そして3軒目。
そこはプラモデルが目立つ横に細長い玩具店で、
店内中央にプラモデルの陳列棚、周囲をその他の玩具類が囲っていた。
クリスマスが近い為か、ツリーや飾り付けの物が多く見える。
その店ではチョロQはすぐに見つかった。
棚の上に置かれた木製の皿にいくつか転がっている。
ここで見つけたのは数台のチューンナップチョロQプロ。
チューンナップチョロQは、それ以前に購入していたので、
ここで見つけた物は2人とも既に持っていたが、
せっかくなので一応買っておいた。
僕はそれよりも、プラモデルの棚に埋まっていた、
ミクロマンシリーズの「コスモポルシェ」を見つけた事に狂喜乱舞。
それどころか、店主のおばさんが
「そういうの好きならもっとあるわよ。今はクリスマスシーズンだから
古い物は奥に閉まっちゃったんだけど、見る?」
「あ、ちょっと見せてもらえますか?」
と言って、しばらく待っていたら、店主が奥から持って来た物は、同じくミクロマンの
「初代ミクロマン.スカイランブラーセット」「マリンコプター」
「ジャイアントアクロイヤーセット」「ミクロロボット1」
チョロQに例えるなら、マメダッシュやA品番の初期型に相当する物だ。
普段から、こんなものが店頭に並んでいたとは信じられない。
「うわぁすげっ!」
凄すぎて言葉が出ない。初代ミクロマンなど見たのは約20年ぶりだ。
これらは勿論全て購入。割引もしてくれたので、
これだけの物を買って1万円でお釣りが返ってきた。
漁村の商店街を後にして、近くのファミレスでしばし休憩。
そこで友人は、感慨深げな顔をして、こんな事を言った。
「いやぁ、何か俺の中にはちょっとした説が浮かんでるよ」
「何の説?」
「漁港、っていうか、港にチョロQ有りって感じ?」
これは、彼がこの地方周りで玩具店を物色して感じた事らしく、
港付近にある店には、高確率で多くのチョロQを見つけられたと言う事だった。
確かに、僕も似たような事を思った事はあった。
漁港では無いが、海が近い所にある玩具店では、
何も買わずに店を出た事はほとんど無い。
海の近くに住む子供は、遊び方が違うから売れ残ってしまったのだろうか?
しかし、それよりも疑問に思う事がある。
漁港付近に何故玩具店があったのだろうかという事だが、改めて考えてみると、
港の玩具店は、子供の土産など買いに行く時間が無い、
漁師である父親の為の店だったのかもしれない。
港付近にある玩具店、今もまだあるのだろうか。