午前1時過ぎに起きだして、ハワイカイから少し離れた高台へ行き、車のボンネットのに上体を寝かせて皆既月食を眺めた。
厚い雲に覆われていて流れる雲の隙間から合間に見せる月は、残念ながら肉眼では思ったほど緋くはなかったが、いつもより無数の星が一面に散らばってきるのが雲の動きに沿って漆黒の空に流れてみえるのが美しかった。
その美しい星たちの輝きが、その後、一眠りから目覚めて先ず読んだインタビュー記事と重なったように新鮮な弾むような気持ちにしてくれた。
大江千里さんは、47歳でニューヨークでジャスの学校に入学。今は、ニューヨークを拠点にジャズの演奏をしているのだそうだ。今年、58歳。
それまでの名声とか数々のヒットアルバムとか財産とか側から見たらとても大きなものを、普通だったらしがみついてとても怖くて決して離さないだろうモノを手放して…。
リセットでもリボーンでもリニューでもない…なんかもっと違う、なんだろう…すごく新鮮でキラキラしている。穏やかに波打つ水面に光が反射しているような…。
自分で眼の前に石畳を一枚一枚丁寧に敷いて路を作っていくような感じで、一瞬一瞬そのひとときひとときを慈しんでいるようだ。
「自分が持っているテイストは、年齢やなんかでそう簡単に枯渇するものではないと思う」
年を重ねてきているからこその意味のある表現だ。
まさにご自身の著書のタイトルとおり
新たな地、ニューヨークで新たなジャズのテイストを自分に耕す
なんだ、年を取るのもそう悪くない。
同年代には嬉しい
そして、聴いてみたい!
でも、そこにはやはり大江千里というネームバリューがあるからなんだろうけど、そういう先入観とか一切なしにして聴いてみたい。