あたしの風俗体験の究極と言えるのが




飛田新地。









あたしの住んでる田舎にも

遊郭がある。


らしい。






行ったことないけど

学校の先輩と行こう行こうって男子高校生みたいなこと言ってて







あたしも座ったことあるなぁって


思い出してた。






あの街で

嬢として生きていくってどういうことか





知りたくてたまらなくて


でも入り方しらなくて





梅田をうろうろしてたらスカウトされた。







いまだに謎、あのおじさん。






お金なさそうなおじさん。






紹介されたのは

外車に乗ってきた経営者?オーナー?




若くて

ザ・浪速

みたいな人だった(わけわからんけど)







あの座敷に座って

見えた景色は




狭かった。





左から右、

右から左と


男が行き交う。





こちらを見る人もいれば

すたすた目的地がありそうに通り過ぎる人もいる。


気になったのか

何度も通る人もいた。





客観的にみると

「この女、なにやってんんだ」

って思うけれど



あそこに座ってるときは

選ばれたくて、上に上がりたくて


なかなかお客さんにつけないと

テンション下がってくる。






「演技すんねん」

おばちゃんは言った。



あの狭い空間で、

一瞬しか見られない中で

どんな演技するんだと思うけれど




むすっと座ってる美人はなんだか布団でも期待薄そう。


そういうことかな。






あの日

稼いだお金は少しだったけれど



といっても普通に風俗一日分て感じ。




とても楽だったように思う。







外と繋がってるからかな。



箱ヘルで過ごす6時間より

飛田で過ごした6時間は


苦痛を感じなかった。





もちろん初めての場所で緊張していたというのもあるが。










平均滞在日数

どれくらいなんだろ、嬢の。




なんちゃら新地という場所で

人気嬢というのもいるらしい。













あの場所が

究極だと思う。






風俗嬢としての、いや、もはや風俗という枠を超えているかもしれない。

あこがれの場所に座れただけで

あたしは満たされている。