最近あまり書いていませんでしたが、最近の新型コロナウィルス関連のワクチン、治療薬、その他についての記事です。
11月に入った頃から全世界、さらには国内でも急激に感染者数が増加してきました。一方で大統領選でバイデン候補の優勢が決定的となった直後に、新型コロナウィルスワクチンの有効性が9割以上とかなり高いことが各メーカーから相次いで報道され相場はお祭りムードとなりました。
12月に入るとファイザー・ビオンテック連合のワクチンが英国で緊急使用許可を得て、先週末にはついに米FDAの緊急使用許可を得ました。ライバルのモデルナ社も既に緊急使用許可申請をしています。
国内ではアンジェス、塩野義製薬、第一三共などがワクチン開発を行っていますが海外に比べ進捗はかなり遅れており、現在臨床試験中、もしくはこれから治験を始めるかという段階です。
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ワクチンの保管条件はメーカー間で大きな差があり、ファイザー製は-70℃で6か月、冷蔵庫では5日しか持ちません。一方モデルナ製は-20℃で6か月、冷蔵庫で30日の保管が可能、アストラゼネカ製は冷蔵庫で6か月の保管が可能となっており最も実用的です。
一方で副反応はファイザーよりモデルナのワクチンの方が出やすいようで、発熱、関節痛、倦怠感、頭痛などがそれぞれ1割弱くらいの確率で出現するようです。
日本政府は各社と数千万~1億回分程度の供給を受けることを合意しているようで、来年には当面高齢者や医療従事者が優先となるようですが東京オリンピック予定日までの接種開始が現実味を帯びてきています。
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次に、治療薬の話題です。
国内では元々インフルエンザ治療薬として承認されていて新型コロナ治療薬としても有名なアビガンですが、10月半ばに製造元の富士フィルムが承認申請してからしばらく沈黙が続いていました。ここ最近になってニュースがあり、厚労省が「通常より早い審査」を行い、年内にCOVID-19への承認可否を判断するという話です。
アビガンは催奇形性のため妊娠中(または可能性がある)の人は使用できず、新型コロナ向けではかなりの量を飲む必要がありますが、直近の二度目の臨床試験では一定の有効性が確認され、また新たな有害事象は認められなかったようです。
もしアビガンが承認されればレムデシビル、デキサメタゾンに次ぎ3番目の承認薬となり、軽症感染者への治療の選択肢が初めてできることになります。近くの病院で簡単に飲み薬を貰えるという点では心理的にインパクトが大きいです。
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さて話は戻って新型コロナ感染者数、重症者数は寒さが増すごとにその数は最多更新しており、地域によっては医療崩壊の危機が叫ばれています。特に集中治療室の看護師などに多大な負担がかかりマンパワーを要するため、人材不足が深刻化し他の診療に手が回らなくなります。
ただ自粛させるためにロックダウンに準ずるような強制的な営業停止・外出禁止措置をとるのも自殺や犯罪を増長させることになり費用対効果的にも問題があるので最善手とは言えません。
現状、政策面で問題視されているのはGo Toキャンペーンです。経済を回すためとはいえ、感染流行地域からの人の移動や会食による人の接触を増やすきっかけを作ることになってしまうからです。
この状況下であれば人の移動や集まりを伴わずに直接金銭的に支援してしまった方がいいと思いますが、そこはやはり財務省の許しが出ずにできない話なんでしょうか。ワクチンの普及には今しばらく時間がかかりそうですし、次なる給付金のラッシュに期待したいところです。