2016年11月12日14:04キックオフ@京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場 天候:晴

京都 0ー1 愛媛 


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右から山瀬功治、アンドレイ、吉野恭平、堀米勇輝。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:山田元気、染谷悠太、内田恭兵、下畠翔吾、國領一平、有田光希、矢島卓郎。
監督:石丸清隆

(選手交代)
70分、イ・ヨンジェ→有田:ポジションそのまま。
70分、堀米→國領:ポジションそのまま。
82分、エスクデロ→矢島:ポジションそのまま。


【愛媛メンバー】
GK児玉剛。DF右から林堂眞、茂木力也、浦田延尚。MF右から白井康介(93分:→三原向平)、藤田息吹、小島秀仁(72分:→安田晃大)、内田健太、シャドーに瀬沼優司と表原玄太(90分:→河原和寿)。FW阪野豊史。
SUB:原裕太郎、深谷友基、鈴木隆雅、西田剛
監督:木山隆之


【審判団】
主審:井上知大 副審:村田裕介、正木篤志


【得点】*サイドは攻撃側から見て
69分、瀬沼(京都0−1愛媛):京都のゴールキックをヘディングで跳ね返し、最前線の阪野が落とし、表原がダイレクトでスルーパス。抜け出した瀬沼がゴール左隅に流し込む。


【警告】
京都:石櫃(4分)、エスクデロ(79分)
愛媛:なし



前節熊本に勝利し、他会場の結果もあってプレーオフ進出を決めた京都。
まだ順位は確定していませんが、今節はホーム最終戦。愛媛を迎え撃ちました。
京都はスタメン変わらず。菅野は引き続きベンチ外となっています。また、キロスがベンチから外れて、謹慎明けの有田が入りました。
対する愛媛は昨季に続くプレーオフ進出を目指して戦っていましたが、既に可能性がなくなっています。
前節からは、シャドーのポジションを務める近藤貴司が外れて、スーパーサブ的存在だった表原がスタメンに入りました。



緩い試合で当然の敗戦


練習試合のようなテンションの試合をどこまで真剣に書くか微妙な感じですけど。


緩い試合でした。
京都としては最も避けたいのは負傷。あとは次節に響く出場停止を避けること。
前節まで、場合によってはプレーオフ圏外に行ってしまう可能性もある中で戦っていて、メンタル的にちょっと一段落していることもあるでしょう。
なので、動き方の確認だとか、コンディション的に無理をしないっていうのが優先されるのは当然です。
当然なのですが、それにしても「練習」のようなテンションの試合でしたね。

正直なところ、これまでの試合レビューでも触れている通り、このチームがしっかり練り上げられているわけではありません。それは勝ち点にも現れています。上位ともかなり離されていますからね。
一方で今の順位に付けているのは、やるべきことをしっかりやればそれなりに結果が付いてくるところまではチームが固められているからです。
相反することを書いているようですが、リーグ内での立ち位置はそんなところです。

「チームを練り上げられていない」点の一つが、ワントップ下で動き回るツーシャドーへの守備です。
多くの場合、そういう布陣を敷くのは3−4−2−1で戦うチームですけど、今季の勝率は低め。
京都は4−4−2で縦横に距離を近くして守るのを得意としていますが、シャドーの選手が中へ入っていき、CB・SB・ボランチの間をフラフラすることによって誰が潰しに行くのか迷いが生じやすいんですよね。
前線の守備もそれほど強いわけではないので、相手の3バックから出るボールへのケアもしづらく、両サイドのケアも芋づる式にズレていく形。

どうにかしないといけない、ってことでシーズン中には3バックでポジショニングを合わせてしまうことも多いくらいで。
ただ、岡山戦では前から順々に潰していくことで対応できるようになっている様子を見せていましたが、今節はそこまで動きが活発でなかったので、結局のところいいようにやられてしまいましたね。この辺も結構精神的な対処ですけど、重要なところです。

愛媛はまさにそういうチームで、特に表原が良い動きをしていて、京都は前半から振り回されました。
前半はちょっと自分でやろうっていう意識が表原は強すぎましたけど。もっと内田を使う素振りを見せられると、京都はキツかったでしょう。石櫃が早々に警告を受けていましたし。
後半は外の選手を使うことも多くなっていて、動きの上がらない京都は完全に中盤を制圧されてしまいました。失点は当然の流れでしたね。残念ですが。


京都の攻撃面ですが、悪いところばかりではなかったと思います。簡単にボールを失いすぎる感はありましたけど。
セカンドボールを拾い続けた時間帯もありましたし、ああいった形で前目で奪えると守備もやりやすいんですよね。裏をシンプルに狙う構えはしっかり浸透してきているようにも思いましたし。
ただ、相手の5バックを意識しすぎているのか、細かい崩しにこだわって中に人を割きがちにはなっていたでしょうか。

後半は落ちました。
気になったのは、疲れが溜まっているのか、動きが落ちるのが早かったかな、というところ。
本多が足を攣るのが増えているように思いますし。これも中への崩しを意識しすぎて、左サイドの幅を取るべく本多が何度も上下動せざるを得なくなっていることも要因にあるでしょうけど。

失点の直前から2枚替えを用意していたようですけど、これは予定通りの交代だった気がします。
かなりテスト色の強いものですけど。
引いた相手を崩すピースとして國領がサイドハーフでどれくらいやれるのかということと、出場機会が最近少ない有田が矢島やキロスと差別化を図れるかということと(有田の場合、コンディション調整の意味合いもあるでしょう)。正直なところ、2人ともさほど何もできなかったですが・・・。
これもプレーオフに備えた準備として必要なことですし、ベンチワークとしても「この一戦を!」という感じではなかったですね。当然だと思いますが。


ハッキリしているのは・・・ハッキリしてしまっているのは、と言ったほうがいいかもしれませんが・・・このチームは調整色を強く出した状態で勝てるほど洗練されているわけではないということ。
自分たちへの要求水準が甘いということにもなると思いますけど。
チームとしての完成度もこの試合を見るとまだ不安なところはありますし。

ここ最近勝ち星が多くなっていて、それこそ勘違いするところもあったかもしれません。
自信過剰とまでは言いませんが、結果が出ることによって覆い隠されるものもありますから。
プレーオフ直前にこういった試合をやってしまってよかったな、というように引き締め直すキッカケであれば良いと思います。

繰り返しですけど、このチームはそれほど完成度が高いチームではありません。
一方で、今の順位に付けてプレーオフに出られることにも理由があります。
勝ち点で言えば、「昇格できれば儲けもの」くらいに考えることもできますし、変なプライドを持つ必要もありません。
やるべきことをしっかりやる。
もう一度立ち返りましょう。



―2016シーズン通算記録―
17勝15分9敗 勝ち点66
48得点 37失点
今節終了時点での順位:5位

【ゴール】
7点:堀米
6点:イ・ヨンジェ、山瀬
5点:有田、アンドレイ、エスクデロ
4点:ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼、矢島、キロス

【アシスト】
11アシスト:エスクデロ
10アシスト:堀米
4アシスト:アンドレイ
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼、アンドレイ、石櫃、エスクデロ
2枚:下畠、有田、染谷、吉野
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり