「アンの幸福」「アンの夢の家」 | +。:.゜うららかなブログ。+。:.゜

「アンの幸福」「アンの夢の家」





引き続き、「赤毛のアン」シリーズを読みすすめている最中ですが、


まず読み終わった「アンの幸福」。


これはアンの婚約時代のお話です。


アンが婚約者へ綴った手紙の内容が軸となり、話がすすめられていきます。


この手紙が可愛い…。


ひとつひとつが長い手紙なのですが、メールも電話もなかった時代の往復書簡は離れて暮らす二人にとっては、とっても楽しく、幸せな時間の共有だったのではないでしょうか。



人生の機微を、即ち、人になにか愛するものがあるかぎり決して貧しくはない



「アンの幸福」の中ではこの言葉が一番心に響きました。





そして、「アンの夢の家」へと物語は移るわけですが、これはアンの新婚時代のお話です。


愛するグリーンゲイブルズを離れ、ギルバートと二人で「夢の家」へ向かう件がとてもいいです。


ここで私はアンと同化し、ギルバートの語る一言一言にキュンとなり、アンの幸せが私の物となりました。


(〃∇〃)


アンが夢見た想像通りの「夢の家」での幸せな新婚生活。


新しい土地での新しい仲間たちも個性豊かです。



みんなに慕われているジム船長の言葉で、


「小さなしわのよった褐色の種を見てはその中に虹のようなさまざまな色が入っているのかと思うと、わしはいつも不思議になるですよ。



こういった種のことをつくづく考えると、わしらはあの世でも生きている魂を持ち合わせているのだと信じることが決してむつかしくないですね。



この奇跡のような事柄を見なかったら、色と匂いはさておき、あんな小さな、中には埃くらいの大きさしかないものの中に生命があるとは信じられませんよね」


というのがあるんですが、ジム船長は真理を見る目を長い航海で培ったのでしょうか。


海を見ているとこの世界の神秘に気付かざるを得ないのでしょうか。


わかりませんが、誰にでも、ふとした時にこの世の神秘に気付くチャンスが与えられているのだと思います。


それに気付ける人と気付けない人の差はなんでしょうか。


毎日の生活の中でも注意深く見れば、この世界がいかに美しく、いかに愛で満ちていて、魂とか、あの世とか、そういった世界の中で生かされている自分というものに気付ける瞬間が与えられているのだと思います。


そのチャンスを逃し、短絡的な生活に明け暮れる人の何と多いことでしょうか。


ジム船長のように小さな種を見て、この世界の神秘に気付けた人は幸せです。




翼があったらいいのにと思うの。


鳩のように「飛び去って安全なところへ行く」というのではなくて、鷗のようにさっと嵐のまっただ中へ飛込むのよ


これはアンの言葉ですが、海や空を見ていると翼が欲しくなるのは誰しも願うことでしょう。


苦難困難何するものぞ、飛び込んでやれ!


と小心者のくせに時々思う私はこの言葉に共感しました。



わたしたちには分からないことだけれど――けれども信仰を持っていなければいけないのだよ――なにもかもいい工合になるのだと信じていなくてはならないのだよ。


これはマニラの言葉です。


信心深い人の言う言葉は胸を打ちます。


なにもかも最後には全てがうまくいく。


だって私たちは神様を信じているのだから。


こう自信を持って言いたいです。




多分、われわれの内に閉じ込められた無限性があの肉眼で見える完全性の中に表現されている同類の無限に呼びかけているのかもしれませんよ


これはレスリーの夫、オーエンの言葉ですが、星を見て、この感覚になることがあります。


こんな的確な言葉では言い表すことはできませんが、言われてみると、


あぁ、この感覚…

星を見て思うのと似ているな


と思いました。


星、あるいは宇宙を見ていると、何億光年も離れた所から見える煌く光が完成された物のように美しい。


その美しさは肉の目では私たちにはわからないけれど、私たちを創られたのと同じ無限の力がそこに宿っているからなのかもしれないと思う。


それに似ています。




その後、「炉辺荘のアン」へと続き、そちらも読み終わったのですが、長くなるので今日はこの辺で…


それでは、またきらきら





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