「中島みゆき『命の別名』に思うこと~中島みゆき作品解説5~」S2958

 

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◇更新履歴
V1.0:2015.05.07 初稿
V1.1:2017.11.26 追記

V1.22018.7.30 7/28 TBS「サワコの朝」木下ほうかが紹介

V1.32019.1.05 最新エディタにて記事を作成、旧記事と差し替え

V1.52019.4.29 両A面扱いシングルについて

V1.6:2020.9.11 👑の付与、歌詞の掲載

※アメブロはJASRAC管理楽曲の歌詞掲載が可能です

V1.7:2024.03.29 演奏実績を追記

V1.8:2024.4.30 中島みゆき展の画像を掲載

 

■ 「命の別名」編曲者:瀬尾一三(シングル、アルバムVer共)

1998年2月04日発売の35枚目のシングル(両A面扱いシングル「命の別名/糸」)。

1998年3月18日発売の25枚目のアルバム『わたしの子供になりなさい』の3曲目(全10曲)

 

・TBS系列ドラマ「聖者の行進」の主題歌および挿入歌(1998年2月6日放送の5話から9話)


◆ミュージシャン

・シングルヴァージョン

01. ドラムス:大久保敦夫、 青山純

02. ベース:後藤次利

03. ギター(E.G):井上堯之

04. ピアノ:中西康晴

05. プログラミング:浦田恵

・アルバムヴァージョン(後日、追記)

 

◆演奏実績

01.1998年 CONCERT TOUR '98  

02.2007年 中島みゆきCONCERT TOUR 2007 

03.2015年 中島みゆきConcert「一会(いちえ)」2015~2016 

 

◆2019.4.29 夢野旅人

両A面ではないのではないか、というコメントを頂き調べました。
確かにオフィシャルHPを見ると「命の別名」となっています。
またシングルジャケットにもC/W「糸」と明記されています。
しかしながらリリース初週のオリコンチャート(12位)を見ますと「命の別名/糸」の表記となっています。


スラッシュ表記でタイトルを複数表記する場合は両A面扱いを意味します。
なので、完全なる両A面ではないとしてもリリース当初から両A面という扱いだと自分は考えております。
(ドラマ「聖者の行進」で第五話以降まで「糸」が使用されていたことにも何らかの一因があるのかもしれません)

 

ですので、私のブログにおいては表記は、両A面シングルから両A面扱いシングルと修正いたしました。

大変勉強になりました。 

ご指摘ありがとうこざいました。

 

◆2017.11.26 夢野旅人

昨日。24日のページ別アクセス数のトップがこの記事でした。

二年半前に書いた記事に何故と調べた。

するとその日、「ものまね王座決定戦 2017」で、女性ものまね芸人・みはるが「命の別名」を披露していたことがわかった。

 

ネットにとって代わりつつあるテレビだが、まだ影響があることと、

中島みゆき本人の歌唱ではなく、

モノマネであっても、

この歌に興味を抱く人がいることは、

作品の力を物語っているのでしょう。

 

◆2015.5.7 夢野旅人

1992年にアルバム『EAST ASIA』で発表されていた「糸」と、

 

 

新曲の「命の別名」。

 

TBS系列ドラマ「聖者の行進」(1998.1.9~全11話)の主題歌として共に起用された。

「命の別名」が主題歌として使われエンドロールにクレジットが打たれたのは、シングルの発売後である1998年2月6日放送の5話から9話。 ただし、後半もインストで挿入歌として使用されている。


中島みゆきがドラマのために書き下ろした新曲であるが、

「落合真司は神戸連続児童殺傷事件(1997)を歌っているのではないか、と著書で述べている」と、ウィキペディアにある。


ドラマの主題歌として、ミリオンを記録した「浅い眠り」(1992)や、「空と君とのあいだに」(1994「家なき子」)、「旅人の歌」(1995「家なき子2」)。 

 

 
 
 

最近、「糸」が若い世代では中島みゆきの名曲として再評価されているが、

視聴率平均20パーセント越えのドラマの主題歌にも関わらずセールスは約16万枚でウイークリーチャートのTOP10(最高位12位)に入らなかった。

 

「聖者の行進」は、野島伸司の脚本で、純粋な心を持つ知的障害者たちのフィルターを通して現代社会を描いた作品。

「同情するなら金をくれ!」。

流行語を生んだドラマ「家なき子」の原案・企画も野島伸司であるが、「聖者の行進」ほどのシリアス感は残らない。

 

「命の別名」は、中島みゆきの曲の中でもヘビー級。

叫びにも似た渾身のストレート(解釈は難解)といえる作品。


「浅い眠り」と比べても何ら引けをとらない名曲であり、

個人的には、「空と君とのあいだに」や「旅人の歌」よりも秀作だと思う。


ただ、
「空と君とのあいだに」って「犬の歌なんだよ(本来は、動物のように地べたの低い目線から世の中を見つめて書いたという意味)」と、会話できるくらいの遊びがないと、中島みゆきフリーク以外の聞き手の多くにとって辛いのだろう。

人の心と命がテーマだけに、大衆的にはヘビーすぎるのだろう。


~ああ二人 気づかない 

失ってみるまでは 誰が一番ほしい人なのか

何が一番つらいこなのか(浅い眠り)~

 

失恋ソングの体をなしながら、

人生の様々な別れを感じさせながら、

感情移入、自己投影に誘う作風のほうが、大衆に受け入れやすい。

 

カラオケで「浅い眠り」を歌う若い女子社員はいた。

でも、流石に「命の別名」はね(個人的には大受けだけど)。


それが(「糸」は既発の曲だったけれど)、

16万枚程度のセールスでとどまった要因のひとつなのだろう。


そんな人の心と命を歌った、突き詰めれば、

彼女の作品全てに宿っている人間愛溢れる「命の別名」。


僕の解釈で歌詞を紐解いていくと、

-------

知らない言葉を覚える度に大人に近くなっていくが、

最後まで覚えられない言葉ある。

それは、誰もが未完のまま終わる人生のようだ。

 

凡庸に生きて、夢見た者にもなれず、

誰かに、何も、与えられず、

ひとり消えゆく僕だけど、


僕の存在に気づいておくれ。

僕を求めてくれないか。

 

せめてお前たちは、

僕と一緒に生きてくれないか。

 

こんな名もない僕でも生きています。

心が、痛みを感じるんです。

心が、涙を流がすんです。

名もなきあなたもそうでしょう。

 

きっと人が生き続けるということは、

心が生き続けるということなのだろう。

 

なのに、僕らは心を無碍にする。

誰かの心を傷つけ殺してしまう。

そんな過ちを繰り返して、自分の心まで殺していく。

 

せめて、お前たちは誰も傷つけないでおくれ。

----------

 

なんか、そのままの替え歌のようになってしまいましたが・・・。

冒頭から、そして、

凡庸に生きて、夢見た者にもなれず、

誰かに、何も、与えられず、

ひとり消えゆく僕だけど、

 

と、きこえる歌詞は、それら、すべてを手にした人はいるのだろうか。

と、云っているようにもきこえる。

 

少なくとも、

手に入れることができた人も、

できなかった人も、心の奥行きは無限大で、命の重さは同量だろう。

何も恥じることなどないのよ。

そんなにあなた自身を、卑下することはないの。

 

全体を通してきくと、

そう彼女が云ってくれているようにきこえてくる。


また、

僕の存在に気づいておくれ。

僕を求めてくれないか。

せめてお前たちは、

僕と一緒に生きてくれないか。


そう思わせる歌詞は、

推測であるけれど、

~ひとりでも私は生きられるけど

でもだれかとならば人生は はるかに違う~


と歌う「誕生」にも言えることだけど、

ひとりで生きようと決めた中島みゆきだからこそ書ける心情なのだと思う。

 

もしも、誰かと家庭を育んでいたら、

きっと生まれてこない歌詞だと思うのだ。

 

そして、「お前」とは、実際の歌詞を確認してくれれば分かりますが、石、樹、水。

 

(もしかしたら樹木にも、心があるのかもしれないけど、)

心ある人間だけが、心ある人間を傷つけ殺しあう。

 

もしかしたら、

落合真司が、神戸連続児童殺傷事件を歌っているのではないかと著書で述べている、

加害者少年の生んでしまったのも、この人間社会だという思いもあったのだろうか。

 

人が生きるということは、人間の心は、厄介で罪深いもの。

 

~繰り返す 悲しみを照らす 灯りをかざせ

君にも 僕にも すべての人にも~

 

そんな現実にどうか、目を逸らせてはいけない。

そんな叫びの唄のように、自分はきこえるのです。


一筋縄ではいかないからな、彼女の愛の唄は・・・。

長すぎるし、分かりにくそうだし、

ボツにしようと思いましたが、 昼食飛ばして書いたので、残しておきます。 

 

◆歌詞及びオフシャル動画・音源

知らない言葉を覚えるたびに
僕は大人に近くなる
けれど最後まで覚えられない
言葉もきっとある

何かの足しにもなれずに生きて
何にもなれずに消えて行く
僕がいることを喜ぶ人が
どこかにいてほしい

石よ樹よ水よ ささやかな者たちよ
僕と生きてくれ

※くり返す哀しみを照らす灯をかざせ
君にも僕にもすべての人にも
命につく名前を心と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

たやすく涙を流せるならば
たやすく痛みもわかるだろう
けれども人には
笑顔のままで泣いてる時もある

※2 石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

※くり返す哀しみを照らす灯をかざせ
君にも僕にもすべての人にも
命につく名前を心と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

※2 石よ樹よ水よ 僕よりも
誰も傷つけぬ者たちよ

※くり返す哀しみを照らす灯をかざせ
君にも僕にもすべての人にも
命につく名前を心と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

命につく名前を心と呼ぶ
名もなき君にも 名もなき僕にも

  


 
 

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