過ぎ去りし貴方へ、想い出の貴方へ。
かけがえのないものに気づきゆくこの頃です。



貴方に以前、西京極でお会いした時もそうでしたが、千葉と京都の試合に向けて、友人である千葉サポ・あらたん(ブログ「ゆっくりいこう」) とのコラボ企画をしています。
私の方でも先日、皆様からお寄せ頂いた質問に回答する 形で、京都と千葉を中心に、Jのあれこれを語ってみました。
また、あらたんからは丁寧に最近の千葉についてお知らせ頂いた手紙 を受け取っています。

それに触発され、私の方でも筆を取ってみた次第です。
本来は貴方に直接届けば良いのですが、生憎連絡先を失念したため、あらたんにこの手紙を送りつける次第です。元々知らなかったかもしれません。
でも一度大阪でお話させていただいたことがありますので、勝手に親近感を抱かせていただいております。観念してください。


今回は、西京極で行われた前回対戦の後、京都がどう過ごしているかについて簡単にお知らせしたいと思います。
週末の試合を見る上での参考になればと思うと同時に、京都サポである自分にとって簡単に振り返ることで頭を整理することになるかもしれません。


さて、千葉との前回対戦はゴールデンウィーク3連戦の最終日でもあった5月7日。第12節でした。
貴方にお会いしたのもこの日が最後ですね。
京都にとって、この連戦が一つ大きなポイントでした。


開幕から4戦連続ドローの後、札幌に敗戦。下位に沈んでいた山形と群馬に連勝したものの、徳島に敗れて第9節終了時点で2勝4分2敗の14位(*第8節熊本戦は延期)。
ボールを保持し、高い位置を取るサイドバックと流動的に動く前線を組み合わせながら相手を崩そうとするサッカーへの志向を感じさせる戦いながら、ビルドアップは不安定な上、ボールの奪いどころもハッキリしない状態が続いていました。
守備をハッキリさせるために3バックを採用してみる試合もありましたが、完成度は低かったです。
そういえば貴方も突発的に5バックにしていましたね。共通点があると親近感が湧きますよね、ね。

全体的に整理されていない印象が強く、結果から言っても石丸監督の進退問題が出てきそうな状況下でゴールデンウィーク3連戦に突入したのですが、相手はC大阪、清水、千葉と難敵揃い。


そんな中、C大阪戦で石丸監督が採用したのは、DF4枚とMF4枚で前後左右に距離を縮めたコンパクトな守備ブロックを築き、奪ったら手数を掛けずに攻撃に移るというもの。
かなり割り切った戦い方をしましたが、元々守備をしっかりさせることについては石丸監督の得意とする部分でもあるので、むしろやりやすい部分もあったと思います。
中途半端なポゼッションサッカーを志向したことで生じていた混乱もなくなりましたし。
その結果、C大阪、清水に連勝。
千葉にもほぼ勝利目前まで行きましたが、貴方を見ているといろいろ忍びないこともあり、ちょっとしたプレゼントを思わずしてしまった記憶がございます。


ただこの連戦から京都は波に乗り、続く6試合で5勝1分。順位を4位にまで上げ、自動昇格も狙えるのではというところまで行きました。
守備が整ったことで攻撃にもスムーズに移れるようになり、また、千葉戦からスタメンに定着したエスクデロが馴染んできたことも大きかったでしょう。
一方で、試合を支配しながらなかなかゴールを決められず、運動量が落ちてくるとカウンターを受けやすいといったところも顔を覗かせていたでしょうか。
また、菅沼はまだしも、染谷と下畠は高さの面でCBとして苦労するところがあり、ロングボールから押し込まれやすいところも。


そして歯車が狂いだしたのは第19節の東京V戦。
決定機を多く創りながらも決めきれず、東京Vの流動的な中盤の動きとドウグラス・ヴィエイラの高さ・強さに対応できずに敗戦。
続く松本戦もパワーで押し切られて連敗。


この辺りから暑くなってきた頃でもあり、主力選手に疲労や負傷が目立つように。
特に松本戦で負傷したイ・ヨンジェの影響は大きかったです。
前線で体を張るとともに、相手の裏に飛び出すことによって相手DFを牽制する動きを得意とする彼が不在となったため、攻撃はエスクデロと堀米のドリブル・キープ力に頼ることに。
必然的に彼らが不調であれば停滞に繋がるわけで、そんな状況が続けば彼らに過剰な負担が掛かることもまた必然。
なるべく負担を減らすために、特にエスクデロは守備面の負担をほぼ免除されている状態となりますが、そのために前線からの守備は掛かりづらく、奪うポイントは後方に。
さらに、相手のCBやボランチから自由にサイドチェンジをされることにも繋がります。
いくらコンパクトな守備ブロックを築いていたとしても、何度も横に揺さぶられるとズレは出やすくなります。しかも暑い中ですし。
それもあって、マッチアップがズレやすい3バックのチームとの対戦は大いに苦労していますね。


そういった負の連鎖が続くことによって、後半戦は不安定な戦いを続けています。
第27節東京V戦や第29節町田戦のように、しっかり内容を伴って勝つこともありました。しかし一方で第25節山口戦で相手が得意とするオープンな撃ち合いをやってみたり(結果はドロー)、第26節C大阪戦で3−0から追い付かれたり・・・。

貴方が姿を消したという知らせを聞いたのもこの頃だったでしょうか。

ちなみに、東京V戦と町田戦はヨンジェがスタメンでした。また、C大阪は3バックで戦ってきていて、前半はスコアレスながらボコボコにやられましたね。
自動昇格に向けた大一番として臨んだはずの第30節札幌戦でドロー、さらに第31節の松本戦に敗れたため、自動昇格はほぼ絶望的となっています。


なんとかこういった不安定さを脱却し、チームとして一段上げるために、チームとしては攻撃パターンの多様化に取り組んでいる様子が窺えます。
後半戦で行っているのは、開幕直後に行っていたようなサッカーへの部分的な回帰。
しかし、やはり状況としては開幕直後に見られたものと余り変わっていない印象が強かったですが・・・。


戦力面での問題でもあるのですが、ヨンジェの負傷が長引いていることもあり、ワントップで相手の背後を牽制できていないことが大きく効いているというのがまず一つ大きなポイント。
裏へ飛び出す選手が少ないと相手の守備の狙い目は絞りやすく、コンパクトに保ちやすくなりますからね。
相手のコンパクトな守備を崩さないといけないというところから、流動性を増して、細かいコンビネーションで崩そうというところになっているのだと思います。
しかし、元々相手の選手間で受けるプレーを得意とする選手が少ないため、後方から縦パスは入れづらく。中盤からエスクデロと堀米が強引に持ち上がろうにもスペースは少ないですし、なんとか間で受けようとアンドレイや山瀬も入ってくるために余計に中盤中央は渋滞してしまうことに。
サイドに起点を求めようにも、石櫃が負傷してしまったために、シーズン中盤戦で見られたサイドを抉る攻撃も不足・・・。
195センチの長身を持つキロスを補強し、終盤にはパワープレーで強引にゴール前に持ち込むパターンも出そうとしていますが、まだ結果には繋がらず。

攻撃に無理に出ようとして、前線に枚数は掛けたものの守備がズレてしまう。守備に力点を置けば後ろに比重がかかりすぎて前に出られない。
どっちつかずとも言え、引き分け試合の多さもそういったところから来ているでしょうか。


なんとか守備面でのしぶとさは取り戻しているのが救いですが、ここ5試合勝利なし。しかも無得点。その前を振り返っても7試合で1得点・・・。
一方で第33節北九州戦からヨンジェが戦列に復帰し、交代出場を果たしています。
メンバーさえ戻ればそれぞれの特徴の掛け合わせで攻守のバランスが整う素地もありますが、現状は負のサイクルに嵌ったまま、千葉戦を迎えることになります。
まさに深海 に沈んだ状態から、なんとか浮上したいと願いつつ、この手紙を書いています。


遠い夏を越えて、秋が近づき、貴方のことを想うよ。
今でも会いたくて 寂しすぎて、
(メガネを割るって軽率に言った)愚かな自分を恨みもするけど・・・



でもこれがプロの世界ですから仕方ありませんよね。
そういえば京都のサポ内でも一時(川勝監督時代だったでしょうか)、貴方へのラブコールを唱えている人たちがいましたが、あの方々は今何を想うのでしょうか。
そういった、中身を見ずに印象論と結果論で語りがちなのが、京都と千葉のズッ友たる所以かもしれませんね。

くだらないことを書いてしまいました。


また、手紙を書きます。
次回は今回の内容をベースに、千葉目線でどう京都を攻略していくかを考えられたらと思っています。



追伸

過ぎ去りし貴方へ、想い出の貴方へ。
今じゃ別のクラブの・・・

ん、結局今、監督ではないのは分かりますが、貴方・・・関塚隆さんの所属って千葉のままなんですか?