久々にブックレビューを書いてみる。
良質なインプットのあとには、やぱ必ずアウトプットはしたいものであるから。
ブログの位置づけも今後とも血と肉をつけるために多くのアウトプットをしていこう。

フランクリン自伝 (岩波文庫)/フランクリン


久々にめぐり合った素敵な本でした。
ベンジャミンフランクリンと言えば、科学者、出版業者、哲学者、経済学者、政治家、アメリカ資本主義の父など多才であるゆえ、フレンチ、イタリー、スパニッシュを軽くマスターしてしまう人。
ここまでスゲーと何やらどこかの貴族とかお家がいい坊ちゃんだとか思ってしまうのだが、貧しく卑しい生まれであったとフランクリンはよく引き合いに出している。

そこで空っぽの頭で何で彼がこんなにすげーの?って考えてみた。

やぱチョー有名なフランクリンの十三徳でしょ。
1. 節制 飽くほど食うなかれ。酔うまで飲むなかれ。
2. 沈黙 自他に益なきことを語るなかれ。駄弁を弄するなかれ。
3. 規律 物はすべて所を定めて置くべし。仕事はすべて時を定めてなすべし。
4. 決断 なすべきをなさんと決心すべし。決心したることは必ず実行すべし。
5. 節約 自他に益なきことに金銭を費やすなかれ。すなわち、浪費するなかれ。
6. 勤勉 時間を空費するなかれ。つねに何か益あることに従うべし。無用の行いはすべて断つべし。
7. 誠実 詐りを用いて人を害するなかれ。心事は無邪気に公正に保つべし。口に出ですこともまた然るべし。
8. 正義 他人の利益を傷つけ、あるいは与うべきを与えずして人に損害を及ぼすべからず。
9. 中庸 極端を避くべし。たとえ不法を受け、憤りに値すと思うとも、激怒を慎むべし。
10. 清潔 身体、衣服、住居に不潔を黙認すべからず。
11. 平静 小事、日常茶飯事、または避けがたき出来事に平静を失うなかれ。
12. 純潔 性交はもっぱら健康ないし子孫のためにのみ行い、これに耽(ふけ)りて頭脳を鈍らせ、身体を弱め、または自他の平安ないし信用を傷つけるがごときことあるべからず。
13. 謙譲 イエスおよびソクラテスに見習うべし。

7つの習慣のコヴィー先生の言葉を借りるならば、ミッションステートメントって奴だね。
彼の最たるものは、毎日十三徳をチェックして日々の悪しき習慣を徹底的に排除し、良き行いを習慣にしてしまった点である。特に一定期間にどれか一つに注意を集中させ、その徳が習得できたら、また次の徳へといった具合でだ。
その徳たちは数百年たっても、彼の文章全体に宿り、たった一度の人生をどう生きるか、そのひとつの解を与えてくれる。文才というものがあるのも一役買ってはいるのだが、何より事細かに記されている彼の勤勉さ、節制、配慮の行き届いた人への接し方、彼の人となりが自己を振り返らせる機会となる。ここまで人は模範的に立派に生きられるだろうかとも思ったが、それこそ十三徳を追求していた結果なんだろう。勤勉さが彼を多才にし、節制が多くの富を生み出し、若い頃磨いた文才が彼を有利な立場に導き、決して争わない物腰柔らかい接し方が多くの友を連れてきた。

最初は何も持たざる者であった彼が、それなりの財産と素晴らしい名声を日々の努力で手に入れたという事実が僕を元気にさせてくれる。

24歳で独立し、印刷業を始めた彼にかなり出遅れてはいるが、どんな道であれ、悪しき習慣を捨て去り、良き行いを習慣化してしまおうと企むやまゆうでした。