2016年7月20日19:04キックオフ@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:晴

京都 1ー0 讃岐  


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、下畠翔吾、本多勇喜。MF右から堀米勇輝、佐藤健太郎、國領一平、内田恭兵。FWエスクデロ競飛王、有田光希。
SUB:清水圭介、染谷悠太、アンドレイ、田村亮介、ダニエル・ロビーニョ、矢島卓郎、沼大希
監督:石丸清隆

(選手交代)
75分、有田→矢島:後半から内田を左WB、堀米とエスクデロがシャドーに入る3−4−3。矢島は有田のポジションにそのまま入る。
83分、堀米→ダニエル・ロビーニョ:ポジションそのまま。
94分、エスクデロ→田村:ポジションそのまま。


【讃岐メンバー】
GK清水健太。DF右から永田亮太、エブソン、我那覇和樹(74分:→岡村和哉)。MF右から藤田浩平(74分:→木島良輔)、渡邉大剛、小澤雄希、前に高木和正と馬場賢治。FW木島徹也(84分:→大沢朋也)、仲間隼斗。
SUB:瀬口拓弥、綱田大志、山本翔平、森川裕基
監督:北野誠


【審判団】
主審:三上正一郎 副審:武部陽介、村田裕介


【得点】*サイドは攻撃側から見て
59分、エスクデロ(京都1−0讃岐):左サイドからの有田のクロスを藤田がハンドしてしまい、PK。エスクデロがゴール左に決める。


【警告】
京都:石櫃(68分)、本多(93分)
讃岐:仲間(85分)



前節、徳島に敗れた京都。ここ6試合で1勝のみとなっていて、ちょっと波に乗れていない状態ですが、今節は中3日でホームに讃岐を迎えました。
スタメンは前節から4人入れ替え。山瀬が負傷、アンドレイが疲労過多で大事を取って外れただけでなく、染谷に代えて下畠、ダニエル・ロビーニョに代えて有田が入りました。
染谷と下畠はCBのレギュラー争いをしている感じですね。高さが欲しい時には染谷、裏抜けを狙ってくるであろう相手には下畠というような感じもします。ただ、染谷も絶対的な高さを持っているわけではなく、高橋祐治の復調次第ではまだまだ入れ替えがあるかもしれません。
また、前節は前線の守備に課題がありましたので、有田でもう一度テコ入れといった意味合いもあるでしょうか。
ボランチには國領が久々のスタメン。ボランチとしての出場は初めてですね。中盤のサイドには内田が入り、堀米は右サイド。
対する讃岐には、前半戦では第17節に勝利を収めています 。終盤はお互いに「らしくない」オープンな展開で、京都が打ち勝った形でした。
本来は讃岐は堅いチームですので、今節もしっかり固めてくるだろうという予想はできていたと思います。
しかしながら、讃岐は負傷者が多いようで、しかも前節にはCBに入っていたアランが退場処分を受けていたので、本職のDFがほとんどいない状態に。
なんとスリーバックに本職はボランチの永田と、ストライカーの我那覇を置いた形で臨んできました。さらに、京都にも在籍したことがあり、この夏に加入した渡邉をワンボランチに据えていたのも驚いたところですね。



想定外の中でも積極的守備を完遂


実際のところ、讃岐の布陣を予想することは出来なかったと思います。
メンバー表が出て、我那覇がDF登録になっているのを見たとしても、陽動作戦であって我那覇がFWで出てくる可能性も捨てきれない状況でしたので。永田とエブソンをCBに置き、仲間を中盤で使う形ですね。むしろメンバー的にはそちらの方が自然でしたし、讃岐が今季は4バックをメインに戦っていることも踏まえれば、ワンボランチの3−5−2というのは面食らったところがあったのではないでしょうか。
しかも今季は、マッチアップしにくい相手に対して両サイドで起きるズレを解消するのに時間がかかることも多いので、よりやりづらい状況にあったと思います。
例えば熊本戦では 、想定外の相手の布陣変更に対応しきれずに振り回されてしまいましたが、今節はそういった戸惑いを感じさせることなくやれましたね。


理由としては幾つかあろうかと思います。
讃岐が3バックだったとはいえ、ツートップと両ウイングバックに対して京都の4バックがマッチアップしやすい状態であったことがあります。讃岐もまずは守備ありきで来ていたため、両サイドの守備機会がそもそも少なかったということもありますね。さらに、馬場と高木に対して京都のダブルボランチが見張れる状態。
讃岐としては、ワンボランチの渡邉と、トップ下から引いてくる馬場を起点にしてカウンターを仕掛けたい狙いがあったように見えました。
しかしそれに対し、有田とエスクデロがしっかりと下がって渡邉をケアし、馬場に対しては佐藤もしくは國領が判断良く前に出て潰す形を徹底。サイドに流れても、内田と堀米がいるということで、讃岐としては攻撃に手詰まりな感じはあったでしょう。
もう少し3バックが関与していれば怖かったのですが、ボールが下げられた時には、京都のツートップがしっかり見るようにしていて、持ち上がってこればすぐにプレッシャーを与えるようになっていました。

徳島戦に比べると、前線の選手の判断と守備意識は良くなっていましたし、それに勢いを与える形で佐藤&國領が中央を引き締めてくれていたのが大きかったですね。
特に國領はトップチームで初めてのボランチ出場でしたが、しっかりとしたプレーを見せてくれました。
サイドハーフとしては正直大したインパクトを残せず、プレッシャーの掛かる中でアタッカーとしてやるよりも、シンプルに散らしながらタイミングを見計らって出て行くボランチの方が良さそうで、そうなると求められる守備面でこれだけやれたのは自信になるでしょう。

また、守備の時の判断に関して言えば、下畠もかなり良いプレーを見せてくれましたね。
前に出て潰しに行く時には、最終ラインに穴を空けるリスクと闘いながら出て行くわけですけど、この時の判断・思い切りの良さは染谷をリードしているところかもしれません。


守備面での充実に対して、攻撃面ではまだまだな印象。
メンバーも変わっていますし、引いて守る讃岐をこじ開けるほどの精度は求めにくいところがありますが、前半に関して言えばちょっと慎重すぎた印象はあります。

後半になると、京都は3バックに変化。
と言っても大きく変わった印象はありませんでしたし、効果的だったかと言うとなんとも言えない、というのが率直な感想です。
マッチアップ自体がそれほど変わらず、失点するまで讃岐があまり出て来られない状態だったというのもあるでしょう。
有田がボールに絡む回数が増えたのは、明確にワントップとしての意識が出たというところで効果があったかもしれません。
その有田がサイドに流れたところから、PKを奪取して先制。

その後、讃岐が前に出てこようとしますが、前線からの守備意識は終始変わらず。
サイドでは内田が猛烈に上下動してくれていましたね。攻撃時には中に入り込んでアクセントを付けてもいて、細かな崩しには不慣れな面があるものの、面白いトライを重ねてくれていて好印象でした。
國領とともに、内田にとっても良い経験が積めているように思います。

攻撃力に関しては、今節もPKの1点のみでしたので、まだまだな印象はあります。
ただ、ここ数節書いている通り、このチームのベースとしてはしっかりと守備を徹底することにあると思いますし、自分たちにも相手にも想定外の状態が重なった中で、徹底しきった守備で無失点で抑えたことは大いに評価すべきでしょう。
夏場の連戦でもありますし、ここ最近思うように勝てていなかったことも踏まえれば、大きな1勝です。
メンバーが変わった中でも徹底すべきことをやれるということが強いチームのあるべき姿ですし、その点で自信になるゲームとなったのではないでしょうか。



―2016シーズン通算記録―
11勝8分5敗 勝ち点41
31得点 22失点
今節終了時点での順位:4位

【ゴール】
5点:堀米
4点:イ・ヨンジェ
3点:有田、アンドレイ、山瀬、ダニエル・ロビーニョ、エスクデロ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田

【アシスト】
7アシスト:エスクデロ
6アシスト:堀米
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ
2アシスト:イ・ヨンジェ、アンドレイ
1アシスト:有田、佐藤

【累積警告】
4枚:石櫃
3枚:アンドレイ、佐藤
2枚:イ・ヨンジェ、エスクデロ、下畠、ダニエル・ロビーニョ、有田
1枚:菅野、堀米、染谷、本多

*次節、石櫃は出場停止
*佐藤、本多、菅沼は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり