デフレについての雑感 | 趣味でやる投資 (株式/不動産/etc.)

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東京・愛知で2拠点生活の氷河期世代です。株式、不動産などの投資、PCやスマホ、車、クレジットカード、コイン、他自分の興味のある話題を自身の頭の中の整理も兼ねて投稿したいと思います。アメブロとtwitterを併用していて、ブログの更新・チェック頻度は週1~2くらいです。

約30年前のバブル経済とその後30年のデフレ・・。潜在意識の中ではバブルが異常でその後のデフレは当たり前ととらえがちですが、個人的にはむしろデフレの方が異常だと思っています。

 

 

デフレの要素として一番大きい要素が「賃金が上がらない」という点ですが、雇用者側から見ると最大の理由は労働基準法の厳しさだと思います。この法律は戦後まもなく制定されその後も改変はされていますが、今の世界的な流れにはついていっていない印象です。

 

 

特に解雇・賃下げが非常に難しくなっているため、雇用者的には一度待遇を上げてしてしまうと簡単には撤回できなくなり、一時的に景気がいいからといって流動的な労働者還元策をとれず内部留保だけが膨らんでいきます(これだけでなく株主優遇の影響もありますが)。

 

 

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また他に思いついただけでも賃金が上がりにくい理由は下記のとおり色々とあります。

 

 

・殆どの企業が労働成果ではなく労働時間に対して報酬を支払う仕組で、労働生産性が他国より低くなり賃金上昇へ反映されにくくなる

 

・扶養範囲で働く場合103~130万円の壁があり、これが心理的な障壁となって労働量に制約がかかる(150万以上稼がないと損になる)

 

・少子高齢化で増大する社会保険料を含めた控除率が年々増加しており、同じ賃金でも可処分所得額がどんどん低下している

 

・特に所得900万円以上の累進課税率が高すぎて労働意欲を削られる(各種手当がなくなる所得ラインもこの付近)

 

・同じ理由で現役を退いた高齢者の割合が増加しており、政治的な理由でその層に有利になる政策が取られやすい(つまりは賃金・物価高の抑制)。

 

 

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このようにデフレが長らく続いているのは政策・社会構造によるところが大きいですが、今後も永久に続いていくとしたら日本円の実質的価値が今後も上がる(下がらない)必要がありますが、それはもはや理論的に難しいように思えます。

 

 

日本は債権国とは言われますが、GDPに対する債務の比率は上がり続けていまし、食料や資源が乏しいため国際競争に勝たないと貿易赤字になりやすい体質があります。事実として今年の3月以降に急激に円安が進みましたが、これは米国等との金利差や地政学的な問題だけではなくデフレ下で国力の弱体化が露呈してきた結果なんじゃないでしょうか。

 

 

そして円安と物価高騰を目の当たりにした時、将来の不安のために蓄財するという国民のデフレマインドが逆に今貯金を使わない(投資しない)と損というマインドに変わる時が来て、さらに政治的変革も重なればいよいよデフレ終焉となるんじゃないか期待しています。

 

 

とはいえ米国の利上げはいよいよ天井が見えつつありますし、逆に岸田政権下で増税がエスカレートし、日銀総裁が変わった後大胆な利上げがあればこの期待は崩れ去り当面さらに強烈なデフレと付き合うことになるでしょうけど。。