届かない思い 28 | ネガティブ、アナログ人間

ネガティブ、アナログ人間

東方神起のユノとチャンミンが大好きです。
二人のあまりの格好良さに、二次元の世界のようで、日々妄想しています。
ここにでてくるお話は、あくまでも妄想であって、本人達とは、全く関係ございません。

基本アナログでネガティブです。



二人がお似合いなのは、一目瞭然。

華奢なソジュさんが女装した姿は、知らない人が見れば、可憐な女の子だ。

「チャンミン、可愛い。よく似合うよ。」

声をかけてきたのはソジュさんだ。

ユノさんは、とっさに目をそらした。

僕に会いたくなかったんだ。

「ソジュさんこそ、、、。」

僕は悲しい気持ちをふりきってこう口にした。

「二人ともよくお似合いです。」

「ありがとう!」

ソジュさんは、見せつけるように、ユノさんの腕にしがみつく。

「こら。」

「ふふふ。ごめんなさい。」

こんなとこで、じゃれあってる二人なんか見たくなかった。

「会場行かないの?」

「ちょっと、忘れ物しちゃって。」

このまま、一緒に会場に向かう気になれず、忘れ物したふりをして、控え室に戻る。

後ろから、うさぎ役の女性があとからついてきた。

「何忘れたの?」

「すみません。先に行っててください。」

「あなたと一緒じゃないと、何の兎かさえ、わかってもらえないわ。」

「あ、、、はい。」

控え室に戻っても、忘れ物なんてない。

僕は鞄から忘れ物を探すふりをするはめになる。

「見つかった?」

「い、いえ。」

「何を忘れたの?」

そんなこと聞かれると思わなくて返答に困る。

「えーと、、、あの、、、。」

「初めからそんなものないんでしょ?」

あまりに図星で、動きが止まった。

「チャンミン君って、わかりやすいね。」

「な、何がですか?」

僕がユノさんを好きなことを気がつかれてしまったのだろうか。
変な汗が吹き出した。

「ごめん、ごめん。若い子をからかっちゃって。」

うさぎ役の方は僕にハンカチを渡した。

「汚しちゃうから。」と、返すと

「返さなくていいわ。あげる。」

と、僕の手に握らせた。

「すみません。」

「大丈夫。秘密にしてあげる。お姉さんに何でも相談しなさい。」

「は、はあ。」

きりっとした綺麗めな顔立ちのその人をどこかでみたことがある。

役者さんで、わりとくせのあるわき役が多い方だ。

どちらかというと、悪役的なものが多かったような。

ドラマなどは、あまりみない僕だが、テレビで母が誉めていたことがあって、覚えている。

「私、口は固いから。」

「いや、そんなんじゃなくて。」

「あなたのお母さんのこともよく知ってるの。これでも、昔はモデルだったのよ。あなたのお母さんに憧れて入った一人。
でたての頃、やさしく指導してもらったわ。」

「は、はい。」

わかってはいたが、この業界で、トップをしてきた母の知り合いはたくさんいる。

「私ね、バイセクシャルなの。」

「へ?」

「まあ、この業界には多いけど、あなたのお母様に本気で恋をした一人。まあ、相手にもされなかったけどね。」

僕は突然のことに言葉を失う。

「何、ぼおっーとしてんの。忘れ物のなんかないんだから、行くわよ。」

そう言ってドアを開け、待ち構える。

僕がドアを出る瞬間、背中を叩かれた。

「猫背はだめよ。堂々としてなさい。あなたは、綺麗なんだから。」

僕は胸を入って会場に向かう。

与えられた役目を果たすために。