ANGER、RAGE、FURY。。どれも怒りを表す言葉。

WRATHもそう。

 

 

WRATH

 

 

82年、Gのマイク・ナイルッカネンとBのゲイリー・モディカを中心に結成されたシカゴ出身の5人組。

85年にデモ制作後、86年の1stアルバム

 

FIT OF ANGER

 

 

WASTED YOUTHSGMD.C.LACROIXなんかと同じカリフォルニアのMEDUSA RECORDSから発売、でもオリジナルはイリノイ州のKING KLASSIC RECORDSのよう、なるほど、自分の見たら確かにKING KLASSIC盤だった。

 

スラッシュメタルバンドとして知られているがそこまで激しくない、少なくともこの1st、それもオープニング "Children Of The Wicked" 聴いたらわかる、US正統派にもよくいるMAIDEN型パワーメタルって感じ。もちろんスラッシュ要素もあるが曲展開やメロディにこだわりがあって破壊力重視のバンドとは一味違う、続く "What's Your Game" でもギターソロの疾走感に興奮する。

 

 

LAでもなくNYでもない、その間に山ほどいたアメリカン正統派パワーメタルの一つとしてレベルは高い。ATTACKER 1stとか思い出したりした。LAやNYのバンドに比べると垢抜けなさがあって少々イモっぽい、Voも下手、でもマイナー好きにはそのダサささえ味となる。B級好きには結構な名盤。

 

88年MEDUSAから再発、収録曲が変更されていて、どこから来た曲かは不明だが1曲目に "In The Wake" が収録される。tubeで聴いてみたらこの曲が一層正統派。MEDUSA盤のがお得かも。

 

MEDUSAと契約して87年の2nd。

 

NOTHING TO FEAR

 

 

Drが替わってる。

プロデュースをなぜかMONTROSEのギタリスト、ロニー・モントローズが担当、そう言えば同時期にHEATHENの1stもプロデュースしていた、どちらもスラッシュ系バンドでロニーとは音楽的な接点はあまりなさそうだが、WRATHのデモを聴いて自ら申し出たそう。

そのプロデュースのおかげかイモっぽさが減ってがっちりしたスラッシュメタル感が上がった。MAIDEN型の正統派要素を残しながらスラッシュメタルのスリルや緊張感をプラス、元々技術はあって演奏の上手いバンドだから、曲の質も上がったことで1stを上回る良い作品になった。

 

 

Voの弱さもバンドの個性として成り立つようになってきた、凝った展開の曲に乗るミスマッチなVoがWRATHらしさになってると思えるほどに。当時気に入ってよく聴いていた。

"R.I.P. (Ripped Into Pieces)" から "Mutants" への激烈でありながらドラマティックな流れは秀逸。続く "Hell Is Full" のギターソロも聴かせる。

全体にHELSTARにも負けない緊張感がみなぎっていて、聴き終えた時、心地良い疲労感を覚える。WRATHはこのアルバムを勧める。

 

90年の3rd、PONY/CANYONから日本盤も発売、日本デビュー作。

 

INSANE SOCIETY

 

 

EXXPLORERの3rdジャケを思い出す。

邦題は「狂気社会」。

一回処分してまた買い直してるから帯が2枚ある。このパターンがよくある。なんて無駄なことしてるんだ。

 

 

このバンドの大事な要素であったVoが替わった。

内容は悪くない、派手さはないが堅実なアメリカン正統派スラッシュ、ただし個性の部分は減退、どこにでもいる普通のスラッシュバンドになってしまった。Voの迫力は増したのにあのころ流行りっぽいアメリカンな音作りが軽くて全体的にパワー感がない。

考えて曲作ってるのは十分伝わるけどそれがカッコよさにつながらない、なんかちまちましてるなぁって思ってしまうのは良くない。もっと良い曲があるか逆にバカバカしいまでの迫力があると良かった。元々あった正統派要素が足引っ張ってるような気もする。

"Panic Control" なんてカッコいいんだけど、一流どころであるTESTAMENTなんかと比べるとまだまだって感じ。

 

95年に解散するが98年に再結成、同年にEP、2014年と2018年にアルバムを発表して現在も活動中。オリジナルVoであるゲイリー・ゴルヴィツァーが戻っている。

 

 

"Children Of The Wicked"

 

"What's Your Game"

 

"R.I.P. (Ripped Into Pieces)"

 

"Mutants"

 

"Panic Control"

 

"Insane Society"