会社の打ち上げを終えて、有楽町のマリオン前から深夜急行バスに揺られて、わが街に帰ってきたらすでに2時半になっていた。

 バスを降りると駅の付近に女の子が立っている。酔っぱらった私を見て「マッサージいかがですか」と声を掛けてくる。いつもなら相手にもせず通り過ぎていくのだが、この日は相当に酔っていた上、数日前に彼女と別れた寂しさもあって、女の子に強引に引っ張られるままお店に来てしまった。いかがわしさが漂う客引きであったが、この日は「どうにでなれ」という気持ちがあったのかもしれない。

 ラーメン店の2階のそのお店は外から見ると窓がカーテンで蔽われていて様子がわからなかった。階段を上りドアを開けるとカーテンで仕切られた暗い空間がいくつもあった。