ショーシャンクの空に [DVD]/ティム・ロビンス,モーガン・フリーマン,ウィリアム・サドラー


いつか見ようと思って、やっと見ることができた。
これは人生のうちで必ず見るべき映画のひとつだと思う。

『ショーシャンクの空に』 (The Shawshank Redemption) は、1994年に公開されたアメリカ映画。
原作は『グリーンマイル』も手がけたスティーヴン・キング。
モーガン・フリーマンが助演で、アカデミー賞において7部門にノミネートされた。

妻殺しの罪で終身刑になるも、決して希望を捨てない主人公の銀行の副頭取だったアンディ。
それは「夜と霧」のヴィクトールフランクルが言った僕の大好きな言葉を思い出させる。

あたえられた環境でいかにふるまうかという人間としての最後の自由だけは誰にも奪えない。

この台詞に酷似した「希望」という言葉が映画の中でも度々登場する。そのひとつを紹介すると
「人間の心には誰にも奪えないものがある・・・希望だ。」
"That there’s something inside that they can’t get to, that they can’t touch.
That’s yours...... Hope."


アンディは、不合理な暴力を振るう刑務官にも媚びず、男色家どもにも決して屈しず、自分の置かれた環境の中で、図書館を改築したり、受刑者に高卒の免許をとらせたり、刑務官たちの確定申告までしたりと、与えられた中で最良の生き方を模索する。

しかしながら、「夜と霧」と違った一面もある。ここにこの映画の全てが集約されていると僕は思う。
アウシュビッツ収容所はいかにして多くのユダヤ人を迅速かつ効率的に処理するかが重要であった。

終身刑の受刑者を囲う刑務所は、それとは異なり、いかにして受刑者をそこに規律正しく留まらせるかが重要であると思う。ここで注目すべきは終身刑でも数十年たてば運良く仮釈放されることがあるが、塀の中でずっと過ごしてきた囚人はシャバじゃ生きられないってこと。

モーガンフリーマン演じる''レッド''が言うには
「最初に自分たちを囲む塀を激しく憎むが、やがてその塀に安心するようになる。頼るようになる。終身刑こそ人を狂わせる最も陰湿な手段である。」

終身刑となり、数十年も毎日繰り返される日々をどう生きていくか。
終身刑となり、数十年も服役したシャバでいかにして生きていくか。

苦悩も喜びも全部ひっくるめて、この映画はそれらを描ききっている。
すげーよ、マジで。人間がどんな環境にも''慣れ''てしまうことが良くも悪くも恐ろしい。

だけれども、アンディ一人だけは違った。それは彼の言葉によって理解することができる。
「選択肢は二つ。必死に生きるか、必死に死ぬかだ。」
"Get busy living, or get busy dying"


アンディが言ったこの言葉には「希望」がこめられている。
誰になんと言われようと、苦汁をなめようとも、決して手放さなかった希望。
その希望によって、誰も予想しなかった結末へと物語は加速する。

アンディとレッドの友情にも心がほっこりする作品となっており、どんな状態に陥ろうと、希望を捨てずに友情を大切に生きたいと、心豊かに和やかにさせてくれる映画だった。