余命一ヶ月の花嫁
見た方いらっしゃるんでしょうね。
私はまだ見てませんが、千恵さん自身のドキュメンタリーを少し見ました。
今日、映画の予告をネットで見ただけでもウルウルきちゃいます
妊婦になって、余計に涙もろくなった私。
ただ・・・
たぶん映画は見ません。
私自身も肺癌の患者さんをよく担当します。
診断、告知、治療から終末期の緩和まで。
本人、家族、それに関わる私たち医療者。
みんなそれぞれの葛藤があります。
治療も苦しいし、気持ちも苦しい。
そして症状によっての苦しみ。
そればかりではありません。
勿論、一生懸命頑張っておられる患者さんの人生は素晴らしいし、とても大切なことを教えてもらうことが出来ます。
その人の人生の一端に関わることが、私の医療者としてのスタンスです。
私が内科である以上、多くの患者さんは治らない病気を抱えているからです。
治してあげるなんておこがましいことは出来ません。
ましてや、死にゆく人の運命を変えるほどの力を持ち合わせてはいません。
ただ、その人たちが病気を抱えながらも、残りの人生をその人らしく生きていくために、家族と一緒にサポートが出来ればよいと思います。
医療に万能が求められる世の中。
命を救うことだけがプロフェッショナルな医者のような扱い方をされていますが、私はそうは思いません。
人は生まれてきてから、必ず死に向かって歩んでいます。
でもこれは生物としての決まりであって、暗いことでもなんでもありません。
だからこそ、今を大事に。
命を尊び。
生きていくことが重要だと感じることが出来る。
私も一度の流産経験があります。
ブロガーさんの中には、何度も流産を経験されたり、不妊治療を頑張っておられる方もおられます。
その方の思いや苦しみの全てを理解することはおこがましいと思いますが、
それでも皆さん明日に向かって一生懸命生きる姿がステキだと思います。
私は母もすでに亡くしています。
母は59でした。
このときも、人間が生きること死ぬことについて、深く考えさせられました。
絶望、癒える事のないと思われる悲しみ。
このことについては、また機会があれば書きたいと思います。
ただ、私が最終的に至った結論は・・・・・・・
亡くなったものに固執して悲しむよりも、その子供、親、友達、恩師、色んな方がそこにいてくれたこと。
それを授かったことに感謝して、次の一歩を踏み出さなければいけない、でした。
映画はきっと素晴らしいと思います。
でも、なんだか愛の美しさや今日を生きる重要性ばかり美化されているように感じてしまうんです。
患者さんが感じた不安や病気による苦しみ。
これが理解されないと、その本質ではない気がします。
ただ・・・・難しいのは・・・・
やっぱり、自分がその立場になって経験しないと、本当の理解は難しいですよね。
そういう意味では、多くの女性に早期にがん検診を受けて欲しいという、千恵さんの願いは、この映画を通して伝われば成功なのかもしれませんね。