前回の更新から6試合を終えました。
この間京都は2勝2分2敗。
大崩れはしないものの、得点が思うように奪えずに4試合勝ちなしだったところから、第8節から連勝と上向いています。
今回はこの6試合でチームが取り組んできたことを振り返っていきます。
安定したビルドアップから前線でのチャンス創出に向けて
前回の記事で書いたように、今季はボール保持を大事にして、リスク管理を優先したサッカーをしています。
攻撃時には基本的に後方からショートパスを繋いでいき、細かな連携から相手を崩しにかかります。
このとき、無理にゴール前にボールを入れることはせず、割り切って自陣までボールを戻すことも多いです。
リスクをかけて奪われるよりも、ボールを保持して相手の攻撃回数を減らすことを優先していますね。
4バックと5バックを併用していますが、布陣にかかわらず戦い方は統一されていますし、だからこその併用のスムーズさにも繋がっています。
昨季と大きく異なるサッカーをしていますので、慣れは必要になります(見る側も)。
開幕直後は、後方からのビルドアップとボール保持に焦点が当たっていた印象で、ボールを持っている割にチャンスは多くありませんでした。
得点も少ないですし、一見淡白なので見る側にストレスがかかることも多かったでしょう。このサッカーは好き嫌い分かれますので・・・。
そんな中で、よりチャンスを増やすためのトライをチームは重ねています。
代表的なのが中盤中央の選手の位置取りです。
5バック時のダブルボランチ、あるいは4バック時のインサイドハーフの2人が高い位置を取ることが増えていて、前線に厚みを持たせようとしています。
特に重廣が前線に飛び出す回数を増やしていて、FWの選手を追い越して裏に抜けてチャンスを狙っていきます。
長いボールで裏を狙うケースも増えていますし、相手の目先を変えながらDFの間を割っていこうとしていますね。
特に相手が4バックだと、京都の前線が5人いることになるので、どう捕まえるか中盤との連携も含めて守る側は悩ましいですから。
さらに、左サイドに入っている小屋松の調子が良いので、中央を締められても今度はサイドで小屋松の突破を活かせるようにもなっています。
開幕直後はあまり調子が上がってないのかな、と思っていましたが、ここ最近の充実ぶりは素晴らしいです。
左サイドでコンビを組む選手との相性もあるでしょうか。
小屋松の突破を活かすという意味では、後方に黒木が入ってボールの動きをコントロールする方が良さそうです。
試合によっては黒木は右サイドに入ることもありましたが、利き足の左足でスムーズにパスを出せることを考えても左サイドの方が良いでしょう。
別の視点から見ると、冨田が磨いていくべきなのはこういったところかもしれません。
(もしくは上下動を頻繁にできる冨田の特徴を踏まえると、ウイングには中でプレーできる選手の方が組み合わせとして良いかもしれませんね)
守備の安定化との兼ね合い:5バックか4バックか?
前線に人数を掛けていこうとしていた分、どうボールを前まで持っていくかで苦労しました。
第6節岐阜戦、第7節山形戦なんかが顕著でしたが、中盤の選手が前に張り出したときに、5バックでうまく運べないケースが多かったですね。
5バック中央の闘莉王が一列ポジションを上げることもありましたが、あまり機能はしませんでした。
ボール回しの核となる庄司のポジションが上がっていたことも関係していますが。
一方で第8節栃木戦の途中からは4バックに変え、庄司がビルドアップに多く関わるとともに、CBに入った安藤が機を見て持ち運ぶことで相手を引き出し、スムーズな攻撃に移れるようになってきています。
攻撃面だけを見れば4バックの方が良さそうですが、一方で守備面を考えると、5バックでしっかり中央を締めた方がいいところもあります。
フィジカル面で特徴のある選手が少ないだけに、相手が強さ・高さで押してきたときにどう対処するかが問題になりますから。
また、DFラインの前のスペースを使われるとピンチになりやすいですが、中盤の選手が奪いに出たところを外されたり、ロングボールを前線に当てられて落とされたりという流れで出てきます。
その頻度を下げるためには、前線への縦パスを潰し切るだとか、最後のところはやらせないだとかが大事です。
柏戦なんかがひとつのモデルケースで、終了間際に失点はしましたが、概ね5バックでしっかり締めることができていました。
一方、第9節の金沢戦では安藤と本多がよく頑張っていて、クルーニーと小松に対して粘り強く対応していましたので、4バックでもやれる手応えも得ているかと思います。
欲を言えば同じメンバーで両立できるといいのですが。
闘莉王を一列上げてみたり、キャンプでやっていたという庄司や安藤を5バックの中央に置いたりというのはそういったトライですね。
ただ、闘莉王に安藤のような機動性は求めにくいですし、一方で庄司や安藤に闘莉王のような強さを求めるのは酷ですし、どこかでバランスを見定めないといけないのは当然です。
次戦の相手である甲府が超強力な前線を擁しているので、どういう選択をするかが注目です。
これまでの流れを考えると、4バックで試合に入り、リードを奪えれば闘莉王を投入して5バック・・・が良いかなと思いますが。
ここ2試合では最前線に一美が起用されて相手を押し下げるとともに、金久保や宮吉が相手DFラインの前でボールを引き出す流れも出てきていて、攻撃の幅も広がっています。
左では小屋松の突破、右では金久保、宮吉を中心としたコンビネーションで的を絞りにくくもできますし。
終盤の失点が目立っていますが、追加点を奪えないままでいるうちの守備への反応が落ち・・・という流れが多いです。
徐々に精度が上がっている攻撃面をより磨くことで解決していきたいところでしょう。
第4節
3月17日(日)14:03@西京極 天候:曇
京都 0−1 柏
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019031715/data.php
【京都出場メンバー(5-4-1)】
【得点】
京都:なし
柏:鎌田(93分)
【警告】
京都:なし
柏:ヒシャルジソン(42分)、鎌田(66分)、染谷(73分)
第5節
3月24日(日)14:03@フクアリ 天候:晴
千葉 1−1 京都
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019032405/data.php
【京都出場メンバー(5-4-1)】
【得点】
千葉:新井(76分)
京都:小屋松(21分:←ジュニーニョ)
【警告】
千葉:クレーベ(41分)、田坂(71分)、下平(86分)
京都:なし
第6節
3月30日(土)15:03@長良川 天候:雨
岐阜 1−1 京都
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019033016/data.php
【京都出場メンバー(5-4-1)】
【得点】
岐阜:粟飯原(83分)
京都:ジュニーニョ(71分:←エスクデロ)
【警告】
岐阜:イヨハ(20分)、宮本(62分)
京都:なし
第7節
4月3日(水)19:03@西京極 天候:晴
京都 0−1 山形
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019040306/data.php
【京都出場メンバー(5-4-1)】
【得点】
京都:なし
山形:オウンゴール(70分)
【警告】
京都:なし
山形:なし
第8節
4月7日(日)14:03@グリスタ 天候:晴
栃木 1−2 京都
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019040706/data.php
【京都出場メンバー(5-3-2)】
【得点】
栃木:藤原(3分)
京都:一美(42分:←小屋松、52分:←小屋松)
【警告】
栃木:なし
京都:金久保(26分)、重廣(27分)
第9節
4月14日(日)14:03@西京極 天候:雨
京都 2−1 金沢
試合記録:http://www.sanga-fc.jp/game/2019041411/data.php
【京都出場メンバー(4-1-4-1)】
【得点】
京都:金久保(43分:←一美)、仙頭(89分:PK)
金沢:杉浦(83分)
【警告】
京都:本多(93分)
金沢:梅鉢(18分)
−2019シーズン通算記録−
4勝3分2敗 勝ち点15
9得点 7失点
第9節終了時点での順位:7位
【ゴール】
2得点:一美
1得点:宮吉、重廣、黒木、小屋松、ジュニーニョ、金久保、仙頭
【アシスト】
2アシスト:宮吉、小屋松
1アシスト:ジュニーニョ、エスクデロ、一美
【累積警告】
1枚:宮城、金久保、重廣、本多
*冨田は同一試合での警告2枚による退場処分が1度アリ