2016年11月20日14:04キックオフ@トランスコスモススタジアム長崎 天候:曇

長崎 0ー2 京都 


【京都メンバー】
GK菅野孝憲。DF右から石櫃洋祐、高橋祐治、菅沼駿哉、本多勇喜。MF右からダニエル・ロビーニョ、アンドレイ、吉野恭平、山瀬功治。FWエスクデロ競飛王、イ・ヨンジェ。
SUB:清水圭介、染谷悠太、下畠翔吾、國領一平、矢島卓郎、沼大希、キロス。
監督:石丸清隆

(選手交代)
79分、イ・ヨンジェ→矢島:ポジションそのまま。
86分、ダニエル・ロビーニョ→下畠:下畠が左CBに入って3バックに。山瀬とエスクデロが2シャドーに。
92分、エスクデロ→沼:ポジションそのまま。


【長崎メンバー】
GK大久保択生。DF右からリ・ヨンジ、村上佑介、前田悠佑。MF右から岸田翔平(51分:→中村慶太)、宮本航汰、田中裕人、神崎大輔、シャドーに木村裕(80分:→畑潤基)、梶川諒太(62分:→ペク・ソンドン)。FW永井龍。
SUB:三浦雄也、チョ・ミヌ、養父雄仁、田中輝希
監督:高木琢也


【審判団】
主審:吉田寿光 副審:佐藤貴之、西村幹也


【得点】*サイドは攻撃側から見て
21分、山瀬(長崎0−1京都):右サイドからのスローイン。石櫃がロングスローを入れ、ニアサイドでアンドレイが潰れて流れたところを山瀬が頭で押し込んでゴール右に決める。
57分、イ・ヨンジェ(長崎0−2京都):DFラインからボールを中央で受けた吉野が右サイドに展開。受けたダニエル・ロビーニョが持ち込んで右足シュート。大久保がセーブしたところをDFと競り合いながらダニエル・ロビーニョがキープし、中央のエスクデロにパス。エスクデロのシュートは再び大久保がセーブするも、イ・ヨンジェが左足で押し込む。


【警告】
長崎:リ・ヨンジ(37分)、中村(85分)
京都:なし



前節、ホーム最終戦でピリッとしない試合を演じて愛媛に敗戦を喫した京都。
プレーオフ進出は既に決定しているものの、最終順位はまだ確定していない中で最終節・アウェーでの長崎戦を迎えました。
京都はスタメン2人変更。2試合欠場していた菅野が戻ってきたのと、ダニエル・ロビーニョも負傷から戻りました。堀米がベンチにも入っていませんでしたね。
対する長崎は前節終了時で14位。J2昇格後最も低い順位だそうですね。
今節はCBにチョ・ミヌに代わってリ・ヨンジ、左サイドにパク・ヒョンビンに代わって神崎、シャドーにペク・ソンドンに代わって木村が入りました。



前節とは打って変わって集中高く戦って快勝


前節は緊張が緩んだところもあったのか、まさに練習試合のようなゲームをしてしまいました。
それとは打って変わって、今節は非常に良い緊張感を持って戦い、見事完封勝利。
5位を確定させ、プレーオフ初戦ではC大阪と対戦することになりました。


いろいろエクスキューズはできると思いますが、前節の敗戦は今一度緊張感を呼び起こすものになったでしょうか。
もちろん今節もプレーオフに向けた準備としての側面は強かったはずで、堀米を遠征に帯同させなかったのもその一つでしょう(体調不良とのことですが、無理させる段階ではないですからね)。

怪我から復帰したロビーニョをスタメンで起用したのも、試合勘を取り戻させる目的だったと思います。
結果としても大当たりで、コンディション的にも充実しているところを見せ、右サイドを石櫃とともに支配してくれましたね。
守備面でも相変わらず真面目にやってくれますし、プレーオフに向けてこの状態で戻ってきてくれたのは大きいでしょう。

全体としてもボールへの反応や攻守の切り替えを速くしようという意識を強く持てていたでしょうか。
攻撃に移った時に、終盤戦で出せるようになってきた裏へ飛び出す構えを見せていましたし、一発で行けない時にはサイドを中心に相手の間で受けて前進することを意識。
エスクデロのボールタッチがズレるところはありましたけど、動きとしては最前線から中盤まで広く使おうとしていましたね。
前半に京都のセットプレーからカウンターを受けた時、自陣に全速力で戻ってもいましたし、守備面でサボることの多いエスクデロがあれだけやるっていうのは、勝利に向けた貪欲さの現れでもあるでしょう。

また、高い攻撃性を生み出せたのは積極的な守備があってこそ。
長崎は3バックも参加した攻撃をしてきましたが、一手目はだいたい後方からのロングボール。
これに対して、高橋と菅沼がほぼ競り勝てることによって、高いライン設定を保てましたし、攻守の切り替えも上々。
時折、逆サイドから斜めに裏へと飛び出す選手を離してしまうところはありましたが、プレーオフに向けて再確認となるでしょうか。

長崎が後半になって2トップに変えると、前半と守備の仕方が少し変わってちょっと後手を踏んだところはありました。試合中に相手がやり方を変えてきた時の対応ですね。
ただし、すぐに追加点を奪って流れを渡さなかったのは大きかったです。攻撃としても良い形でしたし。
京都の運動量も落ちてきた終盤にはサイドチェンジに対してスライドが追いつかなくなり、決定機も許してしまいましたが、ポストにも助けられて無失点で乗り切りました。
終盤には下畠を投入して、3バックでクローズする形も使えましたし、良い準備試合となったのではないでしょうか。


さて、これでレギュラーシーズンも終了し、京都はプレーオフに臨むことになりました。
3年ぶりですか。あの時 、国立競技場で感じた痛みや喪失感はまだ残っています。
ただ、2年連続で3位となってプレーオフに望んだあの時とは異なり、今季は5位でのプレーオフ進出です。
4位のC大阪とは勝ち点で9,3位の松本とは15もの差を付けられています。
そういう意味では、この状態でも上がるチャンスを有しているというのは「儲けモン」と考えても良いでしょう。
京都としてはチャレンジャーとして、思い切って戦うのみです。


対戦相手となったC大阪とは天皇杯も合わせて今季3戦戦って1勝1分1敗のイーブン。
大熊清監督に対する風当たりがかなり強いようですが、大黒柱の柿谷曜一朗が負傷から復帰し、連勝でシーズンを終えています。
戦力的にはリーグ屈指のものをもっていますし、実際に西京極での対戦では3−0から一気に追い付かれてしまったように、爆発力を持ったチームです。
また、後半戦はずっと3バックで戦っていたのですが、最終節で4バックに戻していたようで、プレーオフでもどう臨んでくるのかちょっと読めません。
一瞬も気を緩めることのできない、ヒリヒリするような試合になるでしょうし、京都はいい緊張感とコンディションでもって臨んでいきたいですね。
良いゲームになることを期待したいと思います。




―2016シーズン通算記録―
18勝15分9敗 勝ち点69
50得点 37失点
今節終了時点での順位:5位

【ゴール】
7点:堀米、山瀬、イ・ヨンジェ
5点:有田、アンドレイ、エスクデロ
4点:ダニエル・ロビーニョ
2点:石櫃
1点:下畠、本多、沼、岩沼、内田、菅沼、矢島、キロス

【アシスト】
11アシスト:エスクデロ
10アシスト:堀米
4アシスト:アンドレイ
3アシスト:ダニエル・ロビーニョ、イ・ヨンジェ
1アシスト:有田、佐藤、菅沼、石櫃

【累積警告】
3枚:佐藤、ダニエル・ロビーニョ、本多、山瀬、イ・ヨンジェ、菅沼、アンドレイ、石櫃、エスクデロ
2枚:下畠、有田、染谷、吉野
1枚:菅野、堀米、キロス、岩沼

*佐藤、本多、菅沼、石櫃、アンドレイ、エスクデロは累積警告4枚による出場停止が一度あり
*菅沼は一発退場による出場停止が一度あり