ハムレット (新潮文庫)/シェイクスピア

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なんという悲劇。そして日本語訳は秀逸さ。テンポのよさ。主人公の人物像…どれをとっても一級品だぁ。
素人だってわかるんだもの。シェイクスピアの悲劇の最高傑作ってすごいわ。

僕ならどうしただろう。
実の父が死に、その叔父に実の母がたやすく乗り換える様を見たら?
実の父が亡霊となって、叔父による謀殺だということを知ったら?
気ちがいのように振る舞い、挙句の果てに叔父に自らも手をかけられると知ったら?
そして自分が愛する女性が、自分の因果で狂死したとしたら????

王子ハムレットは
母を尻軽と罵り、叔父に復讐心を燃やした。
自分を謀殺しようとする友を殺し、自分が愛する女性の父を殺した。
そして結局、叔父と自分が愛する女性の兄による策略の失敗により、
実の母は毒死し、叔父、女性の兄、そして自らも毒刃に倒れる。

おもしろいとは不謹慎だが、読めば誰もが登場人物になりきる錯覚を得るはずである。
ハムレットは狂ったのか?発狂のふりをしているのか?熱に浮かされているのか?
読み手によっても解釈は違うだろうし、自分で物語を半分作っていく気がする。
感情移入は、読む人の立場から母であったり、ハムレットの愛する人であったり様々であろう。
そこがまたおもしろい。これは一度、劇のほうも見てみたいものだ。