先日、年下の従姉妹の結婚式に出席した。

 

そういえば最近結婚式に出席することも少なくなって久しい。

 

それほど歳が離れているわけではないのだが、娘が10歳にもなると、もう新郎に感情移入など出来ず、従姉妹の父である叔父さんの気持ちばかり考えてしまう。

 

私にも似た頑固な叔父さんで、年下の新郎と結婚すると言った従姉妹を、時代錯誤なことに、勘当するしないという話までやったそうだ。

 

きっと、自分が考えていたレールから外れた娘。少なくとも立派な男を連れてくるだろう(それでも嫌だが)という信頼を裏切られた気持ちとか、もうなんか、あーでもないこーでもないという葛藤とかいろんなものが爆発して、多様性に満ちた現代の恋愛や結婚を理解していたとしても、耐えかねたということなのだろうと想像したりした。

 

従姉妹との記憶は、ちょいど従姉妹がうちの ゆずネザーランド・ドワーフか みかんうさぎくらいの歳のときのことだ。

小学生のかわいらしい年下の親戚。私も一応男の子の端くれだから、かわいいな~。守ってあげたいな~みたいな幼い父性に近い気持ちを持っていた気がする。

 

そんな女の子が成人して結婚するってのはもう、みかんうさぎや ゆずネザーランド・ドワーフに重ねずにはいられず、危うく何度も泣きそうになった。

みかんの結婚式とかもうどうなっちゃうんだ?新郎にみかんを手渡しとか無理じゃね?いや、無理だ。殴るわ。とりあえず殴っちゃうわ。

チャランポランなやつなんて連れてきたらどうすればいいんだろう?むしろ鬱病になってしまいそうだ。ヤバイ。ヤバみが深すぎる。

っていうか、この時点に至るまでの紆余曲折を想像するだけでパニックになりそうだ

 

 

ふと我に返って、新郎のプロフィールを聞いていると、彼は今、私がちょうど結婚した年齢だった。

 

娘を嫁にやる父親に感情移入なんてしている私だが、ほんの10年くらい前、目の前にいるチャラチャラした新郎と同じだったんだろうと思い、今度は急に新郎に興味がわいてきた。

 

従姉妹が見込んだ男なんだからと言葉をいくつか交わしてみると、意外としっかりと人の目を見て話せるし、曲りなりに礼儀もしっかりした男だった。嫌いじゃない。むしろ俺に近いじゃないか。

 

紆余曲折あって矯正されたのか、元からそうなのかは分からないけれど、少なくとも意思のある瞳をしていた。さすが我が従姉妹。

見る目あるじゃん。

 

 

気に入ったので帰り際、彼に一つアドバイスをした。

 

結婚式は「覚悟」だよ。と

 

 

そうだ。俺は10年前に曖昧だけど絶対の誓いのもと、「覚悟」を決めたんだった。

まだまだ、新婦の父親に感情移入なんてしてられないぜ。