初恋の人からの手紙★

喧嘩が増えてきて、カナメが「もっと大切にしてくれる人と付き合う」と言い捨てたあの日から、もう6年が経ったんだね。月日が流れるのは早いものです。

あ、そうそう、手紙を書いたのは何か理由があるわけではないんだ。ただなんとなく学校の前を通ったらなつかしくなって、思いつくままに書いてみようと思い立っただけ。驚いたかな。

思い返してみると、いつも恋愛の主導権を握っているのはカナメのほうでしたね。ときどき告白されるカナメに対し、女子と接点すらほとんどないおれ。カナメがいつも「私たちは束縛とかしない自由なカップルでいよう」と言っていたのは、おれにとって、ほとんど「いつでも別れるぞ」という脅迫のようなものでした（苦笑）。今でもその場面が夢に出てうなされます。

そういえば、カナメにとって、おれが初恋の相手だったのかな？いきなり付き合った瞬間に「付き合ったらHしなきゃいけないの？不安なんだけど」と言われ、返答に困ったのを覚えています。考えていることがそっち方面ばかりなのは、今も変わっていないのでしょうか？

付き合い始めのラブラブのころは、カナメが「時間が止まればいいな」って言ってくれたのを覚えています。あのカナメの幸せそうな顔は今でも忘れません。思えば最初はかわいかったなぁ。

恋愛を総括して言えば、きっとおれはカナメと付き合うことができてよかったのだと思います。いつもどこかにいってしまいそうなカナメと付き合って、最終的には自分との戦いだということを学びました。

いろいろ書いたけど、おれはカナメが大好きでした。これからもカナメらしさを大切に、あと、Gカップになるという夢もそのまま追いかけながら（笑）、新しい誰かと幸せになってください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. うちに黒魔術の本を忘れていったよね？そのまま持っているので返します。