相場中毒者である自分にはGWはつらい。

しかしこの時間を使い(仕事は別に休みじゃないけど)

いましばらくは藤原先生の著作にふれながら

書いてみたい。


自分はいつも先生の著作にふれるとき、

通常は眠っているなにか、心の奥底で眠っている何かを

激しく揺さぶられてしまう。

おそらく、これは読み手に共通して起こっていることだと思う。


先生の「国家の品格」がバカ売れしたのはうれしいかぎりで

私たち日本人の思いを代弁してくれたとの思いが、

形になって現れたのだと思うし、この国にはいまだカナリの数の

良質な人々がいることの現われでもある。


一面識も無く単なるファンに過ぎない自分が、

先生に申し訳なく思うのは、先生にこのようなご足労願わなければ

ならぬほど、この国は土台を揺すぶられており、それは私たち中堅世代の

責任であるからだ。


様々な現場で社会を構成している世代。

やたら働かされて、時間もお金もないが、精神的ゆとりも

削りとられてきているわたしたち。

それでも、先生のおっしゃっていただいたことに

真摯に耳を傾け、それぞれの生きている場で

日本人たる良心に従い行動していきたい。

それが、私たちの国の誇りであり、強さでもある。


あらら、軽い書き出しのつもりが長くなってしまった。

「この国のけじめ」(藤原正彦・文芸春秋)が出たので

それを味わいつくすつもりなのがいましばらくの本旨です。

(別に、哲学書というわけでもないのになあ・・・)


今日は、2章の「祖国愛」の【世界に誇りうる日本人の規範意識】です。

(確かに、愛国ということばは手垢がつきすぎてしまった観がありますね)

書き出しは、こんなふうです。

先生の父が子供のころ、火事場から黒焦げの木片を面白半分に拾ってきて

祖父に烈火のごとく怒られたそうです。

「火事場からはどんなものも持ってきてはいけない。

いますぐ元のところへ返して来い。」

これだけでも、涙が出そうになります。

「泥棒の中でも火事場泥棒ほど恥ずかしいものはない」

と繰り返し教えたそうです。

もう痺れますよね。ほんと。


日本人の規範感覚は、武士道精神に根ざし

誠実・慈愛・惻隠・忍耐・礼節・名誉・孝行・公の精神を重んじ、

卑怯を憎む精神であると書いておられます。

世界は今、混迷の中にあり、

この世界を救う手立てとして、この日本精神はきわめて

有望であるとも。


この先生の考えは、おそらくは岡潔先生から引き継がれたものであり

藤原先生はきっと、使命感にも似たものをお持ちだと思う。


岡先生は、「このままでは、百五十年もすれば日本は滅んでしまう」と

述べられたが、そのせいもあり藤原先生は焦っておられるのかもしれません。

岡先生は、藤原先生の著作の中にもたびたび登場してきます。

岡先生は、近代日本が生んだ世界的数学者です。


長くなってしまったので、今日はこれにて。