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先々週の金曜夜〜土曜未明
寝落ちから醒めたら深夜の宣伝番組に
ベルリンフィルの樫本大進さんが出ていて
フェスティバルホールのチケットを衝動買い
(決して衝動買いしていい値段ではない)
10年以上前
クラシックを聴きまくっていた時期はあったが
耳に自信がなくなりすっかり遠ざかっていた

レーガーの、モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ。
途中の変奏なんて元の主題から相当発展しており
単独でも充分成立しそうなクオリティで。
聴く人が聴けば何にインスパイアされているかわかりそうなものだから
適当に標題つけて切り売りすればいいのに、
モーツァルトに義理立てするのは奥ゆかしい。
そんなことを考えながら聴き惚れていると突然、
床に叩きつけるような音。
バイオリン奏者のお一人が発作で倒れたらしい。
お医者さんらしき人が舞台に上がる。
自力で歩いて退場したので軽症ならばいいのだが。
しばらくして指揮者ペトレンコ氏帰ってきてにこやかに再開。
中断少し前から遡り
何事もなかったかのごとく演奏。
これぞ正に Show must go on.

メインは、リヒャルト・シュトラウスの
英雄の生涯。
今までちゃんと向き合って聴いたことがなく
ブックオフで買ったカラヤンで一夜漬けの予習をしたが
やはり生は迫力がまるで違う。
悠然たる英雄のテーマに対し、
敵対する木管の嘲笑。個人的にはここが一番刺さった。我が身を振り返ってしまった。
そして 樫本さんのソロで
優しく包み込む妻のテーマ。
やがて敵との全面対決と勝利。
凱旋。そして静かに隠退。
シンバルやドラのタイミングと
ラッパ隊のバンダに出かける様子もよくわかり、
集中して聴くといろいろいいことがあった。

頻繁にではなくたまにでいいから
(たまにでないと破産する)
やはり超一流には触れるべきと思った。