今号のハーバード・ビジネスレビューはマネジメント特集。

 

新しいタイプのリーダーシップについての記事が面白かったです。

 

 

「共創を生み出すリーダー」に必要な特徴は、下記の3つとのこと。

 

・建築家(Architect)

・橋渡し役(Bridge)

・触媒(Catalyst)

 

頭文字をとって、ABC。

 

 

建築家 Architect

 

新たな組織文化とケイパビリティを築くこと。イノベーションの重要性が増し、デジタルツールとデータが共創を実現する上での主たる原動力になっていることもあり、組織内の全員を勇気づける必要がある。

 

 

橋渡し役 Bridge

 

コラボレーションが進む基盤をつくること。部門をまたいだイノベーションは、それ自体が難しい。イノベーションに必要な人材やツールを発見し、信頼して協力し合える絆をつくることが必要。多くの「イノベーションラボ」的なものの失敗の多くは、リーダーが橋渡し役の役割を軽視したことに起因する。イノベーションに必要なことは契約とか知的財産ではなく、コラボレーションである。

 

 

触媒 Catalyst

 

複数の関係者間のコラボレーションを加速させること。イノベーションを進めるにあたって網の目上に広がる相互依存関係をマネジメントすること。特に直接指示することが難しい企業、政府、自社の領域外の個人などを特定して、共同実験や研究を行う。

 

 

これら3つの項目を見ると、必要なことは単なる命令ではなく、積極的に関与することが大事だというのを痛感します。正式に与えられた権限を超えて、どんどん巻き込んでいく力を伸ばせば伸ばすほど協力者も増え、結果的にイノベーションが進むということ。

 

私も人事になりたての頃は、とにかくいろんなところに顔を出してたくさんの方とお話をするようにしました。そこで大事にしていたことは、それを社内で利活用すること。聞いた話をそのまま真似するのは自社の文脈からすると意味がないことも多いので、自社の課題を解決できそうなことにアレンジして実践する。その実践したものを教えてもらった方にフィードバックすると、とても喜ばれました。この流れで共感しあえる人がたくさん増えて、さまざまな活動や取り組みに誘ってもらったり、一緒に何か取り組みをやったりすることもできるようになりました。

 

大きな仕事をするには一人ではできません。誰でも理解しやすい話ですが、大きな成果を出す人は必ず多くの人の力を借りています。そのためにも「建築家・橋渡し役・触媒」の力というのは今後ますます重要になっていきますね。