連れ立って新宿駅の公衆電話を捜索に出かけた私とクオン・サンウ巡査。



ほんとだねー。


このあたりはルミネだらけだねー エヘ(・∀・)!



しかし、探せど探せど公衆電話が見つからない。


更に土地勘もクソも何も無い私。


クオン・サンウ巡査だけが頼りだった。




するとクオン・サンウが言った。



「す・・・すみません、公衆電話の設置場所がわからなくて・・・!」



エェーーーーー(゜益゜)!!



頼りになんねーーーーーー!←頼っておいて一体何様?



昨今、携帯電話が普及するにつれ公衆電話の需要が減ったため、もはや数える程度しか現在では設置されていないらしい。


が故にPの居場所を特定しやすい、と踏んだサンウ巡査であったが、彼自身が公衆電話の設置場所を全く把握していなかった。


ま、そりゃそーだ。




そのうち3台の公衆電話を発見。


Pの姿は無い。


その時!!


携帯にまたもや公衆電話からの着信が(゜益゜)!!!



あっ!!!



と思ったのも束の間。


まるで非通知設定のように、一瞬で着信のみを残して着信が途切れた。


なんでじゃーーーー!



んが、わかった事が一つ。


Pはたった今公衆電話のある場所にいて、それはここでは無いのだ、という事。


それをサンウに伝え、また場所を移動する。


その間に公衆電話からの着信が数回。


しかしいずれも一瞬着信しただけで、繋がったものは無かった。



これは何でなんじゃ?


Pが行方不明になってからほぼ1時間半。


駅構内は相変わらず人がごった返し、沖縄とさほど変わらないような暑さ。


別の公衆電話を探し歩きさまよい、途方に暮れかけていると・・・見慣れない番号からの着信が。


誰かから電話を借りたらしく、繋がった電話の向こうからはPの声がした。


通話料がかかると申し訳ないので、すぐさま折り返す旨を伝え、電話を切る。



「もしもし?」


「はいはーい♪」


明るい声の年配の女性の声だった。


「すみません、うちの息子がお世話になっているようで・・・。」


とにかく場所を聞き出さなくてはいけない。


「いえいえ、そんな事ありませんよー。ちょっと待って下さいね。」


場所を聞く前にPにチェンジされてしまった。


「電話借りたのね?」


「うん。お店の人に。」


ナイスだ、P!


その店の場所がわかれば後はチョッパヤだ!!


「そこの場所わかる?なんていうお店?」


「うーんとね、チーズケーキのお店だけど・・・。」



店の名前や場所はわからないようだったので、おばさんに電話を代わって貰った。


「あのう」


とにかく場所を聞き出さなくてはいけない。


「本当にありがとうございます、お店の場所はどちらでしょうか?」


すると・・・。


「いえいえー、いいんですのよ、そんなお気遣いなさらずにどうぞー!」


・・・。


と・・・とにかく、場所を聞き出さなくてはいけない。



「あの、今からそっちに伺いたいのですが・・・。」


「いえいえ、本当にうちはお構いなく!!もうここも今週いっぱいですから、どうぞまた機会がありましたらお子さんといらして下さいな~!」


・・・。


とにかく・・・とにかく場所を・・・!!



「あの・・・子供を迎えに行きたいのですが・・・。」


「あらー、利発そうなお坊ちゃんじゃないですかぁ、ほんとに。うちはお構いなくどうぞ?ね?」




ば・・・場所を!!お店の場所を教えてくれーーーーー・・・(゜益゜)!!




仕方が無いのでクオン・サンウに電話を代わって貰う。


警察からだ、という事ですぐに会話の内容が把握できた模様。


お母さんはここで待っていて下さい、というので荷物を床に降ろして待つこと10分。


生き別れた時と同じ姿でPが戻ってきた。←?



クオン・サンウ巡査より軽いお説教を受けて、私達は仲直りをした。


聞くところによると、どうやらPが電話を借りたケーキ屋さんがあるのは、改札の中。


銭も無いのにどーやってはいったんじゃ。


Pのポケットには10円玉が2枚と5円玉が一枚入っていたそうな。


数回の、すぐに切れてしまう着信はなんと5円玉でかけていたそうだ。


そんなチャレンジした事も無い。


着信が残せるだなんて、普段は何てこと無い事だけど・・・この度は大いに役立った。


何度も何度も公衆電話を掛けなおすPをおばさんが不思議そうに見ていたそう。


それでPがおばさんに、電話を貸して欲しいとお願いしたのだった。


切符を買い、Pに案内をされながら電話を貸してくれたおばさんの店に着いた。



Pの顔を見た途端、おばさんが良かったねえ、良かったねぇと繰り返す。


さっきまではこんな事情があったとはまるで知らなかったおばさん、あなたは命の恩人です。


沖縄から来た事、今日の飛行機で帰ること、お金を全く持たせていなかった事などを話し、丁寧にお礼を言った。


更には、こんなものしか無いのだけれど・・・とやっちんに渡すつもりで持ち歩いていたプチ土産をおばさんに渡す。


最初は遠慮して受け取ってくれなかったけれど、会えなかった友人へのお土産で、こんなものしか持ち合わせていないがこのまま持ち帰るより受け取って欲しいと言うと、喜んで受け取って下さった。



おばさんの店で私はチーズ、Pはチョコレートのケーキを買い、またお礼を言って立ち去った。


おばさんにとってはただ居合わせただけだったかもしれないけれど、私たち親子にとっては、おばさんの携帯電話はまるで命綱だったから。


エンジェル88、というこのケーキ屋さんは、この時期限定だったのか・・・それともどこかに本拠地を構えているのか・・・。



ググっても引っかからないので全くわからない。


だけどケーキはとても美味しかったし、控えめすぎて困るほど良い人なおばさん。


もし機会があればあの店のケーキ、みんなにも食べて欲しいです。



・・・っておばさんが作ってるわけじゃなさそうだけど!!



教訓その1:かわいい子には旅をさせよう(小銭携行・携帯番号の暗記もね)


教訓その2:新宿駅周辺はルミネだらけ


こんな教訓、全然意味ねーーー!


んで、浅草観光シリーズは写真あります!!



つづく