塔ノ岳とどぶろく家
3月半ばに差し掛かる頃、
神奈川県丹沢の山の一つ、塔ノ岳(トウノタケ)に登ってきた。
標高1490.5m。ほぼ1500m級の山。
麓の小田急線「渋沢駅」からバスで15分ほど行った登山口は
標高300メートルほどらしいから、
塔ノ岳頂上まで標高差1200メートル。
一気に1200mの標高差を体験できる山は案外少ないらしい。
ここはいい修行の山だね。
登山客の中には高齢の方やインド出身(?)と思われる人が多く、
85歳の人もよく登るそうだ。
山小屋の方いわく、こまめに登っていれば、
膝さえやられなければ、山は80過ぎても登れる!とのこと。
(膝のヤバイ私はあと何年登れるのだ……?)
私にとって、登山の日、もっとも緊張するのは、
膝の具合よりも、お腹の具合よりも、
朝、起きられるか?
である。I’m not a morning person.
朝5時には家を出発……なんてことになると、
ビビってしまう。(←登山者失格?)
ひかも、朝はぼーっとしてしまうので、
予定通り電車に乗れても
乗り換えを間違えたり、電車が止まってしまったりするので、
集合場所にたどり着くまで気が気ではない。
山歩きの方がなんぼか気が楽ではある。
塔ノ岳山は人気の山で、登山客も多かった。
なので、標識もしっかりしていたし、
ここを歩けとばかり道が作られていた。
途中山小屋も点在しているから
トイレもある。
(……が、登山口のトイレ以外、
山の中のトイレは、使った紙などは持ち帰るように注意があったので、
なるべくトイレは入らないように登ったよ。
熊も怖いけれど、ヤマビルにも会いたくない。
夏がやばいらしい。
春浅い登山道に花はほとんどなく、
ずーーーーーーっと木の階段だったり、木道だったり。
木道は歩きにくいのだけど、下の地面を保護するために作られているので、
極力地面を歩かないようにしなければならない。
“ガレ場”っていうの? 石や小石がゴロゴロザラザラの道(?)も多く。
足をまっすぐ下ろさなければ、滑って転びそうだ。
麓から頂上までの間に山小屋が3つもあって。
こんな小さな山小屋でも、人が宿泊できるそう。
Tシャツなどの土産物まである。
↓
駒止茶屋。
さらに登ると、「堀山の家」や「花立山荘」などが続くのだが、
頂上まで行かず、途中の山小屋で止まって、ゆっくり登山を楽しむという手もあり、かも。
登り続けて脚が重くなってきたころ、
左(西側)を見れば富士山が顔を見せてくれるようになる。
朝早くから頑張ってこそのクリアーな山々の姿!
昼になると雲がかかったり、空気が霞むようで、
山はやはり朝一で登るのがよいようだ。
くっきり富士山に励まされつつも、
しかし、足が、足が、足が重たくて、
次なる一歩がなかなか踏み出せなくなってくる。
足が重くて動かせない~!と感じたのは久しぶり。
しかし、マイペースでそれぞれ登ろうと言ってた山仲間さんたちは
遅い私をさりげなく待っていてくれるのであった。優しい。
足はヘトヘトでも、食欲は衰えない。
山小屋の食堂の「かき氷」や「コーヒー」が魅力的なのだが、
お腹を冷やすといけないし、あまり余分な水分も危険……。
宿泊する時に味わいたいなぁ。
頂上は広~い。
気持ちいい~。
けれど、昼近くなった頃だったので、
富士山はかなりぼんやり霞がかかって見えた。
やはり早朝の登山の方が、富士がくっきり見える。
姿を見せてくれた鳥はカラスだけ。
フキノトウ?
お昼を食べてから、来た道を戻る。
無事に麓までたどり着いたら、
行きには気づかなかった店を発見。
店先で美味しそうなシイタケを試食させてくれるので
引き寄せられたのだが、
このお店が「どぶろく家」とな。
どぶろくを作るために店まで作っちゃったらしい?
手のひらほどもある大きな立派なシイタケが売られていた。
これを試食させて頂いたのだが、美味しいこと!
思わず購入してしまった。(たっぷり入って一袋500円)
大きなシイタケは美味しいね~。
(山友さんの手のひらほどあるシイタケ)
お店の中で頂いたお手製の梅ジュースと
鹿肉のバーガー? ってか、アメリカンドックっぽかったけど。
どちらも100円(だったかな)。
なんとお皿まで店主の手作りらしい!
お店も店主の手作りらしい!
楽しそうだね~。
こんなお店に出会えることも登山の楽しみであるね。
おまけ情報:
降りてきた道の右手に、「堀山下高区配水場」なる建物があって、
その門の脇に自由に飲める水道があった。
丹沢の山の恵みで秦野の水は名水として知られているらしい。
水道水ではあるものの、その名水を自由に飲むことができた。
登山の後の一掬の水も、また美味し!
丹沢の塔ノ岳、また登りたい山である。