川又崇功という男 | 「これはペンですか?」「いいえ、これは丸山正吾のブログです」





たかくは今回のドガドガプラスの主演です。

出会いは『浅草カルメン』ですから、丸々2年前。

第一印象は優しい、そして透き通ったガラスっぽい印象の男でした。

ドガドガプラスは五回目の出演で、5回中4回、劇中で死亡するという奇跡。
そのうち3回は"絶命シーン"がありました。

なんでぇ、毎回死んでるのかい!と思ったあなた!

絶命シーンを演じる俳優に必要な要素の1つは"色気"です。たかくにはそれに相応しい色気があるのです。

そんでもって、毎回本当に死ぬんじゃないかと思うほどのテンションで散っていきます。

最近のドガドガプラスを観てるお客様はきっと、たかくの絶命シーンをよく覚えてると思います。
記憶に残る魅力を放ちながら散っています。


なんだかわからないが、妙な色気があるんです、彼には。

今回の人形の家では彼が遂に主役。

身のこなしも、初めてドガドガに出た時からは想像もできないくらい成長しております。

かっけぇ!って思う瞬間がいくつもあります。

"学ぶ"という行為が好きか否かで役者の成長速度は大きく変わると思いますが、たかくの素晴らしい所は、学ぶことに対してとことん貪欲であるという所です。

次から次へと吸収する。

『今日できない』

が許せないんだと思います。直接聞いたことないのでわかりませんけども。

"今日できないことが悔しい"というのはとても大切だと思います。前もブログで書いたような気がしますが、僕は、役者というのはできないことを探して、できるよう努力するのが一等だと思ってます。

できてないことを、他の誰が許しても自分が許さないという感覚があると、すごく役者は素敵になると思います。

たかくは、できないままにしませんから稽古をしたらした分だけ良くなります。

今回の冒頭、たかくのシーン、ものすごく良いです。

もちろんオラとのシーンも良いですが、舞台上で1人で訥々と話すたかくが、なんだかとっても色っぽく、成長したとなぁとかいう身内の欲目を差し引いても『お、主演が出てきたぞ』って思います。

あと、望月さんの台詞はとにかく難しいのですが、オラとのシーンにしろ、独白にしろ、全部意味がわかる!これはすごいことです。

台詞が難しければ難しい程、お客さんからの信頼を勝ち得るのが難しくなります。

基礎能力というか、言葉を通す力がないと『ん?なんて言ってるの?』となってしまい、終いには『この人何言ってるかわかんないから聞かなくていいか』となってしまうこともあります。

ドガドガに限ったことではありませんが、難易度の高い戯曲と向き合うとき、役者はとにかく言葉と戦わなくてはなりません。
特に主役や、分量を多く抱えた役、時代背景を説明する役などは、全てのお客さんに過不足なく情報を伝えなければ作品が成り立たないと思います。

それをまだ若いたかくが実現していることが本当に凄い。
言葉を通すためには身体に負荷がかかったりもしますし、感情的なものとの両立も、とってもしんどい事ですが、たかくは稽古中盤あたりからどんどん言葉をモノしていき、本番が始まった今、本当に立派に主演を務めています。


ふとした瞬間の横顔、柔らかすぎるピュアな笑顔。
客席に面切って堂々と演じる姿。

たかくにしかできない、色気と軽やかさと太さを持った役になったと思います。




川又崇功を是非応援してください!!



全部書き終わって、『え?俺誰目線なの?』と思いましたが、まぁいいか。