2016年10月8日16:03キックオフ@フクダ電子アリーナ 天候:晴

千葉 0ー3 京都 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から内田恭兵、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右からダニエル・ロビーニョ、アンドレイ、吉野恭平、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、染谷悠太、下畠翔吾、佐藤健太郎、國領一平、沼大希、キロス。
監督:石丸清隆

(選手交代)
76分、堀米→下畠:下畠が右SBに入り、内田が中盤の左へ。
83分、ダニエル・ロビーニョ→佐藤:5バックに変え、内田と下畠が両ウイングバック。中盤は右からアンドレイ、吉野、佐藤の形。
88分、エスクデロ→キロス:ポジションそのまま。


【千葉メンバー】
GK佐藤優也。DF右から丹羽竜平(68分:→北爪健吾)、イ・ジュヨン、近藤直也、阿部翔平。MF右から菅嶋弘希(79分:→吉田眞紀人)、アランダ、富澤清太郎(HT:→井出遥也)、長澤和輝。FWエウトン、船山貴之。
SUB:岡本昌弘、比嘉祐介、若狭大志、佐藤勇人。
監督:長谷部茂利


【審判団】
主審:村上伸次 副審:金井清一、武部陽介


【得点】*サイドは攻撃側から見て
2分、堀米(千葉0−1京都):高橋が相手に競り勝ってこぼれたボールを吉野が縦パス。受けたイ・ヨンジェが右のエスクデロへ。エスクデロが中央にパスを入れ、受けた堀米が左足シュートを放つと、DFに当たってゴールへ吸い込まれる。
24分、イ・ヨンジェ(千葉0−2京都):ヘディングでの競り合いが続いたところで、アランダが後方へヘディングパス。近藤が処理しようとしたところをイ・ヨンジェが掻っ攫い、GKに一度は当てながらも再度拾って左足でゴールへ流し込む。
65分、ダニエル・ロビーニョ(千葉0−3京都):エリア内でボールを受けたエスクデロをイ・ジュヨンが引き倒してPK。ダニエル・ロビーニョがゴール左に流し込む。



【警告】
千葉:エウトン(19分)、イ・ジュヨン(64分)、菅嶋(71分)
京都:アンドレイ(11分)、イ・ヨンジェ(67分)、菅沼(71分)



コラボ企画をずっとやって来ましたが、ついに試合を迎えました。
ここ5試合勝ちがなく、得点もゼロの京都。一方の千葉も3試合勝ちがなく、前節終了時点で京都との勝ち点差が8ということで、プレーオフ進出を考えれば絶対に勝たなければならない状況。
今節を迎えるにあたり両チームとも万全とは言えず、ある意味で似通った状況下ですが、同じように両チームともメンバーを大きく変えてきました。
京都はDFラインを3人変更。高橋、内田、本多がスタメン。さらにダブルボランチを今季初めてのコンビとなる吉野とアンドレイの組み合わせに。また、右サイドにダニエル・ロビーニョ、FWにイ・ヨンジェが入りました。
対する千葉は町田也真人が欠場。前節までボランチに入っていた長澤が左サイドに回り、アランダがスタメン。また、エウトンも戻りました。DFラインではイ・ジュヨンがセンター、阿部が左サイドに起用されています。
なお、佐藤健太郎、佐藤勇人、比嘉といった両チームに縁のある選手はベンチスタート。スタメン予想もされていた大久保裕樹はベンチ外でした。



前への勢いが好循環を生んで快勝


開始2分の先制点が大きく試合の流れを決定づけました。
ここまで5試合得点がないため、前から出てくるだろうと試合前レビューで予想 した通り、京都は積極的に前線からプレスを仕掛けます。
そしていきなり、相手ボールを跳ね返した流れから堀米の先制ゴール。
ちょっと千葉は縦パスに対する反応が鈍かったでしょうか。イ・ヨンジェからエスクデロに繋いで、キープからうまく堀米にDFとの一対一の場面を作ることができました。


お互いに流れが悪い中で迎えた試合で、しかも共に大きくメンバーを変えた中ということで、この立ち上がりが精神的に大きく影響した印象が強いですね。

京都としては勢いのまま奪えたゴールですし、しかも久しぶりの得点ということでチームにさらなる推進力と勇気を。
精度は低いところがありましたが、前への圧力を保ったまま、奪った時にはスペースへ飛び出す意識がここ最近なかったくらいに強めていきました。
裏抜けを得意としつつ、前で体を張れるイ・ヨンジェの復帰はやはり大きかったです。多少アバウトなボールでも競り合えるので、相手も警戒せざるを得ないですし。また、右サイドで起用されたダニエル・ロビーニョも労を惜しまずアップダウンしてくれました。
さらに、後述しますが千葉の攻撃が的を絞りやすかったこともあって、吉野とアンドレイが積極的に潰しに前に出られることも大きかったですね。初めてのコンビでしたが、共に対人守備は強いですし、パス出しや持ち上がりでも前への志向を出してくれました。相乗以上に良いバランスだったと思います。
イ・ヨンジェ縦への深みを作り、ダブルボランチが縦にしっかりと絡めると言うことで、間に位置するエスクデロもやりやすくなった印象。前節に続き、前で我慢する意識を出していたのも良い傾向です。


対する千葉にとっては、前節とは違った形で進めようとしていた中でいきなり失点を喫したため、混乱が増幅したでしょうか。
長澤が左サイドから中央に入り、阿部を高く張り出させたいところだったろうと思います。
京都は3バックの相手に苦戦することが多く、これは相手の前線5枚が出てきた時にボランチやサイドハーフの役割がぼやけるところがあるためですが、似たような状況を生み出して利用したいのかな、と。
阿部が張り出し、菅嶋が開いて両翼をいっぱい使うイメージですね。
ただ、阿部はそれほど高い位置を取るでもなく、菅嶋も長澤もあまりサイドを使えない状況となっていました。
そうなると、アランダや富澤にとりあえず渡して・・・となりますが、そこはアンドレイと吉野が激しく行けると。
じゃあエウトンにロングボールを当てるくらいしかなくなりますが、菅沼が充実した対応を見せましたし、流れてもヘディングに強い高橋や本多が出てくる、と。

京都にとっては理想的といえるくらいの展開で進んでいて、相手のミスからイ・ヨンジェが決めて前半のうちに追加点。
2点差が付くと、京都はそれほど無理をする必要がなくなるので、得意とする4−4−2のブロック守備隊形へ。こうなると強いですね。千葉が攻め手を見つけられてなかったので、安心感を持って見られますね。


後半、千葉は井出を投入。長澤をボランチに移し、井出を左サイドへ。
長澤が前に出て、井出が左サイドへ張ることによって千葉も前に出られるように。
ただ、ダブルボランチを一枚削って前に持っていく形になったために、京都にとっては前方に大きくスペースをもらえる状況。
ちょっとオープンな時間帯も続いて、ここで奪われると展開はガラリと変わったと思いますが、なんとか凌ぎ切りました。それだけでなくPKでさらに追加点。
その後は5バックに変更してスペースを消し、しっかりと逃げ切ることに成功。
ようやくゴールとともに、勝利を掴み取ることができました。


開始早々に結果が出たことによって得られた精神的な余裕がかなり大きい試合だったと思います。
対する千葉はマイナス方向に思いっきり出た感じですね。
状態の悪いチーム同士の試合でしたが、悪い方に出る時はここまで出ちゃうんだなというくらいの振り切れ方だったようにも感じることができて、ちょっと怖いくらいです。

とは言え、京都が今節やったことは、今までやりたかったけど上手く表現できてなかったもの(一方の千葉は新しいやり方だったことも影響したでしょう)。
メンバーの組み合わせによる影響も大きいですが、その中でストロングポイントを出すことに再度手応えを得られたはず。
負傷者や出場停止の関係も懸念はされますが、改めてロードマップとなり得る戦い方ができたのは良かったのではないでしょうか。
また順位的にも、千葉を突き放すだけでなく、横浜FCや町田との差を広げることもできましたし。
現実的にプレーオフを勝ち抜くことを意識するならば、戦い方を整理する必要があった中で掴み取れた1勝。
これをしっかりと活かして、残る試合に挑んでいきたいですね。



―2016シーズン通算記録―
14勝14分7敗 勝ち点56
41得点 30失点
今節終了時点での順位:6位

【ゴール】
7点:堀米
5点:山瀬、有田、イ・ヨンジェ
4点:エスクデロ、ダニエル・ロビーニョ
3点:アンドレイ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼

【アシスト】
10アシスト:エスクデロ
8アシスト:堀米
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、アンドレイ
2アシスト:イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼
2枚:下畠、有田、染谷、吉野、アンドレイ
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり