前回の更新から6試合を終え、リーグ戦の対戦が一巡しました。

ここ6試合は3勝2分1敗。順位を上げて、自動昇格圏内の2位で折り返すことになりました。

今回の記事ではここ6試合の状況と、後半戦の展望を中心に書いていこうと思います。

 

 

ポジションチェンジも多用した多彩な好機創出

 

この6試合では12得点を奪いました。

ボール回しの起点となる庄司が出場停止で危ぶまれた東京V戦で4ゴールを奪うなど、複数得点を挙げる試合も多かったですね。

後方からの組み立てが安定していることによって前線にボールを運ぶ機会が多いですし、ゴール前での相手守備の崩し方も増えてきています。

引き付けてからサイドチェンジで裏を取ったり、狭い局面でショートパスを受けた選手が背後に流したりスルーしたりでDFの逆を取ったり。

こういったプレーが増えてくると必然的に結果にも繋がりやすくなります。

特に、ボールを失ってからすぐさまプレスを掛けて高い位置で奪い取り、再びボール保持から押し込むサイクルがハマっているときは、一方的にさえ見えることもあります。

 

ここ最近の試合では、前線の選手のポジションチェンジも増えてきています。

たとえば通常ではサイドいっぱいに位置取っている小屋松や仙頭が中に入ってインサイドハーフとしてプレーし、その代わりにインサイドハーフの選手が外に張り出すような形ですね。

小屋松と仙頭はサイドを入れ替えることも多いです。

また、インサイドハーフについて言えば、金久保なら庄司と同じ高さまで下がったかと思えば前線に飛び出すなど、縦に広く動きますし、重廣ならワントップの位置に入って一美と入れ替わるなんてこともしていますね。

メンバーによっては右サイドバックに入ることもある福岡は、その経験も活かしながら中央から右サイドにかけて動きますし、東京V戦ではアンカーの位置でも十分やれることを示しました。

こういったポジションチェンジの良いところは、マッチアップする相手が変化することによって相手の守備に的を絞らせず、混乱させることにあります。「慣れ」を防ぐということもありますね。タイプの違う選手との一対一は苦労するものですから。

 

ただし、ずっとうまく行ってるというわけではありません。

水戸戦序盤は相手の鋭い出足にビルドアップを狂わされましたし、大宮戦では相手の堅い5バック守備を崩せなかったこともありました。

それを糧として、裏狙いの織り交ぜやポジションチェンジの多用など、攻撃の多彩さを身につけていくためのトライを行っている段階と位置づけられますし、ここまではうまくやれているかと思います。

大宮戦の後すぐに、同様に5バックを敷く愛媛を攻略できたことも自信に繋がったでしょう。

ただ、好機の多さの割に追加点が奪えていないことも事実で、時間帯によっては一方的に攻撃し続けていても、スコアは開かない、なんてことが目立ちます。

好機の多さを実際にスコアに反映できるかどうか・・・選手個々の質にも関わってくる話ですが、より高みを目指すためには上げていきたいところです。

 

 

守備強度をどう維持するか

 

成果が伴いつつある攻撃面の一方で、守備面について見てみるとここ6試合で8失点を喫しました。

大宮戦、琉球戦、水戸戦と3試合で複数失点。それまで第14節町田戦でしか複数失点はありませんでしたが、ここ6試合のうち半分の試合で複数失点を許したことになります。

 

この複数失点の増加には、守り方の変化が影響しているでしょう。

序盤戦はまず自陣に引いてブロックを築いてから奪いに出ていましたが、最近は奪われた直後にすぐさま奪い返すことを狙うように動いています。

素早い出足で奪い返し、相手の攻撃を摘むことができている間は、攻撃の好調さも相まって京都ペースにできます。

しかし、運動量が落ちてくる後半には奪えないケースが出てきて、手薄なうちに相手の攻撃を受けてしまうことが増えてきます。

これが繰り返されるとなかなか押し返せなくなってきて、結果、自陣に押し込まれやすくなります。

攻撃面を重視したメンバー選考になっていることもあり、対人守備の弱さを突かれて強引な突破を仕掛けられ、止めきれずにピンチを招きやすいですし、そこから失点するケースが多いですね。

特に個人能力の高い選手を抱えていたり、組織的に整っている相手にはやられやすいわけで・・・前半戦で現状の上位チームに勝てなかったというのはこのあたりが関係しているでしょう。

 

目立っているのが、リードを奪いながらも守備強度が落ちた終盤に失点して追いつかれるパターンです。

それを防ぐ、あるいは追いつかれた後に再び突き放すためには選手交代でのペースチェンジが望まれます。しかし、現状あまりハマっていませんね。

攻撃面でのギアチェンジで言えば、エスクデロやジュニーニョを組み込めないか模索している感じはあるのですが、粗さが目立ちつつも徐々に慣れているように見えるジュニーニョはまだしも、エスクデロは異彩を放ちながら噛み合いません。

わかりやすく高さを加えることができ、守備でも変化をつけられるのオプションとして闘莉王がいますが、目の負傷があって離脱中です。

闘莉王以外にも負傷者はどうも多いようですし、独特な攻撃スタイルに苦労している選手も多いと思います。なかなか選手層は厚くなりませんね。

 

そうなると、少なくとも運動量を担保することが必要でしょうし、それに適したメンバー起用が優先されるかもしれませんね。

大野、重廣、下畠を途中起用した長崎戦がひとつのモデルケースになるでしょうか。スタメン起用する選手とのバランスを見た上で、大きな変化はせずとも強度を保つような形です。

下畠に関しては3バックへの変化も見据えられますし、センターバックの新たな候補として期待がかかります。

見る側としても特に応援したい選手の1人ですし、宮吉も合わせて戦力になってくれれば・・・という贔屓目も(笑)

長崎戦に関して言えば、1−0で守りきったことに加えて、下畠とベンチからでも大いにチームを盛り上げていた加藤がスタメンに入った試合で勝てたというのも、チームに勢いを与えるのではないかと思います。

 

 

「想定外」の2位での折り返し

 

さて、2位でリーグ前半戦を終えました。

正直に言って、まさかこの順位で折り返せるとは、という気持ちですね。

今季はベース作りが主で、一桁順位に入れればよいだろうと思っていましたので・・・。

想定以上のペースでチーム作りが進み、勝ち点も積み上げているのは素晴らしいです。

 

ここまで書いてきたように、時間帯によっては圧倒する時もありましたが、試合全体を見たときに完勝したというような試合は少ないです。

また、京都を除く前半戦の上位5チームに対して1分4敗と1勝も挙げられていないという事実もあります。

試合運びやゲーム中の変化に課題があるわけですけど、そんな中でも着実に勝ち点を積めているというのは選手たちにも一定の反省とともに手応えや自信にもなっているはずです。

軸となる方向性を信じて進めていけるというのはやはりチームにとって大きいですし、反省を活かしながらより高みを目指していくというのが後半戦の戦いになりますね。

昨季を考えると、2位で折り返した山口は後半戦に順位を下げていきました。

より相手の対策も進んでくるでしょうし、歩みを止めれば飲み込まれてしまいます。勝ち点差も詰まっていますからね。

 

後半戦はいきなり首位攻防の山形戦から。

前半戦ではなかなか良いところを出せずに完封負けを喫した相手にどう立ち向かうか。

さらに次には前半戦で力負けした大宮と当たります。この連戦は注目度が高くなりますね。

 

 

第16節
6月2日(日)14:03@味スタ 天候:曇

東京V 1−4 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019060202/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK清水。DF右から石櫃、安藤、本多、黒木。MFアンカーに福岡、前に右から仙頭、宮吉(55分:→闘莉王)、重廣(66分:→エスクデロ)、小屋松。FW一美(89分:→大野)。

【得点】

東京V:小池(63分)

京都:一美(13分:←仙頭)、福岡(18分:←仙頭)、小屋松(27分:←宮吉)、安藤(89分:←石櫃)
【警告】

東京V:なし

京都:エスクデロ(78分)、清水(79分)

 

第17節
6月8日(土)18:03@NACK5 天候:曇

大宮 3−1 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019060807/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK清水。DF右から石櫃(53分:→庄司)、安藤、本多、黒木(66分:→闘莉王)。MFアンカーに福岡、前に右から仙頭、宮吉(86分:→大野)、重廣、小屋松。FW一美。

【得点】

大宮:奥抜(12分)、河面(39分)、フアンマ(62分)

京都:仙頭(25分:←一美)
【警告】

大宮:なし

京都:なし

 

第18節
6月15日(土)19:03@西京極 天候:雨のち曇

京都−2 琉球
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019061518/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK清水。DF右から石櫃(90分:→エスクデロ)、安藤、本多、黒木(75分:→闘莉王)。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、福岡、重廣、小屋松。FW一美(90分:→ジュニーニョ)。

【得点】

京都:小屋松(36分)、一美(65分:PK)

琉球:鈴木(45+3分)、河合(80分)
【警告】

京都:安藤(94分)

琉球:田中(51分)

 

第19節
6月22日(土)19:03@ニンスタ 天候:曇

愛媛 0−2 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019062217/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK清水。DF右から福岡、安藤、本多、黒木。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、重廣(78分:→中野)、金久保(88分:→石櫃)、小屋松。FW一美(85分:→宮吉)。

【得点】

愛媛:なし

京都:黒木(57分)、一美(60分)
【警告】

愛媛:吉田(81分)

京都:なし

 

第20節
6月29日(土)19:03@西京極 天候:曇

京都 −2 水戸
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019062914/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK清水。DF右から福岡、安藤、本多、黒木。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、重廣(86分:→ジュニーニョ)、金久保(84分:→石櫃)、小屋松。FW一美(86分:→エスクデロ)。

【得点】

京都:一美(37分)、仙頭(61分:←金久保)

水戸:清水(3分)、前(79分)
【警告】

京都:仙頭(45+3分)、黒木(79分)、石櫃(84分)

水戸:志知(71分)

【退場】

水戸:ンドカ(22分)

 

第21節
7月7日(土)18:03@西京極 天候:晴

京都 −0 長崎
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019070706/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK加藤。DF右から石櫃、安藤、本多、黒木。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、福岡(83分:→大野)、金久保(77分:→下畠)、小屋松(86分:→重廣)。FW一美。

【得点】

京都:オウンゴール(10分)

長崎:なし
【警告】

京都:安藤(9分)

長崎:角田(79分)


−2019シーズン通算記録−
10勝7分4敗 勝ち点37
30得点 20失点
第21節終了時点での順位:2位

 

【ゴール】

8得点:一美

6得点:仙頭

4得点:小屋松

2得点:重廣、黒木

1得点:宮吉、ジュニーニョ、金久保、大野、石櫃、福岡、安藤

 

【アシスト】

3アシスト:小屋松、宮吉、石櫃

2アシスト:ジュニーニョ、仙頭、一美

1アシスト:エスクデロ、安藤、金久保

 

【累積警告】

4枚:安藤

2枚:本多、仙頭

1枚:宮城、金久保、重廣、庄司、闘莉王、エスクデロ、清水、黒木、石櫃

 

*安藤は累積警告4枚による出場停止が1度アリ

*冨田は同一試合での警告2枚による退場処分が1度アリ

*庄司は一発退場処分が1度アリ