2016年7月3日19:05キックオフ@岐阜メモリアルセンター長良川競技場 天候:曇

岐阜 0ー1 京都  


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、染谷悠太、本多勇喜。MF右から堀米勇輝、佐藤健太郎、アンドレイ、内田恭兵。FWエスクデロ競飛王、有田光希。
SUB:清水圭介、下畠翔吾、山瀬功治、國領一平、田村亮介、ダニエル・ロビーニョ、矢島卓郎
監督:石丸清隆

(選手交代)
HT、内田→ダニエル・ロビーニョ:ダニエル・ロビーニョはFWに入り、エスクデロが中盤の右、堀米が左へ。
74分、有田→矢島:ポジションそのまま。
94分、エスクデロ→山瀬:ポジションそのまま。


【岐阜メンバー】
GK高木義成。DF右から阿部正紀、田代雅也、苅部隆太郎、鈴木潤。MF右から風間宏矢(64分:→田中達也)、田森大己、青木翼、トップ下に高地系治(79分:田中パウロ淳一)。FWレオミネイロ、瀧谷亮。
SUB:常澤聡、岡根直哉、野垣内俊、水野泰輔、難波宏明
監督:ラモス瑠偉


【審判団】
主審:藤田和也 副審:亀川哲弘、藤沢達也


【得点】*サイドは攻撃側から見て
54分、ダニエル・ロビーニョ(岐阜0-1京都):染谷から左サイドでボールを受けた本多が中へ持ち込み、右サイドのエスクデロへ。エスクデロのスルーパスにダニエル・ロビーニョが抜け出し、右足シュートでGKの股間を抜いて決める。


【警告】
岐阜:瀧谷(21分)
京都:染谷(42分)



延期されていた熊本戦を水曜日に戦ったことにより、今節を中3日で迎えることになった京都。
熊本戦に引き分けたため、その前の2連敗と合わせて3試合勝ちなしとなっている中で、アウェーでの岐阜戦に臨むことになりました。
連戦の影響を考慮してか、下畠に替えてCBに染谷、山瀬に替えて中盤の左に内田を入れ、堀米を右に移した形をスタメンとしました。
対する岐阜も前節はホーム熊本戦。後半ATに追いついたものの、直後に決勝点を奪われるキツイ負けを喫しています。ホームゲームでは4連敗中と言うことで、なんとか勝ちを掴みたい一戦となりました。
岐阜は前節から4人を入れ替え。鈴木、苅部、青木、瀧谷といった若い選手が起用されました。
京都からレンタル移籍中の磐瀬剛は左SBでレギュラーを掴みつつありますが、今節は契約の関係で出場できません。元京都の田森はスタメン。



荒れたピッチで割り切りつつ相手の隙を突く


キックオフの数時間前から激しい雨が降ったことにより、ピッチ上には所々水が浮き、ボール扱いが非常にしづらいコンディションとなっていました。
特にバックスタンド側はほとんど転がりませんでしたね。逆にメインスタンド側は比較的ボールが走っていたので、ピッチ状態に合わせる必要もあったでしょう。

こういった条件下では、もちろんボールを細かく繋ぐことは難しく、シンプルに前に運び、無理をしないことが求められます。
両チームともセオリー通り、長いボールを縦に蹴り出して押し上げ、こぼれ球を拾ってチャンスに繋げようという構え。
また、後方の選手は攻め上がりを控え、リスクを最小限にしようというのも同じでしたね。


そんな中でちょっと変わっていたのは岐阜の布陣。
高地が主にトップ下の位置でプレーし、レオミネイロがやや左寄りでしたがほぼツートップの一角としてプレーするため、中盤の左には誰もいないような形でした。かと言って左SBの鈴木が押し上げるわけでもなく。
状況に応じて高地が左に行ったり、レオミネイロが引いたりはありましたが、回数は少なめ。前線4枚を近い位置に置いて、こぼれ球を拾いやすくしたいという狙いだったのかもしれません。
瀧谷がよく体を張っていましたし、レオミネイロのスピードは京都にとっても脅威でしたから。

ただ、守備時にはボランチの青木が非常に広いスペースをカバーしないとならず、京都としてはここが狙い目になっていきました。
前半、こちらのサイドは水たまりが多い側となっていて、使いづらい状態になっていました。
しかし後半になると、比較的水たまりの少ない側で、ボールも走っていたので選手にとってはやりやすかったでしょう。
後半になっても岐阜の布陣は変わっていませんでしたし、エスクデロを中盤の右に移して起点とする狙いがハマりましたね。
後半に入ってから空いている中盤のスペースでエスクデロが受け、慌てて青木や鈴木がカバーに来たところを裏を取るケースが増えていきました。その形での連続攻撃から、やはりフリーになっていたエスクデロが岐阜の守備陣がバラけたところにスルーパス。交代出場のダニエル・ロビーニョがしっかり決めてくれました。


エスクデロを中盤のサイドに移す形は、守備面でリスクを抱えることに繋がります。
しかし、岐阜が前にそれほど人数を掛けない上、エスクデロのサイドを使わないでいたことで京都にとってはやりやすかったでしょう。
岐阜の前線4枚に対して、京都の4バック+ダブルボランチがしっかり対応できていましたし、しっかり中央を締める意識を保ち続けてくれました。
終盤になって岐阜がドリブラーである田中達也と田中パウロを投入して、ようやく両サイドを使った崩しをやってきましたが、京都DF陣がクロスへの対応をしっかりこなしてくれました。


中3日でしんどかったでしょうし、ピッチコンディションも悪いので足腰への負担もあったでしょう。
まずは目立った負傷者が出なくて良かったと思いますし、悪い流れや条件の下でもしっかり結果を出してくれたことが嬉しいですね。

今節のような水たまりの浮いたピッチでは、普段『テクニック』という言葉からイメージする技術とは違って、悪条件下でもしっかりボールを蹴って飛ばす『技術』が求められますし、状況を見た判断力が一層求められます。
これまで京都は足元の技術に優れると言われる一方で、こういったコンディションの中では力を発揮しにくいチームであることが多かったように思います。
しかし今節は状況に応じた『技術』をしっかり見せるとともに、戦術的に相手の弱みを突くことで勝利を手にすることができました。
タフなチームになってきたかな、という印象もあります。


これでシーズンは折り返しです。
京都は5位ということになりました。正直シーズン当初に思ってたよりも良い成績を収めることができていますし、徐々に仕上がってきているように感じます。
現実的な目標として、昇格を掲げていくことになるでしょう。
そのためには、まだまだやっていかねばならないことは多いです。
攻撃時に枚数を掛けるかどうかの判断や、サイドでの守備の対応も磨いていかないといけないでしょう。チームとしての層の薄さ・幅の狭さをどう打破していくかというのもポイントでしょうか。
まだ進歩の余地は大きいですし、後半戦により一層の積み上げを期待したいですね。



―2016シーズン通算記録―
10勝7分4敗 勝ち点37
29得点 20失点
今節終了時点での順位:5位

【ゴール】
4点:イ・ヨンジェ、堀米
3点:有田、アンドレイ、山瀬、ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃、エスクデロ
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田

【アシスト】
7アシスト:エスクデロ
6アシスト:堀米
2アシスト:イ・ヨンジェ、ダニエル・ロビーニョ、アンドレイ
1アシスト:有田、佐藤

【累積警告】
3枚:アンドレイ
2枚:イ・ヨンジェ、エスクデロ、下畠、ダニエル・ロビーニョ、有田、石櫃
1枚:佐藤、菅野、堀米、染谷

*佐藤、本多、菅沼は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり