玄関に入ってすぐ左側の壁に掲示されているのが「新聞コラム要約プリント」で、略して「新プリ」と生徒達が呼んでいるものです。
トピックスは「政治」「経済」「国際情勢」「地域社会」に「最新科学」から「汚職」にまで及びます。
「北海道新聞」や「朝日新聞」などの1面の下にある編集長のコラム、「卓上四季」や「天声人語」をもとに各段落にタイトルを付け、全体を要約し、最後に全体のタイトルと感想を書いたものです。
書いたのは過去3年間の小学特進クラスの5年生以上の子達です。
各トピック毎に1つずつ、ご紹介していきたいと思います。
まず最初は「政治」から。タイトルは「原発とエネルギー政策」です。
福島原発事故と国の原子力政策に反対する人々のデモについて書かれています。
最後に感想も添えられています。
次は「経済」から。タイトルは「雇用情勢は厳冬期」。
赤ペンは添削された箇所で、緑ペンは添削者からのアドバイスです。
三つ目は「国際情勢」より。タイトルはちょっとユニークな「サミットの皆さん、お疲れ様でした」。
だんだん、慣れて余裕が出てくると生徒達が付けるタイトルはおもしろいものが増えてきます。
感想部分に赤ペンで書かれているのは、添削者が知っている情報のうち、子供達の役に立ちそうな知識です。このように交換日記的な感じになるときもあります。
四つ目に「地域社会」から、タイトル「バス会社の行動(札幌市とバス会社の騒動)」。
赤ペンの二重丸は完璧であることを表し、普通の丸は十分に及第点レベルにあることを示しています。
五つ目にトピック「最新科学」から、タイトル「広い宇宙の実像に迫る人々(原題は「宇宙は1個の粒子」)」。
素粒子は小学生ぐらいの年代の子供達にはとても人気のあるテーマです。
最後に「汚職」から、タイトル「県教委ぐるみの汚職」です。
大分県の教員採用試験で起った不正に関するものです。
世の中の影の部分にも目を向けることで、正確に社会の姿を知ることが出来るようになります。
書く事は国語の力をつけさせるだけでなく、自分の考えを整理させる効果もあります。社会に出ると色々な場面で自分の意見を求められます。素早くその場で自分の考えをまとめられる事はもちろん大切ですが、事前に自分なりの考えをある程度準備しておく事も貴重です。
この「新プリ」は、入学試験の時事問題対策としても効果的です。約1年半に渡り、学問上の新発見やノーベル賞受賞に関する話題に触れる事で、社会のみならず理科でも出題が増加傾向にある時事問題に対応する事が出来ました。
国語の読解力に関しては、要約と各段落のタイトル付けを繰り返す事で、段落構成に関する力のアップに特に大きな効果が見られます。