不妊症の相談をしていると、とても強く思うことがある。

「赤ちゃんがほしい」

と思う気持ちって、損得だったり社会的な立場だったり、利害関係とかではなくて、すごく純粋なところから湧き起こる感情だと思うんだよね。

もちろん、夫、両親、義理の両親、家族、友人、同僚とかまわりの人間関係や社会的なプレッシャーとかもあって、悩みがふかくなっていくのだけど、根源的なところでは、本能に根ざした純粋な気持ちだと思う。


その純粋な気持ちだったり、それがなかなか手に入らない時に払ういろんな努力や積み重ねの先に、妊娠があったりする。

単純な努力とかだけではなくて、手放すことや受け入れること、心や体の変化があって妊娠に至ることが多い。

ビジネスの成功や、名声とかの、いわゆる社会的に言われる「成功」の多くは、ゴールを設定して、逆算していって努力を積み重ねて手に入れる。

でも、
不妊で悩む時の妊娠って決してそうではない。
ゴールを設定して、すべきことを逆算して努力を積み重ねたら手に入るものでは決してない。


ぼくらは、目標に向かって努力を積み重ねて手に入れることを教育されてきた。
受験だってそうだし、部活動だってそう。
社会に出てからは、業績に対して一層求められる。
計画して、実行して、成果を出して、チェックするPDSCになれてる。

だからみんな、同じような方法で最初は不妊という問題に取り組もうとする。


なにが足りないんだろう。

なにがダメなんだろう。

そうやって考え続けて、いろいろ実行してみて挫折することを繰り返してしまう。



いわゆる社会的な「成功法則」とは全然違ったものがそこにはある。
と、ぼくは思ってる。

何が足りないとか、なにがダメだとか、努力の量や質を問われるのとは全く違う法則みたいなものが、そこにはある。


うちの薬局では、この１５年間に５万件くらいの相談をしてきてるし、ぼくだけでも数万件になる。

妊娠することはもちろんそうだし、病気を治すことも同じだけど、そこには一般的な成功法則とはまた違ったものがあるんだよね。


これだけたくさん相談をしてきて、たくさんの妊娠や治癒をみていると、それはたくさんの成功体験を目にしているのと同じなんだよね。

いろんなひとがいるし、
いろんな考え方がある。

こうすれば、こうなる。

というものではないし、
Aさんでうまくいったから、Bさんでうまくいく。
というものでもないのだけれど、これだけたくさんの成功体験を目にしていると、そこにあるものがなんとなく見えてくる。


ぼくは、根拠がないけれど、「なんとかなる」という絶対的な自信みたいなものがあって。
それは、これまでにどうにもならないような状況でも、なんとかなったひと達をたくさん見てるからに他ならないんだよね。


体が変わっていって、心が変わっていく瞬間。

言葉が、表情が、がらっと変わる瞬間を目にするのが、ぼくは好きだ。


そして、できるだけたくさんのひと達に、この目標から逆算していったり、努力を積み上げることで結果をだすのとは違う成功法則を知ってほしいと思う。
（成功法則という言葉が適切かはわからないし、ぼく自身ちょっと違和感があるから、他に言い方を考えたいんだけどね）


そして、このうまくいく形って、一般的なことがらにも当てはまると思うんだよね。
ぼくとかまさにそのことを、相談に来られるひとから教えられて、実践してるようなものだから。


ぼくはねー。
間違いなく一番学ばさせてもらってる。
ぼくのところに来る、たくさんのひとたちから学ばさせてもらってる。

あー、いい感じ。
あー、いい顔してるなぁ。

って思う時に、みんなうまくいくんだもん。
でも、そんな時には、もう夢や目標を手放しかけてたりするから不思議なんだけどね。


今度の京都のクリスマスランチ会では、そんなことをワークショップっぽくしたいなとも思ってる。
いろんなことがうまくいかなかったり、悩んでたり、迷ってるひとには、ぜひ来てほしいな。
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結局、いっつも考えてるんだよね。
どうやったら、
妊娠されるのかなぁ。
病気が治るのかなぁ。
って。

もちろん、それだけがゴールだとは思ってるわけじゃないけど。
やっぱりこれだけたくさんのひとが来られてて、たくさんカウンセリングしてると思うんだよね。

険しかった顔がやさしくなったり、
愚痴ばかり言われてた言葉が変わったり、
思い詰めていたのが、ふっと手放せたり。


あの変わる瞬間があると、願っていたことがすーっと手に入ったりするから、
どうやったらあの状態になってもらえるのかなぁって、
いつも考えてるんだよね。


「こうなってもらえたらいいなぁ」

と言うのは、ぼくの勝手なエゴかなぁと思わないでもないけど。
でも、やっぱり思っちゃうんだよね。


体を整えて、心を整えて、そして夢や目標がかなう。


というのが、ぼくのベースには常にあるのだけど、それをもっとわかりやすい形で、具体的に伝えれたらいいなー。


そして、ぼくはビジネスや社会的な成功よりも、
不妊に悩んでいるひとにとっての妊娠のように、ひとりのひとが真剣に悩んで向かい合って手に入れた個人にとっての成功のほうが、なんだか好きなんだよね。