2016年10月23日13:03キックオフ@ケーズデンキスタジアム水戸 天候:晴のち曇

水戸 1ー1 京都 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右からダニエル・ロビーニョ、アンドレイ、吉野恭平、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、下畠翔吾、齊藤隆成、山瀬功治、國領一平、沼大希、キロス。
監督:石丸清隆

(選手交代)
64分、ダニエル・ロビーニョ→齊藤:齊藤は左サイドに入って、3バックに。堀米がトップ下へ。
76分、イ・ヨンジェ→沼:ポジションそのまま。
80分、エスクデロ→キロス:ポジションそのまま。


【水戸メンバー】
GK笠原昂史。DF右から田向泰輝、細川淳矢、伊藤槙人、内田航平。MF右から白井永地(69分:→宮本拓弥)、ロメロ・フランク、兵働昭弘、湯澤洋介(78分:→佐藤祥)。FW佐藤和弘、平松宗(69分:→久保裕一)。
SUB:。本間幸司、今瀬淳也、グエン・コンフォン、山村佑樹
監督:西ヶ谷隆之


【審判団】
主審:藤田和也 副審:数原武志、馬場規


【得点】*サイドは攻撃側から見て
76分、宮本(水戸1−0京都):後方からのフィードを久保がハーフウェーライン付近で胸トラップしてキープ。上がってきた宮本に渡すと、宮本が単身持ち上がり、左足ミドルをゴール右に決める。
94分、アンドレイ(水戸1−1京都)
:菅野のロングフィードを相手エリア内で石櫃が受けたところで細川に倒されてPK。アンドレイがゴール右に決める。


【警告】
水戸:田向(37分)、細川(94分)
京都:石櫃(53分)



前節、岐阜を相手に後半AT最後の劇的PK弾で勝利した京都。これで2連勝、しかも4戦連続無失点となり、プレーオフ進出に向けて勢いを付けられるかというところ。
今節はアウェーで水戸との対戦でした。水戸とは開幕戦で対戦し、1−1のドロー に終わっていますね。
京都はスタメンに変更なし。ただし、ベンチメンバーは内田、佐藤、有田が外れて、齊藤、國領、山瀬が入りました。有田は練習試合での主審への暴言を重く見てということで、謹慎処分が課されているそうです。
対する水戸は前節終了時点で13位。シーズン中にエースの三島康平を松本に引き抜かれたこともあり、得点力に悩みがある模様。
ここ数節も勝ったり負けたりといったところ。今節はDFラインのメンバーを変更し、田向と伊藤が起用されています。



荒れたピッチに苦しみなんとかドローに


試合は後半、水戸の宮本にミドルシュートを決められて5試合ぶりの失点。しかしその後パワープレーから後半アディショナルタイムに石櫃がPKを奪い、アンドレイが決めてドローに終わりました。
ラストプレーで石櫃がPKを奪ってアンドレイが決めて終了というのは前節と同じ流れ。こういうことってあるんですね(笑)
記録に残しづらいものなので調べようがないですけど、世界的にもあまり例がないんじゃないでしょうか(笑)


今節、かなりピッチコンディションに悩まされた様子でした。
ケーズデンキスタジアムは冬芝への貼替えを行っているところらしく、あまり根付いていないのか踏ん張るとめくれてしまうような状況。両チームとも足を滑らせる選手が多く、特にアウェーチームの京都はやりづらそうでしたね。

今季は攻撃の組み立てに苦労することが多いわけですが、足下で繋ぐことに苦労するピッチ状況であればなおさら困難さを伴うわけで。水戸のツートップが積極的に菅沼と高橋にプレッシャーを掛けてきたのもあり、ちょっと余裕のない状況でパス出しをすることも多かったでしょうか。
吉野が下がって、相手FWに対して数的優位を作り出すことで改善しようとしていたところもありました。しかし、水戸のスペースを制限する守備もしっかりしていて、前線の選手もなかなかパスを引き出せず。こういった相手の隙間で受けるプレーを出せる選手も少ないですね・・・

一方で前へ行こうとする志向は保てていて、前線4枚だけでカウンターを仕掛けようとするなど、ここ2連勝中に培っている良い部分を出せているところもありました。ダニエル・ロビーニョも好調のようですし、推進力は出せていました。
ただ、特にサイド攻撃を意識しすぎたのか、石櫃が高い位置を早いうちから取り過ぎているところもあり、ビルドアップでの不具合に影響していたようにも思います。

足下で繋ぎにくいなら、もう1つの手であるロングボールを相手のサイド裏へというのもありますが、前半は風下だったこともあり、回数は少なく。
一方で水戸は風上から仕掛けることができ、京都DFが跳ね返したボールを拾ってはサイドのスペースに白井や湯澤を走り込ませてきます。
京都は石櫃が高い位置を取り、本多が中に絞って3バックのような形になることも多いので、サイドにできてくるスペースを狙ってきた格好ですね。前半は白井のスピード、後半は湯澤のドリブルを多用していたでしょうか。また、風を警戒してか、菅沼と高橋があまりラインを上げなかったことにより、中盤との間が開いてセカンドボールを拾いにくくなっていたところも効いてしまいました。


後半、風上に立ったところでなんとか改善したかったですが、風も弱まったのかそれほど状況は好転せず。
むしろ水戸が京都の選手間でうまくパスを受け、良い攻撃に何度も繋げていました。フィニッシャーがいないのが水戸の弱みであるようですが、今節もそれは出てしまっていたでしょうか。京都としては助かった形。


京都は齊藤を投入して3バックに変え、攻撃に出ようとします。
しかし、これもあまり効果的なものとはなりませんでした。
元々3バックのようにして組み立てをやっていたところもあり、後方に入るのが本多になるか吉野になるかの違いくらい。本多は細かいプレーはあまり得意なわけではなく、パス出しの精度としても吉野には劣ってしまうところもありますし。齊藤がガンガン仕掛けて相手を押し込めるならまた違ったのですが・・・Jデビュー戦はホロ苦でしたね。

得点を入れるどころか、宮本に綺麗なミドルシュートを叩き込まれてしまいました。
カウンター気味に持ち上がってきた宮本に対して、守備陣がどこで奪いに行くかを決めきれずにズルズル下がってしまったところをやられてしまいました。
ここでも中盤とDFの間が空いていたところを突かれた格好でもありますね。


なんとか追いつきたいけれど、特に攻撃の形を作れない京都は、最終的にキロスを入れてパワープレー。
岐阜戦でもそうでしたが、相手にも分かりやすい一方で自分たちにも分かりやすい一手を持っているというのは良い効果をもたらしますね。
現状だと攻撃パターンがそれほどあるわけでもないですし、疲労のある中で精度を求められるプレーを繰り返すよりも、力技で割り切ることも重要。
その中で相手を押し込んで、PK奪取に繋げることができたのはよかったのではないでしょうか。長時間使えるわけではないので、長くて15分くらいの特攻タイムですね。
あれだけ大きいと相手も嫌ですし、CBが競りに行くと形によっては中央が空いてしまうし、水戸のように2枚付ければ空くところも当然出てくる。京都の選手も飛び込みの位置を意識するのが速くなっていますので、残り試合でも終盤の武器になってくるでしょう。
場合によっては0−0で推移させて終盤ゴリ押すってのもアリかなと思っていますけど。
あとはキロスが得点を取れるといいんですけどね。


ピッチ状況に大きく左右されたところはありますけど、後方をしっかり固める相手に対してはどうしても攻撃の詰まり具合は出てしまいますね。水戸がかなり良かったのもありますけど。
ロースコアでしぶとく勝ちをもぎ取ることが重要でしょうし、守備面で若干緩さを感じたのは気掛かり。
ただこれも外的な要因が大きく絡んだところもありますが・・・。
悪い流れなりに球際にはしっかりと当たっていけてもいましたし、土壇場で追いつくこともできたので、チームとして改めて引き締めにできる試合でしょうか。変にネガティブにならずに反省に繋げられるというか。
守備面でしっかりやることを怠らず、バランスを崩しすぎないように攻撃に繋げられるのが良いでしょうし、残り試合もしぶとく戦っていきたいですね。



―2016シーズン通算記録―
15勝15分7敗 勝ち点60
43得点 31失点
今節終了時点での順位:6位

【ゴール】
7点:堀米
5点:山瀬、有田、イ・ヨンジェ、アンドレイ
4点:エスクデロ、ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼

【アシスト】
10アシスト:エスクデロ
8アシスト:堀米
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、アンドレイ
2アシスト:イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼
2枚:下畠、有田、染谷、吉野、アンドレイ
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼、石櫃

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり