2016年10月30日15:04キックオフ@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:晴

京都 2ー0 岡山 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右からダニエル・ロビーニョ、アンドレイ、吉野恭平、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、下畠翔吾、和田篤紀、國領一平、矢島卓郎、沼大希、キロス。
監督:石丸清隆

(選手交代)
77分、イ・ヨンジェ→矢島:ポジションそのまま。
81分、本多→下畠:ポジションそのまま。
87分、堀米→國領:國領がボランチに入り、吉野がDFに入って3バックに。


【岡山メンバー】
GK中林洋次。DF右から篠原弘次郎、キム・ジンギュ、竹田忠嗣。MF右から片山瑛一、渡邊一仁(60分:→関戸健二)、矢島慎也(77分:→島田譲)、三村真、シャドーに伊藤大介(79分:→豊川雄太)と押谷祐樹。FW藤本佳希。
SUB:椎名一馬、秋吉泰佑、酒井宣福、ワン・ジンビン
監督:長澤徹


【審判団】
主審:上田益也 副審:松井健太郎、高寺恒如


【得点】*サイドは攻撃側から見て
3分、エスクデロ(京都1−0岡山):相手のロングボールを菅沼が跳ね返し、エスクデロが拾う。中央で落としを受けた堀米が右サイドのスペースに送り、イ・ヨンジェが抜け出す。イ・ヨンジェのクロスにエスクデロが飛び込んでダイビングヘッドを決める。
84分、矢島(京都2−0岡山)
:相手のロングボールを下畠がヘディングで跳ね返し、エスクデロがダイレクトでアンドレイに落とす。アンドレイのスルーパスに矢島が抜けだして右足シュートをゴール左に決める。


【警告】
京都:エスクデロ(93分)
岡山:なし



2連勝で迎えた前節は終了間際にPKで追いついてのドローゲーム。
今節はホームに戻って、ひとつ上の順位に付ける岡山との対戦となりました。
岡山はここ3試合勝ちがなく、京都との勝ち点差は3。
お互いにとってプレーオフ進出を決めるかどうかに加え、順位の入れ替わりも見据えた重要な試合となりました。
京都は3試合連続で同じスタメン。ベンチには和田と矢島が久々に入りました。
対する岡山は前節、DFの要である岩政大樹が退場処分を受け、さらにFWの軸である赤嶺真吾が警告を受けて累積警告4枚目。と言うことで攻守の要がこの試合には出場停止。一方で負傷で離脱していた押谷祐樹が戻りました。



ミスマッチを突き合う試合で先制から主導権を握った勝利


京都は4−4−2、岡山は3−4−2−1の布陣を敷いて戦います。
多くの場合、こういう対戦では対面する相手がハッキリしないところが出てきて、試合展開に大きく影響を及ぼします。
特に今季の京都は3−4−2−1で戦う相手に分が悪く、シーズン半ばにはそれを解消するために3バックで戦うこともありました。

今節もお互いの狙いはその「ズレ」でした。
基本的にはサイドの選手の枚数と位置関係ですね。
京都にとっては、岡山3バックの横のスペース。岡山にとっては、京都のDF&MFを片方のサイドに寄せた後に逆サイドのウイングバックを走らせる形。あと、京都のSBが攻め上がった裏も狙っていましたね。

開始早々から互いにサイドのスペースへ長いボールを送り込むことでチャンスを作りました。
岡山はその流れで得たスローインから、藤本が決定機も菅野がセーブ。
一方で京都はイ・ヨンジェが抜け出したところからエスクデロがダイビングヘッドを決めて先制点をもたらします。
このファーストチャンスをゴールに結び付けられたかどうかは試合の大きな分岐点でしたね。


京都はリードしたことによって落ち着きが得られ、また、相手が出て来ざるを得ないのでより一層サイドのスペースを狙いやすくなりました。
かと言って引き過ぎるわけではなく。

これまで3バックの相手と対戦した時にネックになっていたのは、DFとMFで縦横に狭い距離を保った4人−4人のブロックを築いた際のマッチアップ。相手の1トップ2シャドーを4バックで捕まえようとすると、ウイングバックが空きやすくなり、遅れて対処しようとすると順々に中が空いていくというもの。
今節もそういったことが皆無だったわけではなく、相手3バックやボランチに自由にロングボールを蹴らせてしまったことにより、特に前半にサイドチェンジから三村と石櫃の一対一のシーンを多く作られてしまいました。
ただ、今節のDF陣はラインを高くすることを徹底していて、前線もそれに呼応する形で前から相手を捕まえようとしていきます。つまり、相手に主体的にズラされる前に、前から潰しに行って、多少バランスが崩れることを許容しながらも対処していく形。なかなかこういった守備はできていなくて、3バックのチームとの対戦で露わにされてしまうことになっていたのですが、今節はしっかり対応できていたと思います。
もちろん早々の先制点も余裕に繋がったでしょうけど、それに加えて相手の空いているところをこちらが主体的に突いて効果的な攻撃を繰り出せていたことも大きい要因でした。
この辺り、ここ数節やろうとしていることがしっかりと結果に結びついていますね。

後半はより精度を上げて、守備面ではほとんど岡山にやらせませんでした。
前半は時折ミスもありましたけど、後半になると少なくなりましたし、選手たちもいい感じに乗れていたでしょう。
途中出場の矢島がようやく今季初ゴールを決め、2−0の完封勝利。
勝ち点で岡山に並ぶとともに、J2記録となるホームゲーム7戦連続無失点を達成しました。


危ないシーンもありましたけど、完勝と言っていいゲームだったと思います。
もちろん岡山の主力選手に欠場があったことも影響したと思いますけど、ピッチ上で見せた内容というのは、互いの戦い方上で空きやすい部分を突き合う中で京都がより効果的に崩し、一方で綻びを見せなかったというもの。
プレーオフに向けてより勢いを増していきたい中で、直接対戦する可能性のある岡山に内容でも上回ったことは大きな意味があるでしょう。今季憑きまとわれている3バックチームへの苦手感の解消にも一役買うようなゲームでしたからね。


他会場の結果でほぼプレーオフ進出も決まりました。
ここからはよりプレーオフを見据えて戦っていくこともできるでしょう。
と言いつつも、次の相手は現在3位につける清水です。
清水はかなり勢いに乗っていて、逆転での自動昇格も見据えるところ。
今一番リーグで強い相手だと思いますし、そういったチームにどこまでできるかというのはプレーオフ、ひいては来季のJ1も見据える戦いと言えるかもしれません。
これを中3日でやらないといけないというのはちょっと勿体無い気もしますが・・・。
今節の快勝により、順位を上げる芽も出てきました。
そういった中で、次節はどんな試合を見せてくれるでしょうか。



―2016シーズン通算記録―
16勝15分7敗 勝ち点63
45得点 31失点
今節終了時点での順位:6位

【ゴール】
7点:堀米
5点:山瀬、有田、イ・ヨンジェ、アンドレイ、エスクデロ
4点:ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼、矢島

【アシスト】
10アシスト:エスクデロ
8アシスト:堀米
4アシスト:アンドレイ
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼
2枚:下畠、有田、染谷、吉野、アンドレイ
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼、石櫃、エスクデロ

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり