Edge of Tomorrow | 監督ブログ  wecker

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「時空警察ヴェッカー」シリーズの原作・監督 畑澤和也の個人ブログです。
現在中国広東省で活動中

「Edge of Tomorrow」という映画が近日公開されます。
ハリウッド映画でトム・クルーズ主演。
僕も何度となく作品の中で扱ってきた、いわゆる「ループもの」、同じ時間を何度も繰り返すお話です。

原作は日本のライトノベル「All You Need is Kill」(桜坂洋著)


既に中国では(もちろんアメリカでも)公開されていて、中国の友人から「畑澤さんが好きそうな映画をやってますよ」と教えてもらった。

早速原作及び原作漫画(小畑健作画)を読んでみた。
なるほどホントに畑澤さんが好きそうな話。
異形の侵略者相手に戦うある兵士が何度も死を体験しながら戦闘スキルを身につけていくお話。

主役はラノべにありがちなフツーの青年(これがループを重ねる事に逞しく、かつ冷酷になっていく)だけど真の主役と呼べるのは(俺的に)ヒロイン・「リタ」。

ネタばれっぽいけど、主人公より先に既に何度もループを体験している少女。
か細い少女に見えて最強の存在…その佇まい、言動…時空刑事「リタ」そのものやん!…と勝手に嬉しくなりました。

いわゆる「記憶が蓄積していく」タイプのループものなんですが、それを「たった二人で」共有していくところが新しい、そしてラストは…

小品ですが、見事な原作(&作画)でした。

この「原作」を見つけ出した(そしてトム・クルーズ主演の大作映画として実現させた)プロデューサー諸氏には感服します。
さほど有名ではない(俺が知らなかっただけかもだけど)原作でも、本当に面白いものはちゃんと心ある人の目に留まる…のだと信じさせてくれる出来事でもあります。

僕のアタマの中で勝手に「時空刑事リタ」の物語が走り出し、暴走してます!

映画自体はまだ未見ですが、51才の主人公と32歳のリタ…がどうなるやら…ではありますが、ラストを原作のままやれるなら、ハリウッド大作らしくない余韻に浸れるかも…です。

本作に続き(?)「ゴジラ」も「トランスフォーマー」も新作が日本に先駆け中国で公開されています。
…どれも日本原作なのに…

やはり今や中国はエンタメ産業にとっても見逃せない世界最大の市場なのですね。

あ、論点がずれてきた。

51才になっても、スーパースターになってもこういうB級(?)SFアクションに挑み続けるトム・クルーズ、いいなぁ!

映画、原作・原作漫画を読んだらあまり観たくなくなったけど(違う「映像」が脳内補完されてるからね)…トム主演の変わったアクション映画として、ぜひ観たいと思ってます。