全選手評も最終回です!
これまでのはこちら→GK&DF編  MF編

今回はFWの選手たちですよ!!


FW

7 田村 亮介
リーグ戦4試合出場
天皇杯1試合出場

鳥栖への期限付き移籍から帰って来て、背番号7を与えられて迎えたシーズンでしたが、満足のいくものとはなりませんでしたね。
リーグ戦出場は4試合ですが、全て終盤の投入で出場時間はわずか9分。
しかもそのわずかな出場時間の中で、顎の骨折という聞くだけで顔をしかめたくなる負傷を負ってしまった。
本人は「喋りたいのに喋れないのが辛い」と言ってたらしいがが。
お、おう。お前はそのノリのまま明るく行ってくれw マスコット的な。
サイドハーフでの起用がメインとなり、武器とするスピードを活かした突破に期待を感じさせたものの、ほとんど起用されなかったのはちょっと疑問が残る。
守備面で怖さがあったのだろうけど、石丸監督の硬直性の煽りを最も食った形だったと言えるかも。


9 ダニエル・ロビーニョ
リーグ戦32試合出場 4得点 3アシスト 警告3
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯1試合出場 1アシスト

大病から帰ってきたブラジル人アタッカー。
まずはピッチに戻ってくることができて本当に良かった。
加入一年目の昨季同様、FWだけでなく右サイドハーフでもプレー。
FWでプレーするときには最前線というよりも少し引いた位置が好み。前を向いて受け、突進力を活かす形を得意とする。スペースにも飛び出せるし、カウンター攻撃に有効な存在。
なのでイ・ヨンジェと組むツートップでは良い関係性を築けていたが、エスクデロとツートップを組むと厳し目。途中交代で出るときには後者の形が多かったので、遅攻で詰まりがちなチーム事情もあってペースを上げることはできなかった。
かなり真面目な性格であるようで、守備面での規律もしっかり守れるし、体も強いので京都ではサイドハーフでのプレーが最もハマっていた。チームとして層が薄かったところでもあるし、彼がここまでやってくれなかったらと思うとゾッとする。
惜しいが今季で退団することになってしまったが、ぜひともJリーグでのプレーを続けて欲しいものである。あと3年くらいしたら堀米勇輝に日本語会話で勝てるようになるはずだ。


10 エスクデロ 競飛王
リーグ戦38試合出場 5得点 11アシスト 警告7
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯1試合出場 2得点 警告1

開幕直前に中国リーグから加入。自身としては久しぶりのJリーグ復帰となる。
浦和在籍時はゴリゴリ系のストライカーという印象を持っていたが、体の厚みがさらに増し、なんか筋肉の鎧をまとったかのようなフィジカルモンスターになってた。
で、ストライカーと言うよりもトップ下でのプレーを好むように。
フィジカルの強さとボールタッチの上手さを活かしてキープし、相手DFを跳ね飛ばすかのように前進するか、余裕のある態勢を作ってからスルーパスや展開のパスを狙うかといったプレーを選択することが多い。
背番号10を着けたことでその意識がより強まったところもあっただろうか。
ゲームを組み立てることに意識が向きすぎ、前線の枚数が薄くなる要因になることもあった。パス自体は特別上手いというわけではなく、流れてしまったり引っ掛けたりすることも案外多かったかな。足下で収めることを好むために、ボールの流れを止めてしまうことも。
FWとして相手DFの裏に抜ける意識が出ているときの方がチームとしての攻撃は回りやすかったし、裏抜けをチラつかせることで引いてきてのプレーもより効果的になっていたので、この辺りの整理は必要だったろうか。
守備はほぼやっておらず、カウンターでの攻め残りを期待されてタスク自体課されていなかった節もあるし、本人の意識もかなり攻撃に寄っていたところもあったか。正直この点は個人的には不満で、シーズンまとめに書いた通り、チーム全体の守備に負担をかけることになった。
その分を攻撃面で実効的に賄えるのなら良いのだが、石丸監督はそこまで組み上げられているわけでもなかったし、エスクデロ自身もストライカーとしての意識が希薄なところがあり、収支がプラスだったかと言えばそうでもない感じ。
フィジカル能力や技術を考えるともっと絶対的存在になれたはずの選手であり、チーム戦術への理解とプレー選択を突き詰めることによって目標とするA代表も見えてくるはず。
裏を返せばそれができなければ扱いづらいプレーヤーとなりかねない。


16 イ・ヨンジェ
リーグ戦33試合出場 7得点 3アシスト 警告3
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯1試合出場

長崎から加入したFW。
ロングカウンター時にサイドのスペースに飛び出し、キープして時間を作ったり単騎突破を図ったりすることによって相手DFを押し下げる役割がメイン。
前線の守備が掛からないために高い位置でボールを奪えなかった京都において、相手陣内深くで時間を作ることができるヨンジェの存在は不可欠。彼の欠場時には、同様のプレーをこなせる選手がいなかったため、攻撃に一際苦労することになった。これも守備との兼ね合いなんですけども。
身長はあるもののヘディングの競り合いに強いというわけではなく、得点も裏に飛び出して決める形が多い。とは言え、7ゴールはやはり物足りなかったか。長崎時代もそれほどゴール数を挙げているわけではなく、チャンスメーカー寄りの選手と言えるか。
来季の契約更新が発表されており、来季は得点・アシストともに増加して飛躍の年としたいところ。
なお、得点時に見せるハートパフォーマンスがお馴染みであるが、その度に歯の白さに感心させられる。


17 有田 光希
リーグ戦31試合出場 5得点 1アシスト 警告2
(昇格プレーオフ1試合出場 1得点)
天皇杯1試合出場 1得点

今季のチーム初ゴールと最後のゴールを決めた。ある意味「持っている」選手。
今季で契約満了となり、来季は以前にも所属した愛媛でプレーすることが発表された。
前線から攻守にハードワークできるプレーヤーであり、リードした試合の終盤にはサイドハーフとして試合を締めることも。
反面、ハードワークしすぎるあまり、肝心のゴール前で冷静さや正確さを欠いてしまう印象も強い。
もっと報われて欲しいのだけどね。。。
昨季・今季共に30試合以上出場しながら5ゴールずつというのは流石に寂しい。
そういう苛立ちもあったのか、練習試合で主審に暴言を吐いたことを重く見られて謹慎処分まで受けてしまった。リアル「あーりんは反抗期」である(*チャント原曲)。
何度でも言うが「ありたこうき」と「あーりんははんこうき」を重ねているのはファインプレイである。カモくんすげーぞ。
とは言え印象的なゴールも多く、今季で言えばホーム町田戦の反転からのシュートは見事だった。試合展開としても、丹念に町田の隙を突いていったものだったし、俺の中では今季ベストゴール候補である。
下畠のよき保護者理解者であり、サポーターへの発信も積極的に行ってくれていたので退団は非常に残念である。


19 矢島卓郎

リーグ戦12試合出場 1得点
天皇杯1試合出場 1得点

体の強さとスピードを活かした突進力が魅力である一方、怪我に悩まされてきたストライカー。
横浜マリノスから加入して一年目だったが、今季をもって現役を引退することを表明した。
京都でも離脱している期間が長く、練習試合に出場したかと思ったらまた離脱して・・・という状況で実際に見ることがなかなかできなかったので、「シュレディンガーの矢島」という異名を勝手に付けていた。
終盤戦になってメンバー入りする回数が増え、大一番となったホーム岡山戦では貴重な追加点をゲット。これがプロ生活で最後のゴールとなった。しかし全盛期のキレは正直なところあまり見られなかった。
プロ選手としてサッカーが出来ないというのは想像を越える辛さがあるだろうし、昨年の中山博貴もそうだったが、将来を嘱望されながら若くして現役を退かざるを得ないことへの苦悩は計り知ることも出来ない。
地元である滋賀の近くに帰って来て、覚悟の一年だったのだろう。
残念ながら引退という決断に至ったわけですが、まずはお疲れ様でした。
これからのセカンドキャリアが実りあるものになることを願っています。
かなり頭の良い選手なので、いろんな選択肢がありそうだけど。


29 沼大希
リーグ戦6試合出場 1得点
天皇杯1試合出場

ユースから昇格して1年目ながら公式戦7試合に出場し、得点もマーク。
しかもこの得点はデビュー戦で投入された直後の決勝ゴールだっただけにインパクトは大きかった。
プレースタイルとしては中央で相手と駆け引きしながら背後を取ることを得意とするストライカーらしい選手。
中央での裏取りを得意とするストライカーは少なかったし、しっかり結果も残したのだからもう少し長い時間を与えても良かったような気もするが、結局出番は限定的。やっぱり慎重すぎたんちゃうかなぁ。
天皇杯ではサイドハーフとして起用されたが、さすがにこれはタスク過剰だったし、良さも出なかった。
今後に期待したい選手。来季は鳥取へ期限付き移籍となる。


36 キロス
リーグ戦10試合出場 1得点 警告1
(昇格プレーオフ1試合出場)
天皇杯1試合出場
*7月にアトレチコ・ド・ポルト(ブラジル)から加入

夏に加入した長身FW。
デカい。とにかくデカい。昨季のフェホよりデカい。
フェホは身長はあったもののヘディングは苦手としていたが、キロスはヘディングでの競り合いがプレー選択肢の中心に来ていて、前線のターゲットマンとして活用された。
どう見ても特長が分かりやすいので、攻め手に乏しく攻撃に詰まりがちだった京都にとって、意識をハッキリさせる効果もあった。
分かりやすい分、相手としても対応はしやすいのだけど、これだけデカいとそれでも競り勝てる。それによってスクランブルを起こさせて得点にも繋げることが何度かできたが、数は少な目だったか。
パワープレーもあまり徹底できていなかったチーム事情も影響していた。割り切っちゃえばいいのにって思うこともしばしば。後方からのボールに精度を欠くことも多かったしね。
その辺りは彼にとっても不幸だったけれど、彼自身も今ひとつどうしたいのかが見えづらいところもあった。頭で落とした後に止まることも多く、シュートもそれほど撃てず。
もっとストライカーとしての自我を出し、ゴールに向かっていくことができていれば違った結果になったかなと思うところも。



さてさて、全選手評は以上です!
でもって、2016シーズンのブログ更新は以上となりまーす。
プレーオフのレビュー でも書いた通り、来季は全試合レビューにはこだわらず、書けるときに書くって感じになります。
なんやかんや書いてるかもしれませんけどw
実際この全選手評だって、年内に終えるって初めてじゃないのかw 毎年越年してるのにw
ま、そんな感じで気紛れにやっていきます。

既に来季に向けた選手の出入りが発表されていて、なかなか不穏なものや不安感も感じます(笑)
一方でどういうサッカーになるのかをまた観察していく楽しみもあります。

毎年言ってることながら、短い現役生活の中の1シーズンを共に戦うということは非常に重みがあることで、どんな形であれ彼らのサッカー人生における意義を見出していくことに、見守る側としての喜びがあります。
この2016シーズンを京都で過ごしてくれた選手全員に感謝しかないですし、2017シーズンを京都で過ごす選手全員に期待感を持って見ていきたいものです。

まずは一年間お疲れ様でした。
また来年頑張りましょう!