読者の方から質問を頂いたのでお答えします。
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質問:やはり英語を話せる人が周りにいなとバイリンガル教育は難しいのでしょうか?

もちろん話せる人がいる方が簡単ではありますが、例え英語がほとんどできない親御さんでもお子さんをバイリンガルにする事はできると思います。

僕は最初から自分の子供がバイリンガルになるのだとしたら、どのように成長してバイリンガルになるのか、とても興味がありました。と言うのも3年間のオーストラリア留学生活で、日本人のコミニケーション能力の低さを実感し、タダでさえ外交がヘタだと言われているのに、将来自分の子供や孫の世代には更に世界との差ができるだろうと危機感を感じていたからです。なので、自分の子供にバイリンガル教育をしながら、誰にでもバイリンガルが育てられるシステムを作って、未来を担う子供達が言葉の壁と言う余計なハードルを越える努力をせずに、最初から地球人の一人として対等に勝負できるようにしてあげたいと思うようになりました。

本題に戻りますが、子供に"Good morning"と言って子供が"Good morning"と言ったり、"How are you?"と聞いて"Fine thank you"と答えさせる事は簡単です。これはオウムが挨拶をするのとほぼ同じレベルで正にオウム返しの状態です。"What's your favorite color?"と聞いて、"Red"と答えるのも同じです。これは毎日繰り返す事によって、『こう言われたらこう答える』というルールを覚えただけの事です。

ですが、この『こう言われたらこう答える』というパターンを多く覚えていけば、普通の会話は問題なくできるレベルになります。逆に言えば、英語音痴の親御さんが、例文集を買ってきて、それを毎日繰り返しお子さんに言っていても、このパターンは覚える事ができます。もちろん上手な英語の刷り込み方等、テクニックはあるので、それを駆使した方が覚えは良いと思います。


そうなると、「いくつものパターンを覚えていけばできそうなのは分かったけど、発音はどうなるの?」という疑問を持つと思います。子供の耳や脳や舌やすべての適応力は大人の数倍上ですので、親御さんが日本語発音であれば、まずは日本語発音で覚えるでしょう。そこで、毎日の『こう言われたらこう答える』パターンとほぼ同じ内容のDVDをお子さんに見せてみましょう。

うちの場合はディズニーのマジックイングリッシュという全26巻セットのDVDがあるのですが、それのvol.1から14までのセットをヤフオクで1万4千円くらいで購入して見せました。すると子供は親が言っている「グッドモーニング」は"Good morning"と同じだと認識していきます。そこで大切なのはお子さんにDVDの発音が正しいのだと伝える事です。うちも「パパはそこそこ英語ができるけど、でも英語を最初から話す人達と比べると発音が違うからDVDの方を正しいと思うようにね」と説明してあります。たとえお子さんが生後数ヵ月であっても時々説明した方がいいです。「まだ小さいからわからないだろう」と言うのは親の勝手な理想であって、実は赤ちゃんもちゃんと聞いています。ただ現時点ではそれを理解する言葉を知らないだけなので、成長と共に「ああ、赤ちゃんの頃から言われていたのはこういう事か」とやがてわかるでしょう。

面白い例があります。ディズニーマジックイングリッシュで、きつねのTODが出てくるのですが、僕はそれを「トーッド」と発音しました。するとシンタロウが「ダディ、ターッド」と言いました。シンタロウの耳で僕の「トーッド」とDVDの発音を比べて「ターッド」と正しい発音を教えてくれたのです。なので、発音に関しても上手く環境を作ってあげれば不可能ではありません。

本当の意味で、バイリンガルかどうか、このバイリンガルの言葉の定義もあいまいですが、僕は『相手の意見を聞き、自分の意見を述べる事ができるレベル』をバイリンガルのラインと考えています。『こう言われたらこう答える』パターンを数多く訓練した人は一見バイリンガルに見えます。しかし急に今まで話した事がない事を聞かれたら何も言えないのでは意味がありません。では、どうしたらそこで一段階レベルを上げられるのか、それは英語の能力ではなく、その人の応用力なのです。


それを教える為に必要なのはネイティブに近い英語を話す力ではありません。如何に自分の手持ちのカードで、最大限の成果を出せるかという応用力をお子さんに身に付けてあげる事が必要です。応用力さえ付ければ、ある程度の環境を与えてあげれば、お子さんは自分の力でバイリンガルになる事ができます。

僕はこれまで友人に英語を教えて欲しいと頼まれて何度か教えたことがありますが、最初のレッスンで必ずすることがあります。

一緒に食事を取りながら「今から30分間、言葉を使わずに会話をしよう」と言うのです。すべての言葉を使わずにコミュニケーションを取るには身振り手振りで表現しなければなりません。いわゆるボディランゲージです。アーとかウーとか意味の無い音は発声しても良い事にします。

「このチーズ美味しいから食べてみなよ」と伝えたい時にはどうしますか?僕はまずチーズを食べながら満足そうにうなずきます。そして相手にチーズを差し出して相手の目を見て微笑みます。では「お腹がいっぱいだからいらないです」と伝えるにはどうしますか?僕は両手の手のひらを相手に向けて首を振ります。そして体を少し後ろに反らしてお腹を出してさすります。

表現の仕方は色々ありますが、そんな感じで30分間やり取りをします。そうすると、言葉というモノが如何に便利かが理解できます。それと同時に、的確なゼスチャーをすれば、言葉がわからなくてもなんとかなる事もわかります。この言葉を使わないコミュニケーションが上手な人ほど、英語を実際に教えると吸収するスピードが速いです。それは上手な人ほど、相手に自分の言いたい事を伝える情熱とアイデアがあるからです。

英語を身に付けるという事は、英語圏の人達(または英語を話す非英語圏の人達)に簡単に自分の意思を伝えられるという事です。もし自分の言いたい事が伝わらなくても心配いりません。辞書を使ったり、身振り手振りで頑張ればなんとか説明ができます。

人間も元をたどれば言葉を持っていなかったのです。そしてあなたも生まれた時には言葉を持っていませんでした。でも今あなたは日本語の本を読むことができます。日本にいて普通の生活をしていれば、日本語は普通に習得できます。では日本語と同時に英語を見に付ける為にはどうしたら良いのでしょうか?

試しに30分間、言葉を使わずに会話をしてみてください 大変でしたか?お子さんに英語を教えるという事はこのようなもどかしさの連続です。それを根気強く時間をかけて繰り返しできる人はお子さんをバイリンガルにする切符を持っています。

長くなりましたが、あなたのお子さんを言葉を使わずに30分間会話ができる子に育てられれば、そのお子さんはバイリンガルになる素質を身に付けたという事だと思います。

親御さんの英語力はおまけであって一番大切な部分ではありません。


※わかりにくい部分や他の質問があれば、受け付けますのでコメントでご記入下さい。出来る範囲でお答えします。


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