い登山を~」と言って私たちは先に進んだが
言いました、よね?
まぁ、良いか。聞かなかった事にしよう、っと
私はその『ハードな所』と言う言葉にバッテンを付けた。
それに、ええっと、一緒に行った友人2人は
私よりも10歳位は年下だよな?
私とおじさん、同じ年位じゃね?
と、私の心はぶつぶつ文句言っていたが
バッテン付けたんだから、もう良い考えるな。
途中一人の友人は、川の跡地みたいな所を歩き出して
この上で又出会えるんかいな?とか心配したり
でもまぁ、まだ余裕。
どんどんお日様が昇って来て、ほらっ!光が奇麗。
つるべ落としの滝の看板が岩に張り付いているが
何処がつるべ落としなんだか、滝は水が無くてよく分からなかった。
何て言ったっけ?なんだか珍しい植物の実らしい。
とまぁ、私の旅はいつもこんな感じ。
下調べもしないし、下調べした所で行きたい所に出合わない場合も有るし
今回の様に、偶々私が選んだ日に日本に行ったら
偶々友人が愛鷹山に登ろうとしていて
誘われたから行ってみる、と、いつもそんな感じ。
ジャワ島旅行も最初は古い神殿が見たいなぁとか、色々と調べたが
3度目位からは、行き当たりばったり、風任せ。
そんな感じで、どんどん登って行ったら
急に潮の香りが漂った。
「ん?海?????」
んな訳ないがな。ここは山だ。
「ん?ん?ん?」
私は鼻の穴をひくひくさせて空気を嗅いでみた。
やっぱり、海の香りがする。
と
「シライトノタキヒメ」と頭の中で声がした。
この、頭の中で声がするって、私にとっては結構重要な事。
今までの人生で、何度かハッキリ、頭の中で声がした事が有るけど
その声は、私の人生にとってとても重要な鍵になっている。
「シライトノタキヒメ?????」
なんじゃそりゃ?
シライトノタキヒメって、白糸の滝姫?
ちょっと無口に成って考えたが、分からない。
それで、私の少し前を登っていたT君に聞いてみる。
「ねぇ、潮の香りがしない?ここって海に近いの?」
「いや、海からは遠いと思うよ」
「だよねー。ここ山だもんね」
「でさ、シライトノタキヒメって誰?」
「えっ!?シライトノタキヒメ?????
...............分からない................」
だよね。
分かる分けないよね。
私にも分からんもの。
一体、なんなんだ?
まぁ良いか。こう言う事は後から分かる。
大概のこう言う事は、後から分かるものだもんね。
心に止めておこう。
続く