前回の更新から間が空きましたが、引き続き京都は苦しんでいます。

ここ8試合で2勝2分4敗で勝ち点8。

1試合あたりの平均勝ち点1というのは残留争いの目安ですから、上位につけるチームとしてはかなり厳しい状況と言えます。

(さらに言えばここ10試合で勝ち点は9だけなんですね)

 

 

5バック選択の功罪

 

第31節岡山戦から5バックで試合に入るようになりました。

それまでメインで使っていた4-1-4-1の布陣で攻撃面は上々になっていて、一時は首位に立つところまで行きました。

しかし、相手の対策も進む中でカウンターを受けたときの弱さも目立っていて、また、夏場に入って主力選手の疲労が蓄積され、攻撃の精度も落ちたことでなかなか勝ち点を積めないようになっていきました。

前半はいい感じで進めていても、後半にリズムを崩してしまうことも多かったですね。

もはや個々の能力の話にもなりますが、決定機を仕留められないでいるうちに・・・というのも目立ちました。

 

このような状況の中、まずは後方を安定させることを優先させるため、5バックにして後ろの枚数を増やしてカウンターの予防を行うとともに、高さの保険も掛けるために闘莉王をスタメン起用。

実際、カウンターへの対処はできるようになりましたが、攻撃面でボール保持をそれまで同様に大事にするとなると後ろの枚数が多い状態からのスタートとなります。

前線に運ぶルート作りは後手に回っていましたし、前線でFWが孤立気味になるために積極的な前線からのプレスを受けたときの逃げどころも作りづらくなっていました。

第34節からは2トップにして若干の修正は施しましたが、後方に重たい状況は変わらず。

 

また、4-1-4-1の布陣では両ワイドの高い位置で仙頭と小屋松が張り出して攻撃を仕掛けにかかりますが、5バック選択時には両ワイドで受けるのが福岡と黒木になる局面が多くなり、突破の選択がしづらくなりました。

そこから崩すとなると細かな技術も必要だし、クロスの精度もそれほど高くないという厳しさも。

本職ではない福岡は疲労の蓄積も大きかったように見えましたね。

突破ができないから攻撃のやり直しを狙う→どこかで奪われる→戻る、のサイクルで上下動の回数ばかり増える試合も多かったです。

4-1-4-1時と同様に前から奪いにいこうとする動きと、5バックでしっかり後方をカバーする意識がズレて間を使われてピンチを招くことも多かったですね。

 

守備面での強さを加えるとともに、試合中の判断や指示で引き締める部分で闘莉王を最後方に置いた5バックだったと思いますが、闘莉王自身の状態にも問題がありそうで、5バックのメリットも見出しにくかったのが実情でしたね。。。

もともとチーム全体として守備力が高いわけでもないし。

結局のところ、有効な選手層が薄いというところに帰着してしまうのが辛いのですが・・・。

 

 

自信と勇気を取り戻せるかが問われるラスト6戦

 

第36節の山口戦では4-1-4-1に戻しました。

5バックでの状況を考えると妥当な選択だと思います。

ただ、プレー原則を徹底することを中田監督が求めたとのことでしたが、選手たちが必要以上にこだわってしまった印象が強い印象の試合になってしまいました。

山口の守備も素晴らしかったのですが、ボールの動かしと前線から奪い返す意識は向上していたものの、相手ゴール前でこじ開けようという意識は終始希薄というか、視野が狭く大胆さに欠けるような戦いぶりでした。

ベースができているだけに余計に、個々の選択で慎重な方を選んだり、躊躇いが出てしまったりということが露わになってしまうところもあったでしょうか。

 

局面的に仕掛けても構わないのに戻してしまうというのは、ボール保持を大事にして相手の攻撃回数を減らすというシーズン当初からの原則に行き着きます。

ただ、夏前にそのバランスを探って攻撃性を高めていたことから考えると、結果が出ないことで慎重さが臆病さに繋がってしまっている印象である現状に歯がゆさを覚えます。

こういった脆さがあるからこそ、完成度の高くなかった5バックを継続してなんとか闘莉王をピッチに置いておきたいというのも中田監督の頭にあったのかもしれません。

一方で、一度戦い方をリセットしようとしたことがズレを生んでいるようにも思えます。

とはいえ、これも試合を決めきるべきところで勝ち点を積むことができなかった試合の多さが生んだものであり、チームとしての未熟さが招いてしまったものであることは認識しなければならないでしょう。

 

シーズンも残り6試合。

この2ヶ月ほどで自動昇格はおろか、まずはプレーオフ圏内に入り込むことを意識しないといけなくなりました。

ただし、あくまでこのチームは今年からで、クラブとしても前年は史上最低の成績を収めてしまっていたことを忘れてはなりません。
結局の所、京都はJ2でもチャレンジャーの立場です。昨年に比べれば、遥かに恵まれた立場でシーズン最終盤を戦うことができます。
そうであるならば、もう一度それにふさわしい戦いを取り戻してくれることを願ってやみません。
やるべきことは変わりませんし、チームの原則も確立はされています。あとはその中で、攻撃性や積極性を攻守両面で出せるかどうか。
一戦一戦、まずはゴールをこじ開ける、ボールを奪うという原点を意識し、サッカーを楽しんでもらいたいですね。

 

 

第29節

8月24日(土)19:03@たけびし 天候:曇一時雨
京都−1 福岡
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019082414/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK加藤。DF右から石櫃、安藤、本多、黒木。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、福岡(80分:→闘莉王)、金久保(86分:→重廣)、小屋松。FW一美(85分:→ジュニーニョ)。

【得点】

京都:石櫃(14分)

福岡:田邉(76分)
【警告】

京都:福岡(55分)、安藤(60分)

福岡:鈴木(26分)、木戸(52分)

 

第30節

8月31日(土)19:04@ポカスタ 天候:雨のち曇
徳島 2−1 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019083113/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK加藤。DF右から石櫃(64分:→中坂)、安藤、本多、黒木。MFアンカーに庄司、前に右から仙頭、福岡、宮吉(75分:→重廣)、小屋松。FW一美(85分:→闘莉王)。

【得点】

徳島:渡井(79分)、杉本(88分)

京都:中坂(95分:←仙頭)
【警告】

徳島:なし

京都:宮吉(31分)、安藤(37分)

 

第31節

9月8日(日)19:03@Cスタ 天候:晴
岡山 3−0 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019090803/data.php

【京都出場メンバー(5-4-1)】

GK若原。DF右から石櫃(66分:→藤本)、安藤、闘莉王(86分:→上月)、本多、黒木。MF右から仙頭、福岡、庄司、小屋松。FW一美(63分:→中坂)。

【得点】

岡山:仲間(22分)、山本(28分)、中野(92分)

京都:なし
【警告】

岡山:中野(71分)

京都:なし

 

第32節

9月14日(土)19:03@たけびし 天候:晴
京都−0 町田
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019091406/data.php

【京都出場メンバー(5-4-1)】

GK加藤。DF右から福岡、宮城、闘莉王、本多、黒木。MF右から仙頭(79分:→一美)、金久保、庄司、小屋松(90分:→中坂)。FW宮吉(86分:→藤本)。

【得点】

京都:小屋松(62分:←仙頭)、一美(81分:←金久保)

町田:なし
【警告】

京都:なし

町田:なし

 

第33節

9月21日(土)18:03@たけびし 天候:曇のち雨のち曇
長崎 1−0 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019092104/data.php

【京都出場メンバー(5-4-1)】

GK加藤。DF右から福岡、宮城、闘莉王、本多、黒木。MF右から仙頭(62分:→一美)、金久保(70分:→藤本)、庄司、小屋松。FW宮吉(76分:→中坂)。

【得点】

長崎:呉屋(30分)

京都:なし
【警告】

長崎:なし

京都:藤本(81分)

 

第34節

9月28日(土)19:03@白波スタ 天候:曇
鹿児島 0−1 京都
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019092807/data.php

【京都出場メンバー(5-3-2)】

GK加藤。DF右からジュニーニョ(76分:→福岡)、牟田、闘莉王、本多、黒木。MF右から藤本(83分:→金久保)、庄司、小屋松。FW仙頭(90分:→湯澤)、一美。

【得点】

鹿児島:なし

京都:一美(17分:←小屋松)
【警告】

鹿児島:ルカオ(43分)、中原(58分)、牛之濱(66分)

京都:本多(57分)、黒木(85分)

 

第35節

10月6日(日)14:03@たけびし 天候:晴
京都−2 愛媛
試合記録:
http://www.sanga-fc.jp/game/2019100607/data.php

【京都出場メンバー(5-3-2)】

GK加藤。DF右から福岡、安藤、闘莉王(90分:→湯澤)、本多、黒木。MF右から金久保(90分:→藤本)、庄司、小屋松。FW仙頭(77分:→ジュニーニョ)、一美。

【得点】

京都:仙頭(34分:←金久保)、一美(57分:←仙頭)

愛媛:神谷(65分)、山瀬(72分)
【警告】

京都:なし

愛媛:藤本(52分)

 

第36節

10月12日(土)14:03@下関 天候:曇
山口 1−0 京都
試合記録:
https://www.sanga-fc.jp/game/2019101209/data.php

【京都出場メンバー(4-1-4-1)】

GK加藤。DF右から安藤、牟田、本多、黒木。MF底に庄司、前に右から仙頭、福岡(63分:→藤本)、金久保(88分:→中坂)、小屋松。FW一美(79分:→宮吉)。

【得点】

山口:田中(79分)

京都:なし
【警告】

山口:楠本(88分)

京都:黒木(66分)


−2019シーズン通算記録−
16勝11分9敗 勝ち点59
50得点 39失点
第36節終了時点での順位:6位

 

【ゴール】

15得点:一美

8得点:仙頭

7得点:小屋松

2得点:重廣、黒木、福岡、金久保、ジュニーニョ、宮吉、石櫃

1得点:大野、安藤、庄司、中坂

 

【アシスト】

6アシスト:仙頭

5アシスト:小屋松

4アシスト:一美

3アシスト:宮吉、石櫃、ジュニーニョ、金久保

2アシスト:安藤

1アシスト:エスクデロ、庄司、黒木、福岡

 

【累積警告】

3枚:黒木

2枚:仙頭、福岡、安藤

1枚:宮城、金久保、重廣、庄司、闘莉王、エスクデロ、清水、石櫃、ジュニーニョ、宮吉、藤本、本多

 

*西京極は8月から「たけびし」表記

*安藤、本多は累積警告4枚による出場停止が1度アリ

*冨田は同一試合での警告2枚による退場処分が1度アリ

*庄司は一発退場処分が1度アリ