2016年11月3日14:05キックオフ@IAIスタジアム日本平 天候:晴

清水 4ー1 京都 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右からダニエル・ロビーニョ、アンドレイ、吉野恭平、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、下畠翔吾、染谷悠太、山瀬功治、國領一平、矢島卓郎、キロス。
監督:石丸清隆

(選手交代)
61分、ダニエル・ロビーニョ→山瀬:負傷交代。ポジションそのまま。
67分、イ・ヨンジェ→矢島:ポジションそのまま。
75分、堀米→キロス:キロスがFWに入り、エスクデロが左サイドに。


【清水メンバー】
GK植草裕樹(HT:→杉山力裕)。DF右から三浦弦太、犬飼智也、角田誠、松原后。MF右から枝村匠馬(81分:→村田和哉)、本田拓也(57分:→河井陽介)、竹内涼、白崎凌兵。FWチョン・テセ、大前元紀。
SUB:二見宏志、石毛秀樹、金子翔太、北川航也
監督:小林伸二


【審判団】
主審:西村雄一 副審:越智新次、林可人


【得点】*サイドは攻撃側から見て
45+2分、角田(清水1−0京都):右CK、大前のクロスをファーサイドの角田が頭で合わせる。バーに当たって落ちたところを自ら頭で押し込む。
65分、チョン・テセ(清水2−0京都):自陣から繋いでセンターサークル内の河井から左の竹内へ。さらに左に開いた松原に繋ぐ。松原は中に切り込み、後ろの河井へ。そこから竹内を経由して、中央から左サイドに出てきた白崎へ。白崎が中に落とし、フリーで受けた松原がアーリークロスを送ると、中央のテセが右足ボレーを決める。
73分、白崎(清水3−0京都):縦パスを受けた大前が右サイドに展開。枝村の縦パスをチョン・テセが高橋と入れ替わりながらエリア内で受け、中央の白崎へ。フリーの白崎が右足で押し込む。
79分、大前(清水4−0京都):自陣左サイドから持ち上がり、受けた白崎が中に切り込みながら、再び左サイドへ。フリーで受けた松原のクロスを大前が左足で合わせて決める。
95分、キロス(清水4−1京都)
:左CK、エスクデロのクロスを中央でキロスが頭で合わせて決める。


【警告】
清水:なし
京都:アンドレイ(83分)



前節、ホームで5位・岡山に快勝し、勝ち点で並んだ京都。
プレーオフ進出を決定づけるだけでなく、順位を上げる芽も出てきた中で迎える今節はアウェーゲーム。相手は清水です。
京都は今節もスタメンは変わらず。これで4試合続けて同じですね。ベンチには染谷と山瀬が入りました。
対する清水は5連勝中と絶好調。大前が負傷から復帰してから、チョン・テセとの強力なツートップが猛威を振るっており、前節まで4試合続けてこの2人が共にゴールを奪っています。
勝ち点でも札幌、松本を猛追しており、前節終了時点でついに2位・松本と勝ち点3差に迫っています。
清水は石毛に替えて、負傷明けの枝村を右サイドでスタメン起用しました。



ハイレベルな相手に喫した大敗から得られるもの


前半は非常に面白いゲームでした。


京都はまずはしっかりと守備を敷く構えで、ラインはそれほど高くせずに、中盤とDFの距離を縦横に近くしてスペースを消しにいきます。
ツートップの守備意識も高く、清水のダブルボランチへのパスコースをケアしながらCBに詰めていきます。
べったり引くだけでなく、相手のパスが乱れた時には前線から奪いに掛かり、奪えれば素早く前へ仕掛け、シュートで終わる意識を強く出していましたね。
こういった戦いは石丸監督の得意とするところですしね。


一方で清水の守備も切り替えが速く、決定的なシュートシーンができそうなところでもしっかり誰かが戻って足を出していて、京都の得点には繋がらず。

また、攻撃力もさすがでした。
サイドハーフの枝村と白崎は頻繁に中央に入ってきて、サイドバックを高い位置に上げてきます。特に左の松原を使うことが多かったですね。さらにチョン・テセがサイドに流れたり、大前が中盤へ引いたりして流動的にポジションを変えながら京都の守備を剥がそうとしていました。
こういう攻めをすると中央が渋滞して縦パスが入れにくくなることもあるのですが(悪い時の京都がそういう状況になることが多いですね)、スピードも速く、精度も高いパス交換をしながら、京都のスライドが遅れた時には鋭い攻めを繰り出してきます。


京都としてはどうしても大前とチョン・テセを警戒せざるを得ないところがあって、特にチョン・テセがサイドに流れた時には菅沼や高橋が釣り出されやすくなります。
それに加えて清水のサイドハーフがポジションを変えながら入ってくるので、対処していくのは大変だったと思います。しかし、吉野が適宜最終ラインに入ってゴール前のスペースは消しつつ、ボールホルダーに強く当たりに行って自由にさせない守備も見せるなど、臨機応変に対応。
また、相手がポジションチェンジをしてくることを逆手に取ることによって、空いたところを突いていく攻撃もできました。

相手の攻撃は脅威でありつつも、狙いとする攻守はできていましたし、大きな手応えがある試合になりつつありました。
前半の終了間際にセットプレーから1点を失ったのは痛恨でしたが、ある程度失点は織り込み済みだったところもあるでしょうし。


後半は両チームにアクシデントがあり、特に京都に大きく影響してしまいました。
清水はハーフタイムでGKが植草から杉山へ交代。ウォーミングアップの時に頭に強いボールが当たっていたそうで、大事を取ってという形でしょうか。
また、ボランチの本田も負傷し、河井にスイッチ。
一方京都も右サイドで競り合う中でダニエル・ロビーニョが右足を痛めて山瀬に交代。

京都は後半に入っても引き続き集中して戦えていました。
先制した清水がやや引いて構える形になったのもあって、京都がボールを保持する時間も長くなりましたが、崩し切るには至らず。ちょっとエスクデロがタメを意識しすぎて、前へのスピードを落としてしまったところもあったでしょうか。

投入された山瀬は攻撃にアクセントを付けることを意識していたでしょうか。
ダニエル・ロビーニョに比べて中央寄りでのプレーを多く選択。
ただ、この辺りで守備面でのズレが出やすくなっていたように思います。山瀬自身も久しぶりの出場ですし。
清水が京都の右サイド側でポジションチェンジをしながら攻撃していく過程で、中央に入ってきた松原へのケアが遅れます。この時には、白崎が中央からサイドに流れていてそれにアンドレイが引き出されてもいましたし、山瀬も後方に引いた竹内を警戒して・・・というように、清水のポジションチェンジにかなり振り回されてしまいました。
結局フリーの松原から鋭いピンポイントクロスを上げられ、後方からの難しいボールでしたがチョン・テセが的確にボレーを決めました。このクロスとシュートは本当にハイレベルなものでしたけど、そこに至るまでにどうにか潰しておきたかったですね。


2点差がついてしまうと京都もバランスを崩さざるを得ませんが、やはりそういったことに慣れていないチームですので、清水にカウンターのチャンスを渡すことに。
チョン・テセに対してしぶとく対応を続けていましたが、高橋に対応のミスが出始め、マークも曖昧になるシーンが続いて2点を追加されてしまいました。
高橋に関しては、チョン・テセのようなハイレベルな相手と対峙することで感じるものは多かったでしょうし、その後も集中を切らさず奮闘していましたので、この苦い思いを繋げていきたいですね。


高橋だけに限らず、今節はハイレベルな相手と戦うことによって、見えてくるものもあったはずです。
どこまでの精度・強度を出さなければやられるのかといった感覚というのは、直接体験しなければ得難いものですからね。
今節の清水はそういう相手でした。5月のホームゲームでやった時も感じましたが、やはり個々の選手のクオリティは高いですし、現状リーグで最も強いチームだと思います。
もちろん全く歯が立たない相手ではありません。前半の内容がそれを現していますし、実際5月の試合では京都が勝利していますからね。
ゲームプランを遂行する中で必要なプレーの選択と実行力とでも言いましょうか。それがサッカーの巧さでもありますからね。
こういうレベルの高い相手とやって、手応えと反省を多く得たと思います。
シーズン残り試合に、それを活かしていきたいですね。今節も最後にキロスの今季初ゴールで一矢報いましたし。今節得たものを基準として、自分たちの意識レベルを高めていきたいところ。
次は中2日で大変ですが、上手くやりくりして乗り切りたいですね。


今節は面白い試合でした。見ててほんっと楽しかった。最終結果はまぁ・・・アレかもですけど(笑)
こういったハイレベルな試合をもっともっと味わいたいもの。
見る側も楽しいですし、こういった環境に身を置くことで選手たちも飛躍的に成長できるはず。
やはりそのためには上に、という気持ちを改めて持つ試合だったかもしれませんね。
シーズン残り3試合とプレーオフ。しぶとく、頑張っていきましょう。



―2016シーズン通算記録―
16勝15分8敗 勝ち点63
46得点 35失点
今節終了時点での順位:6位

【ゴール】
7点:堀米
5点:山瀬、有田、イ・ヨンジェ、アンドレイ、エスクデロ
4点:ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼、矢島、キロス

【アシスト】
11アシスト:エスクデロ
8アシスト:堀米
4アシスト:アンドレイ
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼、アンドレイ
2枚:下畠、有田、染谷、吉野
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼、石櫃、エスクデロ

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり