雨の音を聞きながら寝るのが好きだ。

雨の中を歩くのが好きだ。

夏の雨の音は、葉っぱに音が当たって跳ね返すような音を出す。

生地の薄い折りたたみの傘はまるで、葉っぱのよう。

ゲリラ豪雨だって傘さえあれば雨の音に包み込まれる特別な時だ。

電線の下を通れば大粒の雨がボツボツと降ってきて

一定のバラバラ言う音に違うリズムをくわえる。

足元はどんどん濡れていき濡れすぎて気持ち悪いのを通りこえ

心地よく感じる。

夏の雨は好きだ。

寒さをあまり感じないからだろうか。

ムッとする緑のにおいや土のにおい。

それこそ、アジア特有の雨。

日本らしい雨ではないかもしれない。

それでも、アジアに住めることが幸せに感じれる時。

水を含んだ足音も全てが優しい音に聞こえる。

自然の音は何でここまで開放してくれるのだろう。

何も話さなくていい。

思い悩まなくていい。

足りないものは何もない気がした。