外から聞こえてくるパタパタという音に呼ばれるようにして、朔は縁側へと足を運ばせた。
その後を追ってきた黒龍の小さな手を握り、一緒に外を見る。
「雨が降っているのかと思ったけれど。
「降っていないじゃないか。」
「ええ、そうね。降っていないわ。」
第一今は雪の季節だった。
あちこちでは雪解けが始まっているとはいえ、まだ春の気配は遠い。
先刻の音は、庭の木のしずり雪が落ち弾ける音だった。
「・・・ここは寒い。」
くいと引く手が気遣わしげに奥へとさそう。
「そうね。・・・中に入りましょうか。」
自分を見上げる黒龍に微笑みかけて、外に背を向ける。
すると、今度はその場から動こうとしない。
「どうしたの?黒龍」
変に思って首をかしげると、黒龍は小さくこぼした。
「寒いが・・・風に触れるのも良い。」
どこか入り辛そうにしていた朔を気にしてのことだろう、
ふいと顔を背けながらも励ますように強く握る手に、こちらも力をこめかえした。
きっととぼけるだろうから、けしてありがとうは言わないけれど
その優しさに感謝しながら、朔は部屋に戻ろうとしていた足をまた外にむけた。
「・・・じゃあもう少しだけ、ここにいましょうか。」
青々とした寒空を見上げながら、
朔は隣にいる幸せのカタチをかみしめ、その空の向こうへと帰って行った親友に
ありがとう、とつぶやいた。
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リクで朔ED後、朔が望美を思う でした。
わざわざ携帯に(しかも深夜に)リクありがとうございました(とげがある、とげが)
でもここのアドレス教えてない。あはは。
などともろもろの事情がありまして、この作品はフリーになります。どうにでもしてください。
(誰もいらないよ)
駄文ですみません。
雨=望美というわけではないけれど。
あ、望美が来たんじゃないかしらみたいな、自分でもわかっているけど思っちゃう寂しさとか。
そういうのを表したかった作品です。一応。頑張れ自分。精進します。