未来色スケッチ -4ページ目

ひとりでできるもん!2015富士登山その6・富士山ホテルで過ごす夜


本日のお宿となる小屋をめざし、最後の登りにかかります。



少し雲が晴れて、ようやく山中湖がチラ見え。


八合目の上にあたる、本八合目の小屋が見えてきました。
なんとか日が暮れきる前に着けそう…いける、これはいける!


とーちゃく!!


18時過ぎ、無事富士山ホテルに到着しました!
目標としていた、ヘッドランプなしで登れる明るさのうちの到着も叶いました。
チェックインして荷物置いたりした後に撮ったから、写真ちょっと暗いけど…。


御来光館まで行ったとしてもギリギリ間に合ったかも。
小屋に着いて荷物置いてちょっと休憩して、夕焼けを見るくらいの余裕はありました。


富士吉田ルートの中でも収容人数が多く、建物もそれなりにでかい。
日が落ちて気温もじわじわ下がってきたので、さくっとチェックインしてしまおう。


この小屋の前はもちろん通り過ぎたことはあったけど、小屋に入るのは初めて。
ちょっとドキドキしながら受付へとむかいました。

この日予約しているお客さんの半分くらいが到着しているような感じ。
宿泊料金は、一泊朝食のみで8250円。ここの小屋ではカード払いもできるようでした。
週末料金なのでちょっぴりお高いですが、富士山の山小屋としては妥当な料金です。

夕飯なしの朝食のみの予約だったので、夕飯はどうしますか?と聞かれました。
カレーとカップラーメンくらいしかないけど…ということだったのですが、
少し迷ったけど手持ちのパンで夕飯を済ませることに。
富士山でカレーを食べる、というのは一種の憧れでもあるので
本当はすごくすごく食べたかったんですけども…!


やっぱり、山で出される食事は誰かが担ぎ上げて(実際はブルドーザー使ってるけど)
作ってくれるものだし、完食することがマナーなのかなぁと思っていまして。
お腹は空いてたんですけど、完食できる自信がなかったのです…チキンめ…。


高所で満腹になるのが怖いというのもあるし、出された食事に手をつけられずに
謝って下げてもらった時の申し訳なさといったらなかった。
また気持ちにも、体力的にも余裕ある時に食べよう。
富士山の山小屋ならどこでもカレー食べられるしさ。

ここの小屋、正直あまり期待していなかったのですが、思っていた以上に良い小屋でした!
富士山にありがちなぞんざいなスタッフも見当たらず、元気が良くて対応も丁寧。
お客さんの数が比較的少なかったのが良かったのかも。
お客に対してサービスするのが当たり前だろうよ、という人もいるかと思いますが、
前に泊まったところよりもバタバタしてなくてよかったですよ。オススメです。
お手洗いは小屋の外ですが、一旦外に出るのが気分転換にもなります。

ここの小屋のいいなぁと思ったところが、食事をするフロアと寝るフロアが分かれていること。

御来光館は二段ベッド部分以外だと、食事するスペースを一斉に片付けて布団を敷くので、
食べるのも追い立てられるようで落ち着かないし、布団敷いてもらわないとくつろげない。
出入りがあるたびに扉から冷たい空気が入ってきて、ずっと寒い。
その点、富士山ホテルはいつでも食事できるし、就寝スペースにも出入り自由。超ぬくい!
フリースとダウン着込んで寝る必要なんて全然ありませんでした…天国や…。
建物がいくつかあるのですが、今回案内されたスペースは
たまたま第一ホテル(受付&食堂がある建物)だったのでラッキーでした♪


(他の人に迷惑にならないように…と思ったらぼやけた写真しかなかった!涙)
中は二段寝室で、埋まっているのは8~9割といったところかな。
私が着いた時点ですでに眠っている人もいたけど、山頂でのご来光を目指すなら
早めに就寝しなければいけないですしね。
遅れて到着する人もいるので少し落ち着きませんが、眠ったもん勝ちなので。
寝たい人はいつでも寝られる、これ大事です。

前回の富士登山で一枚の布団を他人と分け合う雑魚寝を体験しているので、
一人一枚毛布があるのも有り難かったし、
荷物掛けも各ベッドのすぐ上で荷物整理もしやすい。
私はお隣が外国の方だったんだけど、スペースはみ出してきたりしたら
遠慮なく言ってくださいね、ってスタッフさんも気遣ってくださって、
すごく快適でした…前回の雑魚寝が底辺だったのだろうか。。。
前回はツアー登山だったので宿泊料込みの申し込み料金だったけど、
公式に出ている料金プランを見る限り、富士山ホテルはなかなか悪くないようです。


この小屋は、アニメ「ヤマノススメ」の富士山の回で、
高山病にやられたあおいと付き添ったかえで先輩が泊まったところ。
食事をするシーンはまさにここでしたね。(角度ちょっと違うけど)
期せずして一人聖地巡礼。富士登山前に確認したもんね(笑)。



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食堂も混雑することなく、時間をずらしておのおのが休憩できるので
みんなのんびりと過ごしておられました。
だいたいの山小屋から夕焼け見えるけど、ホントきれいなのでおすすめ。


軽く食事をすませて、荷物整理したりお手洗いに行ったり、眠くなるのを待ちます。
元々不眠持ちなので化学にも頼りますが(←ぉぃ)、
軽い興奮状態にあるので、なかなか眠れないものです。
富士山に登るのは8月末頃を予定していたから、この日にむけてのトレーニングは
何もしていなかったし、身体も疲れてはいるのですが…。

晴れていれば見える星空、天の川…も、あいにく薄曇りの空だったので感動もなく。
5合目に泊まった時なんてあんなに天の川も流れ星も見えたのに…
翌朝ご来光が望める可能性も低くなってきて、テンションやや落ち。
こればかりは仕方ないけど、悪天候の日に登るよりマシだよね。
というか、悪天候の富士山なんて登るべきじゃないよね…うんうん。

幸い電波も入るのでツイッターを見たり、写真を撮ったりしていたところ、
電池の残量がぐいぐいと減っていることに気が付いて、充電しようと思ったら。

……Lightningケーブルが、ない…!


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予備バッテリーはしっかり充電してきていたのですが、
なぜかポーチに入っていたのはmicroUSBケーブル。
おい、ルーター使わないのになんでmicroUSB入ってんだよ!
ってすかさず自分にツッコミを入れるも空しく、泣く泣くiPhoneの電源を切ることに。
今切っておけば、なんとかご来光くらいは撮れるかも…うっ、私のばか……

一番大事なシーンでバッテリー切れという悲しみに暮れることが二度とないよう、
予備ケーブルをバッテリーとセットで入れておくことにしましたとさ。ちゃんちゃん。
…終わりじゃない。まだだ、まだ終わらんよ!

ひとりでできるもん!2015富士登山その5・私が8合目に泊まる理由


西日VS鈍足

7合目の小屋密集地帯を抜けると、
小屋の間隔が開いて歩く距離が長くなっていきます。

高度が上がるにつれて気温もじわじわ下がってきますが、
それでも日差しが暑い!
8月中旬という一番暑さが厳しいであろう時期を選んだので仕方ないんですが、
汗をかくのでこまめに水分補給します。
…なぜかハイドレーション使わなかった私。バカか。


ひんやりとした風が吹き上げてくるのに救われましたが、
午後の富士吉田ルートは遮るものが何もなく、西日が容赦なく照りつけるため、
極力体力を温存できるペースを守りました。
今思えばもう少しペース上げられたかも…とは思うものの、
高山病ダメ!ゼッタイ!な私にとっては安心安全に登れるペース。
鈍足でもいいの。体力ないんだもの。


有り難かったのは、登山道が比較的空いていたことでしょうか。
空いてるっていってもこれだけ人いるけども(苦笑)
完全ストップしている人を抜くスペースもあり、
後ろの人に追われて登る必要に迫られなかったのがまた幸いでした。
ぴったりついてこられると、「うわー遅くてごめんなさい!先どうぞ!」って焦るしね。



空が…青い…(そして飛蚊症を思い知る)

ちなみに、ツアー登山の方々もたくさんいらっしゃいましたが、
それでも団体の数は以前登った時よりは少なく感じました。
初心者オススメの「ツアーの後ろにくっついて登れ!」を実行しようかとも思いましたが、
やっぱり自分で休みたい時に休みたいなぁと思って、マイペースで歩くことにします。
最終的には、ツアー何団体か追い抜いていました。


なぜ8合目なのか

さて、富士吉田ルートはルート上に小屋の数がもっとも多いことで知られていますが、
その中で私がなぜ8合目を選んだのか。いくつか理由がありました。

1.楽してご来光が見たい

前回富士登山の時に、山頂でご来光を見ようとして大渋滞に巻き込まれ、
結局9合目の先でご来光の時間を迎えてしまったことを思い出しました。
早朝にできるヘッドライトの隊列はもはや富士登山名物ですが、
なにしろ日がないので寒い!
これも自分で体験してわかっていたことでした。

まあでも富士山行くからには、ご来光は見たいよね…。
以前書いたように、富士吉田ルートは5合目からでもご来光が見られるわけで…


過去記事はこちら。

つまり登らなくても見られるわけではあるんですが、バカは高いところが好きなので、
どうせならちょっとでも上から見よう。
でも早朝の寒い中ヘッドランプつけて渋滞に加わるのが嫌だ。なんか嫌だ。

そうだ8合目!
という安易な発想です。やる気が感じられないとお思いかもしれませんが、
そう…私最初は山頂まで行く気がなかったのであります。

2.8合目からなら下山も可能!

初めて登った時に泊まったのは、8.5合目の御来光館でした。
8合目の小屋連続地帯の終点にあって、富士吉田ルートの中では
一番山頂に近い小屋なのですが、富士登山を決めたのがあまりにも直前すぎて
小屋の予約が取れなかったんですよね…。

富士山の小屋は激混みでおなじみ、他の小屋に泊まったことがない私にとっては
すでに泊まった経験があって小屋の勝手もわかっているほうが
安心できるし…と思っていたのですが、時すでに遅し。
富士吉田ルートの中ではかなり人気が高いので、これはもう諦めるしかない。

行っても「泊まれません出てってください」とは言われないだろうけど、
御来光館は山頂でのご来光を目指す人がほとんどだから、
なんやかんやで深夜に出発する羽目になりそうです。(前回がそうだった)

一人でふらっと行くだけだし、山頂でも8合目でもたいしてご来光変わらんでしょ…
あ、あれ。だったら8.5合目とかこだわらなくていいじゃん。
だんだんダメ人間プランに逃げてゆく私。

富士吉田ルートに行ったことがある方ならピンとくるかもしれません。
通常は登山道と下山道が分かれているのですが、
8合目付近でほぼ合流する箇所があるのです。

登山道は登り専用というわけではないので下っている人も見かけますが、
やはり少数派で、基本的には登り専用というムード…
がんがん登ってくる人たちを交わして、岩場含むルートをすいすい下りられるのか…
いや、無理でしょ。たぶん無理でしょ。

だったら下山道へのバイパスを使わない手はない!
8合目から上は登らない、ってことにすれば、ご来光も見られるし、
苦しくなる山頂付近のルートを端折って下山ルートも大幅に短縮。
…あ、これおいしいトコ取りなんじゃないの。いいんじゃないの!

というわけで、8合目の小屋の空き状況を確認。
やはり人気のあるトモエ館や東洋館、白雲荘あたりは空きがなく、
富士山ホテルという小屋を予約しました。

3.高山病の恐れが少ない

これも大事なポイントです。
高度が上がれば上がるほど酸素が薄くなるので、
高山病にかかりやすい人は高度が低めの小屋がいいんだそうです。

寝ている間は呼吸が浅くなりやすいので、寝て起きたら高山病に…
という人もいて、以前8.5合目に泊まった時はそれが怖くてろくに眠れなかった。
朝起きた時の体調が悪かったらもう下山するしかないし、
少しでも安全(そう)な小屋に泊まりたい…

という理由もありつつの、出発前から若干消極的なプランでした。



標高3000mを超えると、段差が、階段も全部きつい。痩せれば少し楽になるのか?


山頂に登るだけが富士山じゃない、は私の口癖ですが、
本当にそう思ってます。今でも思ってます。
5合目でも8合目でも富士山は富士山だし、自己満足の世界なんだからいいじゃないの。



完全に雲の上。気持ちいい!



あれこれ考えながら、だらだらと登る間に日が傾いてきました。
前回は8合目に差し掛かるあたりからペースダウンして、
結局ヘッドランプを使わなきゃいけない状況になってしまったけど、
今回はヘッドランプなしで小屋にたどり着くのが目標。
…8.5合目と8合目は近いようで大きな違いがあるので
今回の目標のほうがだいぶゆるいという話もありますが。。


まだまだ続くよ!

ひとりでできるもん!2015富士登山その4・雲の上でもスーパードライ


前回の更新から気が付けば3か月…1シーズン!
(しかも前回は告知?だけという)
お久しぶりすぎてどこまでUPしたかわからなくなって
必至に自分のブログ読み返しておりました。

なぜ困っているかというと…
あまりに間が空きすぎて、下書きが行方不明になっているからです。
途中までせっかく書いたのに…と思って探してみたのですが
たぶんどこかに埋もれてしまって見つかりそうもないので、
瀕死の記憶に鞭打って続きを書きたいと思います。
こうなる前に下書きUPしとけばよかったのよね。。。

時は2015年8月14日。


…私ですらもう日程忘れてたよ!とりあえず写真の撮影日時見返した!!


ななごーめ!


前回の記事を見ると、七合目に向かってる…的なところで終わってるっぽいので
七合目あたりの記憶を掘り返します!ザクザクッ。


…と言いつつも、ここから先、あんまり書くことなかったんですよね…
そう、それで下書き書く手が止まったのだった。
なぜなら、高山病を意識した歩き方にあまりにも集中しすぎて
他の記憶があんまりないからです…笑うしかない…いや、笑えない。

といっても「なんだオチがコレかよサイテーだな!」って言われたら癪なので
写真をまじえて振り返ってみたいと思います。


七合目付近まで上がると、だいぶ晴れてきました。
雲の上に来た感が出てくるあたりで、初めて登った時は
「うおー雲の上だ!」っていう感動があったような気がするんですが、
今回は「うん、知ってる…だいたい雲の上出るよね…」みたいな。。
一人だと冷めたもんです。
クールなのではなく、極めてドライ。スーパードライ。
まあでも気持ちいいもんですよね。雲の上大好きです。


晴れたりガスったり、本当に刻一刻と天候が変わります。
前回登ったときは雨がぱらついたりもしたけど、今回は雨とは無縁でした。


だんだんと岩ゴツゴツの箇所が出てくるので、焦ってコケないように慎重に。


ちょっと息があがってきました。とにかく深呼吸、深呼吸。鬼のように深呼吸。


七合目ではクリームパンを必死に売り込んでいました。
限定です!もう売り切れちゃいますよ!的な文句で
巧みに登山客の足を止めていましたが、
私は甘いものを食べている余裕ないので全力スルーで…


そして、毎回(といっても2回目だけど)思うのが、小屋の手前の岩場がきつい!
岩場っていってもちょっと岩ゴロゴロしてるだけで、
ストック使わない方が登りやすいかなーっていう程度のゆるい岩場なんですけども。
やっぱり酸素が薄くなってくる(気がする)ので、ちょっとペースを上げると
すぐに息が上がってしまうので、だらだらとペースを落として登ります。

それこそ世界遺産登録がーとか言ってた頃のお盆時期って
富士登山ブームで大行列ができてたりしたものですが、
今年は混雑を想定して行ったらなんか拍子抜け。
っていうくらい、人が少ない。あれ~お天気いいお盆なのに?みたいな感じ。


ところどころ渋滞も発生しますが、ストレスになるほどでもなく。

山小屋のを予約するにあたって、オンラインレベルですが一応混雑状況も確認しました。
8合目から上は、あんまり評判がよくない…名前は伏せますが…なところと
他がぽつりぽつりと空いてるかな、というくらいで、7合目はけっこう空いてましたねー。
人気のある小屋はそこそこ埋まってましたが、
予約なしで行ってどこも泊まれない!なんてことはなさそうです。


私は安心感を優先させて事前に予約して行きましたが、
宿泊予定の小屋は8合目。まだまだ遠い…大丈夫なのだろうか…。



登っていることに対しての感動はあまりないけど、何度も何度も下界を振り返りました。


今や、家にいながらにしてストリートビューで富士登山が楽しめる時代。
高山病の心配などしなくても、クーラーの効いた部屋で
だらだらとパソコンの前に座っていても、
富士登山気分が手軽に味わえる…のはわかっています。
私だって運動得意じゃないし、元々インドア派なので
(↑これ未だに否定されるんだけど本当は!)
わざわざ苦しい思いしに山梨くんだりまでやってくるなんて…って思うこともあります。


それでも来てしまうのは、やっぱり自分の目で見られる景色がすばらしいからです。
富士登山シーズンになると必ずTVや雑誌で特集組まれるし、
そもそも絶景なんて富士山じゃなくても別のところからでも見られるのかもしれないけど、
私は自分の足で富士山の斜面に立って、富士山から見下ろす景色が見たい。
もうそれだけなんです。…それだけでよく富士登山するな、って気もするけどな!(苦笑)


多少つらくても、登って見る価値がある風景だと思うのです。
ただ…この時、アホみたいに写真を撮ってばかりいたために
この後泣くことになるとは微塵も思っていなかった、愚かな私なのでありました。

つづく。